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2021.4.6 TUE エヴァで泣くとは思わなかった(ネタバレなし)

もう今日は朝から映画を見に行くぞと決めていた。上映時間もちゃんと調べた。映画館にあまり行かない自分にしては珍しい決断だ。

そもそもエヴァンゲリオンとは無縁の人生だった。
スターウォーズみたいにたまにテレビでやったりするのを横目で眺めていて、まあなんとなく話は知っていたけど、(なんで巨大ロボットがどしゃーって流血するんだ?)くらいの認識だった。エヴァファンには申し訳ない。

チラ見して知っていた息子から登山の最中にだいたいのあらすじを息を切らせながら教えてもらった。がさっぱり意味がわからない。
「とにかくテレビシリーズは病む。映画はまだまし」 へー。

それが、今年に入って別の角度から自分の関心を捉えた。
しつこいようだがアニメ「ハイキュー!!」にはまり、漫画全巻どっぷり読み、また立体的な世界観のアニメってすげえなに帰り、声をあてる声優に興味がうつり、そういえば歴史的名作アニメの声優ってのは歴代どんな人がやっていたのか?という興味が生まれ、「誰の声」とは知らず聞いていたあのキャラとこのキャラが!?という驚きに導かれていつの間にかエヴァにたどりついた。碇シンジくんってこんな人がやっていたのか・・・

アマゾンプライムで序破Qをおさらいした。
いやぁ
これ
テレビシリーズ開始の1995年当時から一緒に生きてる人々は・・・
えらいよ
新参者だが「Q」の置き去り感は堪える。やられる。
2012年から・・・
よくぞ待ち続けましたな。

ということで「シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇」を見たのだった。

平日午前の回なので人がほぼいない。
と思ったら、トレーに山盛りのポップコーンとドリンクを載せて器用に運ぶ小学生高学年と低学年ぐらいの兄弟が前を通り、右隣奥に座った。
春休みかな?え?家族の人はいないのかな?
彼らはおとなしく座り、規則正しくかわいい音でポップコーンを食べ続けていた。
いやしかし君ら、このシーン大丈夫!?今晩夢にでたりしない!?おねしょとかしない!?ほんとに大丈夫!?おばさんは気になって仕方なかったよ。

どっぷり世界を生き切った155分間。
わたしは誰を生きていたのか
なにに泣いたのか

エンドロールと宇多田ヒカルの神々しさに平伏しながら思った。

しかし普段テレビやパソコンで見てる世界のなんと小さいことか。
映画館で見るというのは圧倒的体験だ。音が、声が、すごくよく聞こえた。
そしてあのラストシーンで現れる無数の粒々みたいに
この作品の制作にあたって死屍累々いや死んではないとは思うけど一体どれだけの人が関わり人生を焼べて作り上げたのだろうか。
思わず心の中で合掌した。ほんとうにいろいろ成仏してよかった。

世界はひろい。

帰りに階下のショッピングモールを歩いたが、店内アナウンスがもう第1種戦闘配置を知らせる声にしか聞こえないもんね。無機質で快適な街は虚構そのものに見えた。買い物どころではない。

午後自分の店にひとり。

おいらは井の中のみじんこだな。
みじんこが作るミクロの世界って一体なんなんだろうな
おいらひとりの極楽浄土かな?
巨大と極小の間を行ったり来たりしながら不思議な感覚を味わい続けた。

(写真は「エヴァ友」ルリさんからいただいた桜餅。涙のしょっぱさより美しかった)

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