死んでから有名になってもいいんだけどね

画像1 そもそも芸術なんて理解できていないので、100円ショップで買ったボール紙に、墨筆でベロンと塗りたくって、ああこりゃ違うなって思ってさ、細かくちぎった段ボール紙を貼り付けてみると、ウーン何だか魅力的だと思って木工ボンドとかグロスメディウムとか塗ってみると、なんか面白い、それじゃあそこに墨や絵の具で色付けてみると「ああ、失敗だ」って思う。もうこれで終了だと決めつけて数年経ってから見ると、「失敗でもないじゃん」なんて思う。思考の経年変化って奴ですね。
画像2 これは鼻の血管が切れて大出血したときの鼻血を補完しておいたらゼリー状になるんです。それをボール紙に塗ってから、「気持ち悪いか」なんて墨を塗ってみる。血を隠したんです。その上から木工ボンドを塗ってカスミソウを散らしてからアクリル絵の具でペロペロ塗ってみると「ああ、失敗だ」なんて思う。色が濁っているんですね。
画像3 昔、目黒の鷹美術アトリエ村で絵を習っていた時に目黒駅前にあった「スイス」って喫茶店でグループ展をやることになって僕も何号だか忘れちゃったけど大きなキャンバスに女の子の絵を描いて油絵の具を塗ったんですよ。そしたら凄い汚い色になってさ、喫茶店の絵を見た画家に「色が濁っている、これはダメだね」って一言言われて、ま、それ以前に女の子の絵も化け物みたいになっててさ、「絵の才能は皆無だな」って自分に諦めつけ始めちゃったんだね。んで、その後、たまに絵を描くことがあっても、常に「ヘタクソだなぁ」って思ったんだ。
画像4 今でも思うのですよ。だってさ、トレースしても上手に描けないぐらいなんだぜ。そりゃ酷いもんさ。
画像5 でも、線描だけはなんかいいなって思っちゃう。そりゃデッサンもパースも零点だからさ、カタチを追うのは無理なんだよ。まあ、それでも落書きは続けるよ(笑)。そういえば昨日、「ワタナベさんは、死んでから有名になれるかもしれないね」って言われて、「てめぇっ!」って冗談で胸ぐら掴んで大笑いしたけれど、死んでから有名にもなれないよね。だって、そういう業界にいないんだもん。あっははは。

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