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うなぎ(写真は赤坂ふきぬき柏店の鰻)

吉村昭原作、今村昌平監督の「うなぎ」は良い映画でした。吉村昭さんも今村昌平監督も僕が尊敬する人です。吉村さん、今村監督と言えば…おっと、それはまた次の機会にお話しさせていただきましょう。今回は「うなぎ」の個人的な食し方についてです。

「死ぬ前に何が食べたいか?」と聞かれたら迷わず “うなぎの蒲焼き” と答えるでしょうね。それくらいうなぎが好きなんです。

ところでうなぎは、うな丼が良いか、うな重が良いか…? 

僕は1匹分ぐらいのうなぎが載っかっていれば、どちらでも良いです。大きなうなぎと言えば、新橋の鐵五郎(Wうな丼で有名でしたが、残念ながら既に閉店しています)と神田のきくかわ(うなぎの尻尾が折りたたまれているほど大きい)ですね。他にもあるかもしれませんが、僕は大きなうなぎが特徴の店はこの2店しか知りません。

都内では、柴又の川千屋、湯島の神田川、末広町の久保田、上野不忍の伊豆栄、新日本橋の大江戸、大手町のての字、本郷の石橋亭、神楽坂の志満金、新宿の小ばやし、巣鴨の八ツ目やにしむら…なども美味しいですよ。千葉まで来ると、成田の川豊、印旛沼のい志ばしってのもありですね。おっと、船橋の稲荷屋を忘れていました。ここも美味い。

さてさて、僕のうなぎの食べ方ですが、簡単です。丼でも重でも、まず、うなぎの蒲焼きの上に、蒲焼きが見えなくなるくらい山椒を振りかけます。「あんた、うなぎが嫌いだから山椒をかけるんでしょう?」と言われたことがあります。そういう方々は蒲焼きと山椒の適合性が理解できないのです。「うなぎの山椒まみれ」が一番美味しいのですよ(あくまでも個人の意見ですが…)。

うなぎ屋さんで困るのは、山椒の容器をその香しき香辛料で満たしていないことです。「山椒のお代わりちょうだい」とは、なかなか言えないものです。

山椒まみれにしたら…次はこうします。まず、うな重の場合です。蒲焼きの半分を重の蓋に安置させます。そして蒲焼きが載っていた空き地(ご飯のこと)に、山椒を大量にばらまいて、それを食べ始めます。蒲焼きのタレと山椒で美味しくいただけるのです。重に残った蒲焼きには手を付けてはいけません。

タレ山椒ご飯を食べ終えたら、今度は、残った蒲焼きと、その下に鎮座しているタレご飯を一緒に食べます。箸でお寿司のように蒲焼きとタレご飯を3センチぐらいに切り割って食べます。これが粋なのです(笑)。あ、お漬物も一緒に食べましょうね。それを何度か繰り返すと重の中には何も残っておりません。ほんで、肝吸いの肝をモグモグ噛み味わいながら汁を飲むのです(冷めていますが…)。

「ああ、食った…ん?」そこで初めに重の蓋に安置させていた蒲焼き半分に気がついたふりをするのです。そして「わ、得した!!」なんて態とらしく自己陶酔させて蒲焼きのみを美味しくいただくのです。蒲焼きの下にはご飯粒が何粒か付いていますからかなり美味しいのです。

次はうな丼ですが、これは以前、ご紹介した牛丼の食し方を参照して下さい。紅ショウガと山椒は僕にとって、私情(笑)最高の香辛料なのです。


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