見出し画像

孤独な食通

画像1

僕は歩いている…。眠りの中にあっても、覚醒していても、白昼の中にあっても、真夜中であっても、僕は常に歩いている。

20210801_200033コピー

50歳を過ぎてから歩くことにも疲れてしまっているのだが、生きているのだから仕方がない。脚を引き摺るように歩くのさ。それにしても闇の世界は辛い。太陽光を浴びなければ僕は死んでしまう。それならば夢から覚めなければならない。

僕は舌を噛んでみた。

「痛い!」激痛が全身に走る。舌は噛みちぎられることはなかった。

20210803_145850コピー

その瞬間に目が覚めた。眩しい光が瞳孔から入ってきた。目が眩んだ。徐々にまぶしさに慣れてくると懐かしい風景が目の前に現れた。

ああ、食堂だ。船橋の花生食堂に似ているな…。

20210803_145946コピー

とりあえず入ってみよう。腹も減っている。

画像5

あああ、釜玉うどんだぁ~っ!

画像6

卵の黄身の中に僕自身が見えた。割り箸で穴を空けるとプチッと音を出して黄身が潰れると、僕も潰れて消えてしまった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?