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国領の憂都離夜

写真は「Spectatorつげ義春」(2018年2月20日刊行)に掲載された“あの頃の、つげ義春とぼく”の山口芳則さんの文章195ページに掲載されているものです。申し訳ありませんが無断転載しております。

まんだらけの前身は、調布市国領にあった貸本屋(後に漫画専門古書店)「憂都離夜」(ゆとりや)で、漫画家の古川益三さん(ガロに不定期連載されていた紫の伝説は傑作)と水木しげるさんのアシスタントだった山口芳則さんらが創業したのです。

僕はこの国領の憂都離夜に漫画を売りに行ったことがあるのです。

そのとき(1980年4月19日土曜日)の僕の日記を見ると…。

「俺は8年くらい保管しておいたCOMや虫プロ出版物、石森章太郎のマンガ家入門など20冊ほどを調布のユトリヤに売り払った。小田急、京王と乗り継いで国領まで行ったというのにユトリヤの彼は“カバーがない”などとケチをつけ、15000円と見積もっていたが、実際には9000円という値段に落ち着いてしまった。彼も商売なのだから仕方がない。騙されたと思って目をつむろう。帰りは妹と一緒に小田急の狛江駅まで30分も歩いたのである。ユトリヤの彼の話では狛江まで走って10分だということであった」と書いてあります。

このとき対応してくれた「彼」というのは、水木さんのアシスタントをしていた山口さんだったと思ったのですが、「Spectatorつげ義春」(2018年発行)に掲載されている「国領の憂都離夜前でつげ義春さんと一緒に写る山口さん」の写真を見ると、写真の山口さんと1980年の僕の記憶の彼と合致しないのです。古川益三さんも写真や映像で観たことがあるので、古川さんでもないのですね。どなただったのでしょうか?

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