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「う」の巻

〜うそをつく話〜

皆さまこんにちは。9月もなかばですね。夏のおわり、秋の予感。いろいろ美味しい季節ですね♪

今回のメルマガ「う」の巻は「うそをつく話」です。

人は、嘘をつきます。もちろん私も嘘をつきます。子供達には「嘘をついちゃいけません」って言います。でも、「嘘も方便」だよねって言って嘘をつきます。子供たちに言っている「嘘をついちゃいけません」も、実は嘘なんです。なんと!

世の中には嘘がいっぱいあります。

「元気ですか?」「元気だよ」

「大丈夫?」「うん、大丈夫」

嘘にはいくつか種類があります。

1,自分を守るためのウソ … いたずらをした子供が、「やってない」っていうアレですね。困ったときの「記憶にございません」「知らなかったことにしよう」これも自己防衛。

「つらかったね」「つらくない。大丈夫、平気。」これも、自分を守るために必要なこともあるウソ。でも、こういう前向きなウソは、貫き通せば真実になっていくかもしれないときもあります。

「宿題やったの?」「やったやった」これは自分を追い込んで、鼓舞する意味があるうそ(と信じたい/笑)

2,相手を貶めるためのウソ … これは、ドラマにありがちな!相手の評価を下げるために計算された巧みな言葉。単純に相手が嫌い、よりももっと根深い、恨み、妬みなど、人の心のほの暗い部分から出てくる嘘。もしかしたら、相手を貶めることで自分の価値が上がると信じている、自分を守る意味も含まれているウソ。

根も葉もないうわさ、も事実と異なる点でウソですよね。言っている人が信じていたとしてもやはり、自分がちゃんと知っていることでないことを発言したとしたら、相手を傷つけることがあることを知ってほしいです。以前病院に勤務していた時に、たびたび週刊誌に記事が載るような方たちの出産に立ち会わせていただきましたが、記事の内容があまりに事実と異なっていて、びっくりしました!記者の方はお仕事で仕方なく、なのかもしれませんし、事務所の意向とかを孕んでいたのかもしれませんが、受け取る私たちは情報ソースはちゃんと確認しないといけませんよ~~。

3,相手を守る、思いやりのウソ … 真実があまりにもつらくて、相手がひどく傷ついてしまう時に選ぶウソですね。これもヒューマンドラマでは、自分が悪者になって相手の幸せを祈ってつくウソ。親が子供を独り立ちさせるために「もう二度と家の敷居を跨がせない!」というのも、これだな~と思います。

これは、相手も自分もつらいうそ。そしてこのハードルを相手が乗り越えられることを信じていないといえないウソ。

先日、とある新聞記事で、小学生の作文が掲載されていました。

がんで余命わずかなお父さんが亡くなる間際に子供に告げた「お父さんは仕事でしばらく帰れない」といったウソ。子どもはその時のことは小さくて覚えていないけど、動画で(文明の利器!)見せてもらって、お父さんの言葉はウソだったと知っているけれど、お父さんが望んだようにそれを信じて、お父さんがいつか「ただいま」って帰ってくるかもしれないと思っている、というような内容。

記事に対して、SNS上で様々な意見が飛び交っていました。

「子どもながらにこんな文章を書くなんてすごい」「心あたたまる話」

「この年齢でこんなまとまった作文が書けるわけがない」などなど

様々なコメントをみていて、なんだかなーって思いました。作文コンクールに出された作品だから、先生とか大人とかがアドバイスしたかもしれませんね。でも、エピソードが本当なら、その表現手段は実はたいした問題じゃないんじゃないかな。


ウソも、一つの表現の形。大切なのは、その奥に隠れているこころ。それは、愛情だったり、怖れだったり、不安だったり、嫉妬だったり。

ウソに隠された心は、隠しておきたい心かもしれない、誰かに見つけてほしい心かもしれない、忘れてしまいたい心かもしれない。でも、自分で受け入れて乗り越えていくしかない。苦い思い出を自分で受け入れて乗り越えていくしかない。ウソをついたほうも嘘をつかれたほうも、そんな苦い思いを知っているからこそ、その思いを抱えながら生きる時間を知っていれば、見守ることもできるのかもしれない。

「うそをつくんじゃありません」

親が子供に願うのは、自分の心を偽らず生きること。

子が親に願うのは、自分のために心を痛めてほしくない、心配させたくない。

根っこの心がポイントなんじゃないかな、できれば、相手のために時にはうそをつく、そんな心の強さを持ちたいな、と思うのでした。


次回は「え」の巻。不規則配信です。お楽しみに♪

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