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買い物の科学を知ると、賢い買い物客になれる? という話。

社内の経営戦略勉強会「Tribal Professional Academy」、通称「TPA」。今回のお題は「店舗売場理論」。

課題図書はこちら。

インストア・マーチャイダイジング(ISM)とはつまり、「お客が買いたい気分になる売り場作り」のこと。時代や要件に合わせ、売れる現場作りってどうする?を、科学的にアプローチする分野だ。

「インストア・マーチャンダイジング」は教科書的にISMを体系化した一冊。あらゆる”売り場”のKPIは当然、「客単価と買上個数増=売上増」となるのだが、ISMはそのために必要なあらゆる要素=売場全体の生産性をアップさせる売場の配置や商品の陳列位置、店内での効果的なプロモーション、カテゴリーマネジメントなどを章立てで個別具体に解説している。基礎を知らない自分にも読みやすい良書。

「なぜこの店で買ってしまうのか」は、膨大なショッパーの観察事例を元に、まさしく買い物を科学した一冊。さすが文化人類学者であるという著者、徹底したフィールドワークとそこから導き出される結論の説得力たるや! 

「滞在時間が長いほどたくさん買う」
「狭い売場で人に押されると買い物を諦める=尻こすり理論」
「試着室にもって入ったジーンズを実際に買う割合 男65%、女25%」
「カゴを使う客が実際に物を買う割合75% 使わない客が品物を買う割合34%」

などリアルな現場から生み出された様々な理論やデータは、自分自身ショッパーとして「あるある!」「バレてる!」と、膝を叩いて叩いて膝が腫れるほど(の気分)。
私のものと思っていた心理はいつの間にか導かれたものであり、自分の意思と思っていた行動は意図を持ってデザインされたものなのだ。私の衝動買いやついで買いは、私が悪いんじゃないやい!

買い物の科学を知ると、買い物はもっと楽しくなるのだろうか?

私の大好きな食品スーパー、オオゼキはどうだろう?(我が家ではGoogleと並んでオオゼキ“先生”と崇め、頼りきっている。) 
まず、店舗設計。町のスーパーだとしても他の近隣店舗に比べて非常に狭い。客としては尻こすり理論がとても当てはまる困った事態なのだが、ここでカートが役に立つ。客同士のカゴがぶつかることなく、スムーズに買い物を進めるツールとして圧倒的に便利。カートだから重さも気にせずついいっぱい買っちゃう。・・・あ!

次に、商品の魅力。これはもはや言わずもがな。看板の生鮮だけでなく、いつ行っても新しい商品、面白い商品があるから、つい期待しちゃう。探しちゃう。滞在時間が長くなるからいっぱい買っちゃう。・・あ!

最後に、店員さん。もう本当に気持ちいい方ばっかりなんですよ。「お気をつけて帰ってくださいね」「三枚おろし、タタキで美味しいように皮を半分残しておきましたよ」なんて。また行きたいし、もっと買っちゃおうなんて思うのは常。つか、もはや崇拝。・・・あ!

ISMの科学、店舗・商品・店員の三拍子揃ったオオゼキ。熱狂的なファンは私だけじゃないのは必然。

ショッピングの科学を知ったところで、賢い買い物客にはなれないというかやっぱり買い物って楽しいよね、と思ったところでオオゼキ先生に感謝しながら今日はおしまい!

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