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もしお店をするならば、香水やさんをやりたいと思う。

もしお店をするなら、どういうお店をしたい?と訊かれたら
まず私はどういうひとに、立ち寄ってもらいたいかを考える。

例えば、
バーは、ちょっと現実逃避だったり、親密になりたいひと同士が来る。
カフェは、ひと息つきたかったり、のんびりしたいときに行く。
花屋さんも、旅館も、雑貨屋も、それぞれ来るひとの目的と、目的に沿った気分が違う。

お店をするなら、私は
ひとに会う前だったり、なにか冒険に出かける前のひとに会いたい。
そういうひとを勇気づけたり、何かしようとしている背中を押せるようなお店をしたい。ふわっと魔法をかけるような。

勝負デートにこれから出かける女性とか、彼女の両親に挨拶をしにいく男性や、
仕事で大事なプレゼンを控えているビジネスマンとか、
どこか華やかなパーティに出席するときとか

自分を勇気づけたり、これから会うひとに印象を残してくれる、魔法をかけたい。そのひとの気分やシチュエーションにぴったり合った香水で。
その香水を、持ち歩けるサイズの、ちょっと粋なスプレーボトルに量り売りして売るのだ。私が欲しいような、化粧ポーチに入るようなサイズのもの。

お店のイメージもある。
お店はうなぎの寝床のように細長くて狭くて
外のショーウィンドウからは、瓶が棚にめちゃ並んでいるところが見える。
で、お店番をしているのは、
めちゃドリーミィで、口あたりや人柄がソフトな
アーティストや、芸大生の女の子か男の子

(※話をまとめがちな私が、香水やさんの店頭に立っても、おそらく売れないので、お客さんの夢や想像をふくらませて、わくわくさせるようなお店番ちゃんorお店番くんの方がいいと思う)

お店の奥の方はアトリエで、
バイトをしているこが、お店番しているときも自由に絵を描いたり、スケッチしたりできるようにする。
お願いをするのは、お客様が来たときに要望を聴き出してイメージをふくらませる接客と、香水を売る作業のみ。
お客さんのいない時間は、時給ありで自由に制作を進められるようにする。
そして、お客さんが来訪しても過剰な接客は強制しない。
あくまで、店員さんとお客様の双方が楽しめる範囲で、会話をすることを推奨する。

そして、お店番さんが、自分で描いた絵を飾っていたっていい。要望があれば売ってもいい。

そんな香水やさんをやりたい。

もし、その香水やさんがわざわざ足を運びたくなるような場所になったら
そして、香水を買いたくなるひとがぼちぼち出てきて、
香水を買ったら、きっと誰かに会ったり、お出かけをしたくなるに違いない。と思うのだ(都合がいいかな?)

もしかしたら、ちょっといいレストランや気持ちのいいカフェに行くひとが少し増えたり、ついでに花屋さんで花を買うひとが出てきたり、
もしかしたら一張羅を新調したくなるかもしれない。

そういう何か、街が豊かになる装置みたいなものをつくりたくて
それが私にとっては、香水やさん。

もし、とてもいい狭さの物件と、
お店番をしてくれるドリーミィなアーティスト(の卵でも)が、めぐり合わせでいたら
やりたいと思う、そんなちょっとした夢物語。


お時間いただきありがとうございます。