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「お茶の時間 雲間」ってこんな店です

こんにちは。「お茶の時間 雲間」店主の寺本紫織です。
2020年12月8日で、開店4周年を迎えました。
改めまして、雲間ってどんなお店かご紹介します。

火曜から土曜の午後、13時から18時まで、日本・中国・台湾のお茶をゆっくり楽しんでいただく喫茶室として開いています。

店内

店内はこんな感じ。お茶の種類は季節やタイミングによって変わりますが、だいたい8〜10種類くらい。どのお茶もお湯をさして何煎も長く楽しめるお茶ばかりなので、ちょっとつまめる甘いもの、お菓子小皿や季節のおやつなどもご用意しています。ランチはないけど。

喫茶で飲んで「うわー美味しい」と思ったら、ぜひ自宅でも淹れて楽しんでいただきたいので、お茶の販売もしています。お茶は自分で淹れてこそ本当に楽しいし美味しいのです。喫茶で飲めるお茶はだいたい買って帰れます。プレゼント用にお包みもしています。

4年前、雲間を開いた時につくったショップカードにこう記しました。

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日々、なかなかうまくいかなくて、どんよりした日々だとしても
心にぱっと、雲間から光が射すような瞬間があれば生きていける
そういう時間をここで過ごしてほしい
そう願って「雲間」と名付けました。

それは、温めた急須に茶葉をいれたときに立ち上がってくる香りをかいだ瞬間だったり、お茶を口に含んだ瞬間だったり、目がばっと開くような、あるいはゆっくり閉じていくような、ただその香りだけが自分の全てになるような幸福感。
お茶にはそんな力があるなぁといつも思わされます。

雲間がもうひとつ、ここでやりたかったことは
「わからなかったこと、知らなかったこと、に光が射す瞬間の体験」
でした。

雲間を開く以前からやっていた仕事のひとつとして、サイエンスカフェがありました。広島大学理学部の先生方と、かれこれ12年前くらいから続けてきました。科学者と一般市民が、気楽にお茶を飲みながら最先端科学の話をするサイエンスカフェ、そこでわたしはファシリテーター(司会者)をつとめていました。

サイエンスカフェ

「先生それどういう意味です?」「ん?さっぱりわからない・・・」
などと聞いてる人を代弁してわかるように説明してもらうのが仕事。
素粒子だとか連分数だとか文系の自分にはなんだかさっぱりわからない、
が、
突然分かる瞬間が来ることがある。
ああ! そういうことなのか!
それはまさに「暗かった自分の中にぱあっと光が射しこむ瞬間」
心が震えるような体験でした。

そういうのがやりたい。
そのための場所を持ちたい、と思ったから、雲間を始めたのでした。

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念願かなって雲間でもサイエンスカフェを開きました。
寺本をファシリテーターにスカウトしてくださった
大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻 寺田 健太郎 先生と広島大学先端物質科学研究科 高橋 徹 先生。
ほかにもいろんな先生方にご協力いただき、4年間で9回、サイエンスカフェを開きました。

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司会も進化し、話の進行に追随するように壁一面に板書する、という技を発揮するようになりました。落書きみたいで楽しい。


サイエンスだけでなく、みんなで美味しいごはんを食べて、お茶を飲みながら「文化人類学」について話すトークライブ「いただきますから始まる文化人類学講座」も。

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広島大学大学院社会科学研究科 松嶋 健 先生 と、岡山大学大学院社会文化科学研究科 松村 圭一郎 先生に連続講義をお願いしました。参加者も語り、対話で深まっていく思考体験でした。

美味しいものを食べながら、美味しいお茶を飲みながら、という共食体験が雲間のイベントには欠かせないものとなりました。

今年2月の「いただきますから始まる「どじょうやさんの土のお話」」では
志和の有機栽培農家 どじょうや さんを招き、どじょうやさんのど根性野菜を ホームラン食堂 芥川可奈 さんに料理してもらっていただきました。

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一緒にたべると、もう家族。
文化人類学的にはそういうことなんだって。(たぶん)

毎月の寺子屋的な学びのレッスンも、もう4年続いているものがたくさんあります。

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ドゥジエム 山村 多賀也さんの花のレッスン。
決まった花材はなく、まるで花屋さんの店頭のように並べられた草木花の中から、自分が選びとるところから始まります。
これが、選ぶのほんとに難しい。
花器を選んで、花を選んで、どういけるか考えて、やれるだけやって、あとで先生に見てもらう。ちょっと枝の向きを変えるだけで、ちょっと下の葉を整理するだけで、ぜんぜん見違えるのです。

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それぞれ個性的な花。集合写真が毎回楽しみです。

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「ケアラーサロン」の「アロマグッズワークショップ」
介護や療育など、ケアをする人のことを「ケアラー」と呼ぶそうです。
誰かのことばかり考えて疲れ果てている方には、自分をいたわって大事にする時間が必要です。
介護支援相談員の渡辺久美子さんが、じっくり話を聞いてくれます。
訪問介護アロマmicro 砂川沙央里さんが、アロマの良い香りのグッズ作りと自分を癒すヒントを教えてくれます。

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aya先生の 「太極拳教室」。頭でっかちにガチガチになって、身体はおいてけぼりになってる我々に、心と身体を仲良くさせる方法を教えてくれます。
「立禅」、ただきちんと立つことさえ難しい・・・
でも長く通っている方々は、心も身体もぐっと変わられたなと驚きます。

お店を開く前からの相棒(ホバリングチュンチュンというユニット組んでた)ボノベイクの関浦ルリ子さんには、いろいろ助けてもらったし、いろんな教室もやってもらったな。ジャム教室、美味しかったな。

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もちろん、お茶屋なので各種お茶教室もやっています。
お茶を仕入れさせていただいてる尾道 今川玉香園茶舗の今川智弘さんには、いつもご無理ばっかりで、大人の大遊び茶をご一緒させていただいてます。

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抜群の台湾茶を届けてくださるTeaBridge浦山 尚弥さん、最先端の中国茶セミナーを開催されるティーメディアコーポレーション森崎 雅樹さん、台湾茶の茶畑に踏み込んでいく台湾茶の妖精 craze4"T"Lab.まうぞうさん、台湾茶好き旅人のろびんさん・・・・・

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煎茶ぴかぴか

お茶美味しいって飲むだけでも幸せなんだけど、そのお茶のこと、お茶が育ってきた文化や茶畑、それを作り上げる技術や製法、知れば知るほど自分の中のお茶イメージが豊かに広がっていき、ますますお茶が好きに、愛しくなっていくのです。

4年分のFacebookイベントページやInstagramなどを遡って思い出しながら、改めて雲間はほんとに多くの人々に助けられ支えられてきたんだなと思います。寺本ひとりでやってる店ですが、通ってくださった常連さんも名も知らないお客さんも含め、ぜんぜんひとりじゃここまで来れませんでした。ほんとうにありがとうございます。
って閉店するのかという謝辞ですが、まだ続けたい。

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雲間がここでしたかったこと
「わからなかったこと、知らなかったこと、に光が射す瞬間の体験」
をこれからもしたい。
そしたら心が震えて、魂が再起動して、腹から笑えて
明日からも頑張ろうと勇気がわく。
困難な状況にもあきらめず、人任せにせず、自分で考えて、
なんとか自力で、自分の手で、自分の感覚で、自分の思った通りに
局面を切り開いていける。生きていける。
そう思うからです。

誰かが巧妙に作ったものを与えられて満足するだけでは、
どうにかできる技術や知恵がどんどん退化していく。
カプセルを仕込んでスイッチを押すだけで美味しいお茶が抽出されるかもしれないけれど、お茶を淹れるってことはもっともっと豊かなんだぞ。

2020年、まさかこんなコロナでこうなろうとは思いもよらなかった。
今年は一時閉店したり、時短にしたり、テイクアウトしてみたり、納得いかないままやってきた一年でした。全世界そうだから仕方ない。

ソーシャルディスタンスを保たなくてはならなくて、顔の半分は隠さなくちゃいけない日々ですが、心に光射す瞬間を求める思いは変わらない、どころかますます強くなっていると思います。
どういう工夫でそれが叶うのか、手探りの日々は続くでしょう。

でも、思いを同じくする人が案外たくさんいるんだなとこの4年でわかってきた。それはほんとに心強いことです。

今日からまた新しい一年。来年の今頃はどうなってるんだろう。

みなさん、美味しいお茶ご一緒しましょう。
心躍るようなお茶飲みましょう。そして思い通りに、いきいき生きよう。
これからもよろしくお願いいたします。

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嬉しいお祝いいただいた。来年もこの方に恥ずかしくない仕事をしたい。

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