見出し画像

昭和5年の小説『米国武官の見たる日米未来戦』

 

これは大分前にお茶の水の古本屋でたまたま見つけたものです。日本に駐在経験のある米軍人が書いたシミュレーション的小説を日本海軍の廣瀬彦太大佐が訳したもの。
 中身は日本がハワイ、そして米本土へと侵攻する話。物量に優る日本軍によって米軍は後退していきますが、最後は主人公の軍人の活躍などもあり根性に優る米軍が勝ちます(当然の結末ですが)。

 「アワー・ネイビー」という雑誌(名前からして軍の雑誌でしょう)に連載されたもので現役軍人が書いた小説ですから、軍や政治家、国民に対し日本の脅威を認識させ、あわせて海軍の予算を増やそうとしたのかもしれませんが、中身は非常に興味深いものがあります。昭和5年(1930)年に米国で出版され、同年翻訳出版されたものなので94年前の本ということになりますが、その割に文章が平易で読みやすいです。複数の出版社に復刻しないかと声をかけたことがあるのですが乗ってくれなかったのでスキャンしたものをここに載せておきます。450ページを越える本ですから読むのも大変ですが、面白いです。特にミリオタの方、ぜひご一読下さい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?