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2020.5.14.THU .存在理由を見失う

コロナ日記も1ヶ月とちょっと経った。
始めの頃は、得体の知れないものが生活をじわじわ脅かしてくる怖さにアドレナリンが吹き出し駆り立てられるように書き殴っていた。
喫茶を休業した雲間も、テイクアウトとお茶販売に業態を変えつつ、なにか新しいことをやらなくてはとスタートダッシュをきった。
アイデアも沸騰した。
試行錯誤の1ヶ月。
新しいことに取り組んだ1ヶ月。

そしていま、ぱったり無風になった。凪いだ。倦んだ。

このゴールデンウィークは自宅周辺も死んだように静まり返っていた。
鳥だけがさえずっていた。
五月の爽やかな天気に、ベランダで酒ばっかり飲んでいた。
ゴールデンウィーク明けの資源ごみの日、マンションのゴミ捨て場の扉が閉まらないほどのゴミの量だった。断捨離したんでしょう、雑誌や本の束、古着の詰まった袋、あとはひたすらビールやワインの瓶缶だらけだった。
閉じこもってすることなんてだいたいそんなもんだ。みんなちょっとずつ病みつつある。みんな、といったが間違いなく病みつつあるのは自分だ。

「こんなことして意味があるのかな」
とよぎるようになったら終わりだ。

通信販売のページを準備していた。
お茶を売るつもり?お茶の道具を売るつもり?
お茶の生産者でも道具の製造元でもなく、どこかから仕入れて売るわけだ。
じゃあそこから買ったらどうですか。うちで買う意味があるのかな。

お茶屋なんかして意味があるのかな。
そうやって自分自身の、雲間の存在理由を、なくてもいいものにしてしまった。意味なんかない。この世に無くても問題ない。
生きていても死んでても関係ない。死にたくないから生きてるけど。

新茶を送った方からお礼のメッセージが届いた。

「お茶飲みました。
生きてさえいれば良いという事にはならない、証拠の様な味がしました。
このお茶に負けないように、好きな事、正しいと思う事を精一杯頑張ろうと思います。」

生きてさえいれば良いということにはならない、証拠のような味

そう、生きてるだけじゃだめなんだ。
好きなこと、正しいと思うことを精一杯やってこそ、生きてるんだから。
いつもこの方からは教えてもらうなぁ。

存在理由があるからやるのではなく、やりたいからやる。

もう一度整理しよう。雲間の通販でやりたかったことはなに?
なんで頓挫してる?どうやったらできる?
えっとね、ほんとはね、こうしたかったの。
自分の中の5歳児に問いかけるとグズグズ言いながら答えを書いた。

1ヶ月も経ったけど、引き続きやろう。
酒量を減らそう。お茶淹れよう。
存在理由はないけど、やりたいことからやろう。
今日は久しぶりに日記を書いた。


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