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ロングディスタンス

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カメラ男子先輩とオタクランナー後輩の長い初恋の話。(完結)
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#立川駐屯地

予選会 -We must go- ③

 立川駐屯地の滑走路は重陽にとって、つい寸前まで広大なアスファルトの平野だった。  しかし予選会を走る約五百人のランナーの行列に並ぶと、思っていたほど道幅は広くないことがわかる。 「すうぅーーはあぁーー……すうぅーー……」  いつも通りに。なんて、どだい無理な話じゃないか! と重陽は、緊張に任せるまま大きく息を吸っては吐き、もう一度吸って息を止めた。すぐ前に並んでいる他校の選手──奇しくも青嵐大と同じく予選突破ボーダー上チームの学生だ──が、苛立たしげに一瞬振り向いてか

予選会 -We must go- ②

 さすが本気で箱根駅伝を目指してきただけあって、人波をぬって全速力で駆けるユメタは速い。夕真は背に追った機材を揺らしながら必死に追い縋ったが、どんどんその背は小さくなった。  行き先が分かってて助かった! 息を切らせながらも、安堵に胸を撫で下ろす。 すっかり撒かれてしまったものの、みどりの窓口で夕真が自分は青嵐大の学生であることを伝えると、窓口にいた壮年の駅員は親切に医務室まで連れてきてくれた。 「──ありがとうございます。お騒がせしてすみません」  夕真は少し声を顰め