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百物語13「オセロ」

死んだ叔父とオセロゲームをしている。
僕が白で叔父が黒だ。盤面はほとんど白く、僕が優勢のようだ。
叔父が僕の駒を返して黒くする度に身体に痛みが走る。
しかし、叔父は、その痛みを感じないようだ。死人だからだろう。
伯仲の戦い。なかなか勝負がつかない。
それにしても駒が返される度に身体の痛みは酷くなる。
そして…。
「ほうら、かっちゃん、すべての角を取ったぞ!」突然、叔父が叫んだ。
「ああっ!」盤面の駒は全部黒になっている。
その瞬間。身体全体に激痛が走った。
「ぎゃああっ!」僕の身体全体の皮膚がめくれ上がって、裏返しになり、真っ赤になっていた。
「なんだ、黒じゃないのか?」と言うと…。
叔父は不気味に笑って「血が固まると黒くなるんだよ」と言った。

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