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出版改革?

日経TECKの記事を参照しました。

紀伊國屋書店と「蔦屋書店」などを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)、出版取次大手の日本出版販売(日販)は、「書店主導の出版流通改革と、その実現を支える新会社の設立に向けた協議を始める」ことを、6月23日に発表しました。今年の秋をめどに、実行計画の策定と、3社が共同出資する新会社の設立に向けた準備を進めるそうです。

不況が長引いて出版業界は相当に厳しいのでしょう。僕が働いていた会社も随分前に親会社が倒産していますから、実感が湧きます。

上記の3社は、書店と出版社が販売・返品の目標を定めて送品数を決定する、新たな直仕入れスキーム(枠組み?何故外国語を使うのでしょう?気に入らないw)の構築を目指して協議するそうです。

出版社から取次が出版物を仕入れて、書店に卸すというのが出版流通です。新会社では、紀伊国屋書店や蔦屋書店、日販グループの書店など約1000店舗分の共同仕入れを行い、書店が出版社から取次を介さずに仕入れるようにする計画なのですって。書店の粗利率は一般的に20%台とされるが、粗利率が30%以上の取引を増やすことを目指し、書店事業の経営健全性を高める狙いということですが、何を今さら?って印象ですね。

個人的には書店取次ぎには、あまりいい記憶はありません。

僕が“必死に考えた”企画本を作ると、書店流通担当から「お前が自分で日販、トーハンに行って、手続きをして来い」と命令されて、しぶしぶ出かけるんです。「自分で行けばいいじゃないか?」と思うのですが、編集長も社長も「お前が行け」と言うのですね。まあ、イジメみたいなもんでした。

で、企画した本が売れないと「お前の企画が悪かったんだ」と怒られるんです。しかし、実際には、本を売ることが目的ではなく、僕や編集部の企画に賛同してくれる人や企業からのお金が目的でしたからね。それでも本が売れれば、企画に賛同してくれた方々に対していい顔が出来るのですから売れた方がいいのですが、実際には本なんか売れなくてもいいのです。今、考えれば、随分、ヤクザな商売をしていましたね。

僕が企画したのは、広告主体のデジタルカメラやネットワークに米国由来のIT振興ムック本でした。ムックに広告をたくさん入れるのは御法度でしたが、それに反したムック本をたくさん作りました。だから「取次ぎに自分で行け」と言われたのかもしれませんね。

僕が今でも自慢できるのは、その出版社初の「300万円で出版可能な新書本」の創刊でした。これは画期的でした。当時、印刷会社やデザイン会社に頭を下げて、少ない製作費に抑えて、利益を多くしたものでした。僕の在社時代には創刊から何冊かの新書を作りました。

今でも、Amazonなどで購入可能ですが、今見ると、ダサいデザインの新書で、超恥ずかしいですね。

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