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ロングディスタンス

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カメラ男子先輩とオタクランナー後輩の長い初恋の話。(完結)
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#寺田交差点

愛日と落日⑦

 青嵐大の鄙びたトラックではちょうど、土田主将曰く「エンジョイ勢」であるところの先輩たちが有名ランナーのアップしているYoutube動画をコーチ代わりに和気藹々と練習に励んでいた。  率直な疑問として、重陽は「どうして実績のある人に指導を仰がないんですか」と聞いてみたら、思ってもみなかった様々な答えが返ってきて面食らった。  自分でプランを立ててPDCAを回したいから。頼んで断られたら心折れるから。プレッシャー負いたくないから。人の指図は受けたくないから。武者修行してみた

愛日と落日①

 重陽には夢があった。ささやかな夢だ。  それなりに好きな人と結ばれ、好きな人の血を持った子をもうけ親を安心させ、それなりに才を活かした生業でその家族を支え、家族円満で末長く幸せに暮らす。というささやかな夢が。 「先輩。ごめんなさい。私と別れてください」  一学期の終業式を終えた足で寄った駅ビル、その中のスタバのど真ん中で、高二の終わりで初めてできた一つ年下の彼女──織部まひるは、そう言って深々と頭を下げ重陽につむじを見せた。 「別れてって……なんで? 突然。おれ、な