予選会 -We must go- ③
立川駐屯地の滑走路は重陽にとって、つい寸前まで広大なアスファルトの平野だった。
しかし予選会を走る約五百人のランナーの行列に並ぶと、思っていたほど道幅は広くないことがわかる。
「すうぅーーはあぁーー……すうぅーー……」
いつも通りに。なんて、どだい無理な話じゃないか! と重陽は、緊張に任せるまま大きく息を吸っては吐き、もう一度吸って息を止めた。すぐ前に並んでいる他校の選手──奇しくも青嵐大と同じく予選突破ボーダー上チームの学生だ──が、苛立たしげに一瞬振り向いてか