見出し画像

幽霊が出そうなホテルでも


今日のお宿は幽霊が出そうなホテルです


今日は幽霊が出そうな?ホテルに泊まっています。このnoteは今その客室で書いています。

このホテルにしたのはそれなりの理由があるのですが、それはひとまず置いておいて、まずそもそも外観がアウトです!

廃墟か?車で近づいたときに思わず目が点に!!これで本当に営業しているの?なんでこんなに汚いの?

中もフロントのある1階はすごいです。まず玄関の外周りが借り手のつかない空きビルのように朽ち果てていて、中に入るとこれまた、盛り上がった床の一部(なぜだ?)がカラーコーンで覆われていて、工事現場か?と思うほど。こんなホテル、いまだかつて泊まったことありません💦

しかもチェックインしようとしたらフロントの若い男性(といっても30~40代ぐらい?)方が「〇〇さんですか?」と向こうからフルーネームで呼んでくるので、思わず本日の宿泊客はわたし一人では?と思ってしまいました(笑)(違いました。通路でほかのお客さんと二度すれ違ったので私を含めて最低3人はいる)

聞いて納得、話して好感

こうなってくると好奇心の強い私は、この状況について問いただしたくなってしまいます。ですが、さすがに面と向かって「ひどいホテルですね」とは言えません💦

そこで言い方を工夫して「ここって、もうすぐ営業終了するんですか?」と聞いてみました。すると

「はい、そうなんです」

え!多少、皮肉もあったのに、ホントだったんだ!!!

「隣に新しいの建ててるんで」

な~んだ、そういうことですか!!!確かに隣に大きなホテルが建築中でしたが、名前が違うので「近辺にあんなのがどんどん立つからここはますます苦境になるのでは?」などと考えていました。

「ではここはもうすぐ終わりなんですね」
「はい。といっても一応、8月までは営業する予定なんですが、ただ、新しいほうの工事が遅れているので・・・」

そんな会話を交わしたり、近くの飲食店を教えてもらったり、とにかくこのフロントの男性の方は、お話が明快でわかりやすく、何を聞いても言いよどみがないので非常に好感を持ちました。

客室は古いけど清潔で整っていました

キーを受け取って部屋に入ると、古いけどきちんと整っている普通の客室でした。1階の異様な?雰囲気で勝手に誤解をしてしまいましたが、本当に普通の「古いホテル」です。

雰囲気で言ったら、山形グランドホテルの客室と同じぐらいの時代感だと思います。立地がいいので昔は格式的にも地域で一番だったのかもしれません。

「隣に新館を建築中」という前向きな理由でもうすぐ営業を終えるホテルなのだ、とわかると、廃墟のような見た目でも、工事現場のようなエントランスでも、納得できるし不満も全く起こりません。

理由がわかれば納得するので人って不思議なものですね。こういうのはやはり、聞いてみるものだと思います。

そしてさらに、あの男性フロントスタッフのさわやかな受け答えもまた、ホテル全体の印象がおおいにUP!しました。

だって一見寂れまくっているホテルなのに、屈折することなく胸を張って清々しく応対してくれるんですもの、応援したくなりますよ。

え!ここを通ってもいいんですか?

実はもうひとつ、ひそかに感動したことがあります。それは外の食事から帰って来て階段の場所を尋ねたところ、理由を一切聞かずに「狭いですけどこちらから行けます」と、すぐにサクサク案内をしてくれたこと。

私は今もダイエットを継続しているので、荷物があるチェックインとチェックアウト以外は、館内の移動にエレベーターを使わないようにしているんです。

ですがそこは狭くて暗くて、掃除用具や段ボールなども置いてあり、あきらかに「裏側」の雰囲気です。

「あのお、ここ、本当に通ってもいいんですか?」
「大丈夫ですよ、従業員用通路ですが、大丈夫です」

よくみると、お客さんのために掲示していると思われる案内表示も貼ってあったので(それもかなり経年劣化している^^)いいのかな。

そしていまよく考えて、あの男性はもしかして経営者のご家族だったのでは?なんて思い始めました。ご家族でなくても経営者に近い立場にいる方では?

というのもすべて淀みなく答えるし、全部自分で判断しているし、それに何より仕事への誇りも感じたからです。

最初は「うわー、とんでもないホテルだ」と思いましたが、言葉を交わすことで印象もかなり変わります。こういった経験のひとつひとつが私の仕事に活かされていくんですよね。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?