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カルチャースクール「シニアのための文章&AI講座」


「シニアのためのAI講座」が予想外に好評なので延長することになった。全3回(毎月1回)だったのが、もう3回延長して9月まで続けることになったのだ。

カルチャースクール講師といっても朝日とか毎日とか一流新聞母体の一流カルチャースクールとは月とすっぽん、天と地ほどに違う(そこまで言っちゃ可哀想かw)から誰でも、そこら辺の素人さんでも講師になれるからさ、低級感があるわけでございます。

「文章講座」

まずは「初心者シニア文章講座」です。文章講座は3年目を迎えました。生徒さんたちの文章もかなりこなれてきました。以下に今回の生徒さんの課題を掲載します。今回のテーマは「紀行文」です。皆さん上手になったんですが、人に読ませる文章ということになると、“わかりやすさ”ではまだまだなので修正が必要になります。

今回も原文は読みにくいので、僕が読みやすいように修正してあります。特に「柴又散歩」は、複雑な京成線の描写がなくわかりにくかったので、オリジナルにかなりの分量を付け足しております。

 
  「柴又散歩」
 
 京成線・・・懐かしい響きである。東京の下町と千葉を結ぶ私鉄だが、私の故郷「立石」につながる鉄道でもある。京成線は意外に複雑な路線でもある。上野から日暮里経由で千葉に向う本線と、品川から三浦半島に続く京浜急行に変身する都営浅草線経由の路線がある。故郷の立石は、後者の路線上にある。
 
 故郷の近くには映画「男はつらいよ」シリーズ(渥美清主演で全48作)で有名な「柴又」がある。柴又へは京成高砂駅から京成金町までを結ぶ短い「京成金町線」の途上にある。これがもうひとつの京成線である。
 
 今回は故郷の立石から京成線に乗って高砂駅で金町線に乗り換えて柴又で途中下車して、柴又の町を散策してみた。
 
 柴又の駅はとても小さな駅だが、「男はつらいよ」の反響から、1995年に映画が終了した現在でもとても賑わっている。
 
 柴又駅を降りると、男はつらいよの主人公・フーテンの寅さんの銅像と寅さんの妹のさくらの銅像が互いに向き合って立っている。当初は寅さんの銅像だけだったが、後年にさくらの銅像が追加された。寅さん像だけでは寂しい感じがしたものだが、さくら像が立ってからは何だか寅さんが嬉しそうな表情に変わった気がしてしまう。ただし、気になるのは駅前の閑散さがなくなってオシャレなカフェなどが作られたことだ。これは以前の柴又駅のイメージをまったく変えてしまったような気がする。
 
 駅前から帝釈天に続く参道を歩く。参道の左右にはいろいろな土産物や名物の団子にうなぎが有名な川魚割烹店などが50店ほど並んでおり、ついつい目移りしてしまう。
 
 さて、柴又帝釈天は、正しくは題経寺といい、江戸時代の寛永年間に開基されたと言われている。現在のような立派な姿になったのは明治時代から少しずつ増設された結果だという。
 
 題経寺に着いて境内に入り、お寺の中を散策してみる。有料になるが、お堂の週に彫り込まれた精密な彫刻を見学してみる。木に彫り込まれた精密な彫刻はリアルで、今にも動き出しそうな迫力に満ちあふれている。これは必見である。天才的な先人たちの技術に驚くだろう。
 
 題経寺を出て裏に回り江戸川の土手に上がってみる。男はつらいよの映画冒頭の寅さん登場シーンが目に浮かぶ。土手からの眺めは私が子どもの頃から親しんできた情景だが、何度見ても飽きることがない。
 
 寅さんになった気分で土手を少し歩いてみる。上流から心地よい風が吹いてきた。
 
 「坂東観音御朱印巡り 大谷観音(19番)」
 
 5月、躑躅が咲き始めた道を駅へ向った。祭日のせいか行き交う人も少なく静かな朝だ。今回の目的地は栃木県の宇都宮だ。最寄り駅から柏を経て大宮へ、大宮でJRに乗り換えて宇都宮に向う。
 
 宇都宮駅に着くとバスに乗り換える。目的地は大谷観音である。大谷観音前で降りると目の前が大谷寺。大谷石の洞窟に飲み込まれるように建つ寺で一歩入ると荘厳な空気感に襲われる。
 
 重要文化財の千手観音を拝観してから、御朱印をいただく。そこで「平和観音」への道を聞くと「暑いから気をつけて下さいね」との言葉。その優しさに心がほぐれる。平和観音は大谷石の岸壁に27メートルもある巨大な観音像だ。6年がかりで彫り上げた総手彫り像だということで、その迫力に驚く。全て手で彫り上げたというのを聞いて、精神を集中させて彫り上げている彫工の姿を想像すると、それだけでも御利益を感じ、一見の価値があると思った。
 
 手を合せて平和を祈願して帰路についた。目標にしている「百観音御朱印集め」の先は長い。
 
 帰りは大宮行きが混雑していたが我慢して乗り込んだ。そこで中学生らしい2人連れの女の子が、私にそっと席を譲って、笑顔のままに去って行った。冷房で冷やされた車輌のなかで一息つきながら心はホカホカに暖まった。


続いてAI講座。こちらは課題がないので、こちらでAIについて一方的に話すだけ。あとは生徒さんの反応を見ながら話を続けていくだけなので文章講座と違って楽ではある。

「AIの何が面白いのか?」

しつこいようだが、AI講座は超少ない(笑)生徒さんたちに大好評。何が好評なのか?何のことはない、指示すれば、まあまあ目的に合った文書や画像が生成できるからで、その生成過程が面白いというのだ。

その前にGoogleレンズもAIなので紹介してみた。

「Google検索を出すと、入力欄にカメラの絵が見えるでしょ? それでこの文章を撮影してみてください」
文章は文章講座で課題に使った先ほどの文章である。
「はいはい、よいしょっと、撮影しましたよ」
「ほんじゃあ、下にメニューがあるでしょ?」
「あ、はい、翻訳、検索、宿題ってありますね」
「翻訳を押してください」
「はい、あ、変わりません」
「今度は上の方に英語→英語ってスイッチがあるでしょ?それを押してみてください」
「はい、あ、アイスランドからアイマラ語・・・?」
「その中から翻訳したい言語を選んでください。まずは英語だな」
代わりに英語を選択してあげる。
「ありゃ!凄い!翻訳したわ、びっくり」
若い方なら誰でも使っているGoogleレンズを初体験したようだ。
「翻訳したい言語を選べば翻訳してくれますからね」
「へぇ」
「今度は、このカバンを撮影してからメニューの検索を押してみてください」
「はい、ああ、同じバッグが出てきた」
「これは通販サイトに掲載された同じカバンなんです。表示を押すと・・・」
「あらら、Amazonで売ってるんだ、びっくり」
「世の中にはAIを活用したサービスや商品がたくさんあるんです。僕のスマホに入っている“OCRアプリ”で文章を撮影しますね。撮影してからこの音声ボタンを押すと・・・ね、読み上げてくれますでしょ?」
「ほぇ~」
「AIは言語や画像解析などで使われているんです。それだけじゃなくて商品分析とか経済分析とか・・・簡単に分析、判断してくれるんですよ」と言っているが、実を言うと僕は何も知らない(笑)。
「なるほど・・・」
「前回の続きをやりますね。前回、Bさんはお休みでしたからその復習からやってみます。Bさんはマイクロソフトのアカウントをお持ちですか?」
「え、持っているかどうかわかりません」
「それでは、PCを持っている旦那さんに聞いてみてください。これからやり方をお教えしますからね、Aさんは前回からBingで画像生成をされているので、同じ事をやりますから、見ていて下さいね」
と言って、教室の壁に映した液晶ビュアーの投射画面を指さす。
「はーい」
「まずマイクロソフトのウェブブラウザ“Edge”を開くと検索入力画面にC
opilotってのがあるんです。ほい、これですね・・・」と言ってCopilotをカーソルで指し示す。
「クリックするとCopilotの入力画面になりますから、ここに“富士山を描いてくれ”とか指示文を入力するんです。この指示文をプロンプトと言います」
「プロンプト?」
「はい、これも文章力が必要になるんですよ。例えば、ここに“イケメンの日本人男性を描いて”という単純なプロンプトを入力して画像生成しますね。ちょっとお待ち下さいね」

イケメンの日本人男性

「出ました」
「あらら、やだ、イケメンじゃん」
「アタシの好みとは違うわね」
「そうそう、イケメンっていうのは大雑把すぎます。だから自分がイケメンだとイメージする男性を詳しくプロンプトとして書いてあげるんです」
「ふーん、例えば・・・」
「私の理想の日本人イケメン像 年齢は30代 ショートヘアのツーブロック 眉毛はキリリとして 目はぱっちりと大きく垂れ目気味 鼻筋通って 口はやや大きく 唇は薄い 野球選手のように大きく(新調190センチ 体重95キロ)筋肉質・・・って具合です」
「面倒ですね」
「そうかもしれませんが、こういう詳細を指示しないと理想の画像が生成されません。ではこの内容で生成しましょう」

「ぎゃ!裸じゃん!」
「あ、いけね、服を指示しませんでしたね。それでは・・・イケメンは野球選手です・・・と追加で指示します。よいしょっと・・・」

「あら、ユニフォーム着た」
「さらに追加で“ホームランを打った瞬間を描いて”と指示しますね」
カチャカチャカチャ・・・(キーを叩く音)

「きゃあ!漫画みたいな絵になった、でもいいじゃん」
「ああ、ヘルメット被っていませんね。ははは、このように不足している部分をどんどん指示を付け足して理想の画像を作っていくんですね」
「ふーん・・・」
「でもさ、プロンプトを書くコツってのを教えてもらいたいわ」
「じゃあ、Bingに聞いてみましょう」
「AIに?」
「その方が手っ取り早いでしょ」

「それでは、“画像生成時のプロンプトを書くコツを教えて”と入力してみましょうね」

◆Copilotの回答

画像生成のプロンプトを効果的に書くためのコツをいくつか共有しますね。

  1. 具体的な指示: プロンプトは具体的で明確な指示を含むことが重要です。例えば、髪型、目の形、体格、服装など、具体的な特徴をリストアップしてください。

  2. 感情や雰囲気: イメージの雰囲気や感情を伝える言葉を使うと良いです。例えば、「クールで落ち着いた雰囲気の男性」といった表現を加えてみてください。

  3. 背景やシチュエーション: 描く人物の背景やシチュエーションを考慮してプロンプトを書くと、よりリアルなイメージが生成されることがあります。例えば、「オフィスで仕事をしている30代の日本人男性」といった具体的な状況を追加してみてください。

  4. サイズやポーズ: 画像のサイズやポーズを指定することで、より具体的なイメージが得られます。例えば、「全身のポーズで描いてください」といった指示を加えてみてください。

これらのポイントを考慮しながら、イケメンの日本人男性のプロンプトを作成してみてください。それに基づいて、素敵なイラストが生成されることを願っています!

「ね?直接聞いてみる方が手っ取り早いでしょ?」
「じゃあ、さっきのイケメンのプロンプトを教えてくださいな」
「どの画像の?」
「ホームラン打つ瞬間のやつ」
「はい、では、この画像を入力欄に添付して“この画像のプロンプトを教えて”って書いてくださいね・・・よいしょっと・・・ほら出ました」

"A realistic and detailed scene capturing a handsome Japanese man in his 30s at the moment of hitting a home run. He has a short two-block hairstyle, sharp eyebrows, large, slightly droopy eyes, a well-defined nose, and thin lips. His expression is intense and focused. Dressed in a detailed baseball uniform, he is muscular (95 kg) and tall (190 cm). The image shows him in mid-swing, with powerful force and precision, as the baseball soars away. The background is a realistically depicted stadium, filled with excited fans."

「ええ、英語じゃん」

「はい、“日本語にして”と指示します」

「30代のハンサムな日本人男性がホームランを打つ瞬間を、詳細にリアルに描いたシーン。彼はショートヘアのツーブロックスタイルで、眉毛はキリリとしており、大きく少し垂れ目の目、通った鼻筋、薄い唇を持つ。彼の表情は集中しており激しい。詳細に描かれた野球ユニフォームを着ており、筋肉質で身長は190センチ、体重は95キロ。画像では彼が力強く精密にバットを振る様子が描かれ、野球が遠くに飛んでいく。背景には興奮したファンでいっぱいのリアルに描かれたスタジアムがある。」

「へぇ!」

「じゃあ、このプロンプトをコピーして入力画面に貼り付けて画像生成してもらいます」

「出ました!でも、AIはまったく同じ画像を生成できませんから。毎回、このように画像は違うんです」
「ふーん・・・なるほどね」

「ん? あ、時間です。今日はこのぐらいにして、次回はプロンプトをもっと勉強しましょうね」
「(^o^)/ハーイ!」

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