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「ファンタジー会計」

テレビを観ていたら日本~ハワイ間高速道路建設工事の仮想計画、ネス湖水抜き工事の仮想計画などの工法、費用見積もりを行なったドキュメンタリー番組「妄想会計」(テレビ朝日にて放送)が放送されていた。

ちょうど「SF思考 ビジネスと自分の未来を考えるスキル」藤本敦也、宮本道人、関根秀真 共著(ダイヤモンド社)を読んでいたので、興味を持って観ながらメモをしてしまった。

そのメモをそのまま投稿しちゃいます。

日本~ハワイ間高速道路建設に関しては前田建設工業という企業が制作協力をしていた。

前田建設工業は、自社内に仮想のファンタジー事業部を創設し、アニメ「マジンガーZ」の地下格納庫を作るにはいくらかかるのか?を構想したことが評判となり、書籍化、映画化もされた。ちなみにファンタジー営業部のメンバーが、真面目に検討した「マジンガーZ地下格納庫」の見積もりは、工期6年5か月、工事金額72億円となった。

●前田建設ファンタジー営業部について

一般にはなじみが薄いゼネコンの業務内容を広く周知させるため、また「ゼネコン汚職事件」などから流布しているゼネコンに対するネガティブなイメージを払拭するために若手社員による発案が元になる仮想組織がファンタジー営業だ。
部署として実在するわけではなく、それぞれ本来の役職が違う数名の社員がボランティアで所属している組織、及びその活動の名称だ。
SF・アニメ作品などに登場する土木施設について、出来るだけ作品内のディテールに準じて、実際の土木技術を用いて建設を行うと仮定し、概算工事費・概算工期の算出を行っている。自社ウェブサイト内のコーナーは2006年まで原則月1回更新されていた。メンバーの人事異動に伴いしばらく更新が行われていなかったが、2010年4月に新プロジェクトを開始。第36回(2005年)星雲賞ノンフィクション部門受賞。
2020年に上田誠(ヨーロッパ企画)脚本・英勤監督・高杉真宙主演で映画化された。
これまでに取り上げられた題材
第1弾:『マジンガーZ』光子力研究所格納庫兼プール建設
第2弾:『銀河鉄道999』銀河鉄道株式会社メガロポリス中央ステーション(仮称)発着用高架橋建設
第3弾:『グランツーリスモ』オリジナルコース「グランバレー・スピードウェイ」建設
第4弾:民間による国際ロボット救助隊の実現検討(コンサルティング業務)
第5弾:『機動戦士ガンダム』ジャブロー基地建設
第6弾:『宇宙戦艦ヤマト2199』ヤマト建造
第7弾:『マジンガーZ Infinity』鉄十字軍団をマネジメント編
単行本
『前田建設ファンタジー営業部』(幻冬舎、2004年)マジンガーZ編
『前田建設ファンタジー営業部NEO』(幻冬舎、2007年)銀河鉄道999編
『前田建設ファンタジー営業部3 「機動戦士ガンダム」の巨大基地をつくる』(幻冬舎、2012年)機動戦士ガンダム編

Wikipedia前田建設工業より転載


前田建設ファンタジー事業部サイト

「前田建設による日本~ハワイ間 高速道路建造の見積もり」

以下は、「妄想会計における前田建設工業」の項のメモである。

6月24日に「妄想会計」というタイトルのバラエティ番組を観た。日本からハワイまで高速道を作る場合にいくらかかるか?という内容だった。もちろん仮想プロジェクトである。これを前田建設が構想することとなった。

キックオフ会議には、前田建設ICI総合センター、土木設計部、機械部、広報部、設計・工事部、営業推進部、営業第1部が参加して行なわれた。

太平洋を横断するには橋梁かトンネルか?浅ければ橋梁、深ければ途中からトンネルを掘るが、最大の問題は日本海溝(8000メートル)だった。火山国である日本は、地下6000メートルは、200度を越える超高熱域のためにトンネル掘削機を使うことができない。日本海溝の海底に基礎を作るのは不可能だということになった。

そこで1案が出る。トンネルを浮かせる(浮体式)。長さ100メートル、直径23メートルのトンネルパーツを海上で繫ぎ合わせていけばいい。しかし、船の運航に支障がある。巨大タンカーに引っかからぬように最深部を水深30メートルに沈めるという提案。

ルート問題。ハワイまでの直線距離は6600キロだが、途中にミッドウェー島ほどしかなく中継基地を作れない。そこでハワイから日本までの海流乗せるルートをとると、途中には島がたくさんあり、中継基地を作れるということでグアム迂回ルート(約10000キロ)を決めたものの、「浮体式トンネルでは浮上力が強く、トンネルが安定しない」との反論が出る。

そこでトンネルを海底から伸ばしたワイヤーで固定する方法を提案されるが、途中のマリアナ海溝(最深部は10000メートル以上)を通すにはどうするか?

マリアナ海溝部分のトンネルパーツは比重を重くして浮力を抑えればいい。しかし、海中には海流があるので安定しない。そこでトンネルの周りにスラスター(スクリューで船を安定させる装置)を使う。さらに衛星から海流情報を読みとってトンネルに設置された何基ものスクリューを可動させて制御すればいい。

しかし工事期間に問題が…。通常であれば30キロ作るのには10年かかる。つまり日本~ハワイ間の約10000キロの工事では3000年もかかってしまうことになる。

そこでハワイ→J.アトール島→ウェーク島→南鳥島→小笠原諸島というルート(約7400キロ)に。264カ所にメガフロート(巨大人口浮島)を設置してルート上の264カ所に設置してベースキャンプとし、浮島上にトンネル工場「ドライドッグ」を建設し、船で直接コンクリートやセメントを製造しながらトンネルを建造する。これで工期は28年に短縮される。施設後にはサービスエリアとして再利用する。高速道路完成後には、浮島にホテルやカジノなどを建造して再利用する。

日本~ハワイ高速道路完成後、ハワイまで6日間の旅行が楽しめる。ちなみに高速料金は片道約12万円ほどになるのでは?という。

「日本~ハワイ高速道建設の見積もり」

①トンネル部分(7万3840基)1881兆3086億円(プロジェクションマッピング、標識、舗装費用など)

②橋梁部分(16キロ)1兆8560億円(父島スーパーブリッジに富津インターチェンジなど)

③浮島部分1429兆7721億円(SA、ホテル、商業施設など)

日本~ハワイ高速道路の施設見積もりは『3312兆9367億円』となった。

以上を、前田建設では、延べ50人のメンバーが9日間(125時間)をかけて構想積算した。


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