こころのライブ日記 - 2023年10月5日下北沢Artist
ライブごとにブログをかけたらいいなと思って。出来事を時系列順に並べるだけでは芸がないから、内側と外側を行ったり来たりする文章にする。
仕事がつらい。鍵のかかったドアに体当たりして突き破ろうとしている。理由は単純で、時間がないから。ドアはなかなか破れない。私の筋力が足りないのか？つっけんどんにいじけても力は湧いてこない。
鍵の開け方を学ぶ方がラクだと思うのだが。どうしてあのとき、上司にひと言「突き破るよりも、鍵の開け方を学ぶ時間を作りませんか」と言えなかったのだろう。よく喋る歯車は煙たがられ排除される。沈黙する歯車はコミュニケーション能力がないとみなされる。間をとるという選択肢は、器用な人間だけのものだ。今日もドアは破れない。
17時20分。弱音を吐いていたら仕事が長引いてしまった。リハに遅れますと店に連絡を入れる。何やってんだか。防音室からギターを引っ張り出す。着替える。化粧をする。コンタクトレンズは入れない。眼鏡で行こう。自分の眼鏡姿はあまり好きではないけど、たまには眼鏡の日があってもいいかなと思って。
厚底のスニーカーを履く。歩くたびにぎゅむぎゅむと音が鳴るから会社には履いていけない。プライベートで思い切りカッコつけたい時にだけ履く一足だ。はて、音楽は私にとってプライベートなのか？音楽を通じた関わりが社会で一番心地よいのだが。つまり、オフィシャルな自分として一番都合が良いのだが。会社で、音楽は私のプライベートだ。音楽の場で、会社は私のプライベートだ。私はどこにいるのだろう。
今週初めて電車に乗る。揺られながら各所に連絡を返す。この頃どうにも具合が悪い。返信は溜まりがち。作業は滞りがち。「やる気があればやるはず、やらないのはやる気がないから」この考えはもうやめた。私の体は脳に支配されているから、心の通りに体を動かすにはちょっとコツがいるんです。ちょっと待ってね。ちょっと待って。もうすぐ動くから。もう少し。
下北沢。肌寒い。ブラウンのニットカーディガンが揚々と目の前を歩いている。いいなあ。
オープン20分前に到着。少しだけリハをする。今日は座って歌う。体がギシギシしていて、立っているのが少し大変だ。せっかく厚底スニーカー履いてきたのに。ま、かっこいい靴は座っていてもかっこいいから、たぶん大丈夫。
酒を飲む。なくなる。酒を飲む。見知った顔。久しぶりの顔。音楽を通じた関係は心地よい。最初から歌で心を曝け出しているから。繕わなくていい。ただ真っ直ぐに、向き合って、今日の歌を歌う。新しい歌は間に合わなかった。また今度歌うから聴いてね。
MCで根性焼きしてみたかったとか言ってすみませんでした。蚊に刺されるのも嫌なのに。腕だいじに。
酒を飲む。なくなる。酒を飲む。帰路につく。
夜の電車は照明が眩しすぎる。いつもはサングラスをかけるけど、眼鏡の上にサングラスをかけることはできない。残念。眩しい。眩しくて眠れないから寝過ごさない。確実に帰宅する目処。戦争についての本を読む。心は動かない。お酒と眠気のせい。
下車。肌寒い。そういえば、コピバンにベースで誘われたけどベースの音って私でも耳コピできるのかな？と思いながらDIR EN GREYを聴く。めっちゃ歪んでる。聴くバンド間違えた。
帰宅。ブログ執筆を思いついてPCの前。まだうがいをしていない。手は洗った。この文章は一晩置こう。まだ少し酔っ払っているから。湯船に浸かって、体を温めて寝よう。明日も在宅勤務。ドアに体当たりする1日だろうか。
音楽を通じた関係は心地よい。そこに言葉は…ほとんどいらないから。
2023年10月5日 下北沢Artist
ありがとうございました。
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