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心に残る映画

僕の好きな映画は、怪獣映画に怪奇映画に空想科学映画なんですが、泣ける映画も大好きでしてね。少しご紹介してみましょう。

泣けると言えば意外な運命によって生死に関わる結末に結びつく物語でしょうね。生死に関わることだけではなく、不幸な者が思いがけなく幸福を掴みとるというお話も泣けますね。逆に幸福な者が不幸になってしまう物語も作りようによっては泣けると思います。

まずは「お見送りの作法」です。監督のウベルト・パゾリーニが、新聞記事の「孤独死した人物の葬儀を行なう仕事」を読んで着想した作品です。

ロンドン市ケニントン地区の民生係として働くジョン・メイ(エディ・マーサン)は44歳の独身男。ジョンの仕事は、孤独死した人間の葬儀を行なうことです。大概は事務的な処理で済んでしまいますが、生真面目な彼は誠意をもって1人1人を丁寧に「おみおくり」していました。しかし、人員整理によってジョンは解雇されることになります。

ジョンの向かいの家で孤独死したビリー・ストークという男性の葬儀が彼の最後の仕事となります。近くに暮らしていながら言葉も交わしたことがないビリーの死に、孤独に1人暮らしをしている彼はショックを受け、ビリー・ストークについて知りたくなり、彼を知る人々を訪ねてイギリス中を旅します。

そして彼はある女性と知り合い、ようやく長い孤独の生活から解き放たれる喜びを得ることになるのですが…この作品は、そこで終わらないところに意外性と、残酷なる現実感があります。

意外なラストシーンに泣かない人はいないと思いますが、ファンタジーに馴染みのない人には理解できないかもしれません。

戦争しない戦争映画です。戦後、砂浜に埋められた地雷を取り除く事を命じられたナチスの少年兵たちの物語である。そもそもナチスの台頭は、第一次世界大戦でドイツが負け、勝者国はドイツに法外な賠償を求めたことから始まります。そのため、ドイツは破産状態に陥り、ナショナリズムが蔓延してナチスが生まれるのです。さらに、ドイツの経済破綻が、きっかけとなって世界大恐慌が起こるのです。

ちなみに敗戦国の我が国はもっと酷いことをされています。原爆を2つも落とされ首都圏を空襲して数多くの一般市民を虐殺したあとに占領され、いくつもの“黒い霧事件”を起こしたり、好きかってのし放題でした。冷戦時代に突入し、共産主義者排除のレッドパージまで行なうのです。現実的には占領から解放されていません。戦後から76年も経つのにいまだに某大国に隷属を強いられているのです。

おっと脱線しました。

さて、ナチスドイツが負け、戦勝国はナチスにいくつもの無理強いを行ないます。そのひとつがデンマークにおけるナチス兵たちへの地雷撤去の強制でした。映画ではナチスの少年兵たちが砂浜に埋められた地雷を撤去していく状況が描かれます。

砂浜に埋められた地雷がどこにあるのかはわかりません。少年兵たちは砂浜に伏せて棒で地雷のありかを探りながら、地雷の雷管を外す作業を行なうのです。作業中に地雷が爆発して死んでしまう少年兵たちに涙しない人は、人でなしでしょうね。

ニューヨークの介護施設に入所している90歳の老人ゼブは認知症を患っています。ある日、ゼブは施設の仲間マックスから「ようやく自分たちの復讐相手が見つかった」ことを知らされます。ゼブとマックスはホロコーストで大切な家族を虐殺されていたのです。虐殺を行なったナチス兵はオットー・ヴァリッシュという男で、今はルディ・コランダーという偽名を使って生きているといいます。マックスは身体が不自由なので、同じ恨みを持つゼブに復讐してもらいたいと願うのでした。ただし、ルディ・コランダーという名前の候補者は4人おり、その1人ずつを訪ねて本物のオットー・ヴァリッシュを探し出してほしいというのです。

ゼブは、手紙を持ってマックスの指示通りにオットー・ヴァリッシュを捜す旅に出ます。ロードムービーですが、テーマが重いので単なるロードムービーとしては終わりません。老体にむち打って1人、2人、3人と訪ねて行きますが、それぞれに事情があり、大きな問題が秘められています。いずれも人違いであることがわかります。

4人目にようやく本物のオットー・ヴァリッシュに辿り着くのですが、ここで意外な展開が待っています。これには驚きます。

この3作品以外にも心に残る映画作品はたくさんあるので、少しずつ紹介したいと思います。

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