2019年11月〜2020年1月観劇いろいろ

2019年の物は2019年中に上げてしまいたかったけれど、仕事に追われ気づいたらもう2月になっていた。
2019年ベストなんかも挙げてみたかったがベストになりうる作品については熱のこもった個別エントリーがあるのでまあいいかとも思う。
そんなわけで観たものいろいろ。

2019年
11月
PADMA EXTEND 0
演劇というよりショー!コメディの台本の中に織り交ぜられる様々なアクロバットやダブルダッチ、人間縄跳びなど肉体を使ったパフォーマンスに驚き興奮したステージだった。
あれだけの公演ケガもなく出来ていることが本当にすごい。

ミュージカル ハムレット
別エントリー。

12月
ハイキュー!! 飛翔
新生烏野ということで、出来上がっていない感じがまた新鮮だった。
今回のストーリー、潔子さんが本当に素晴らしかった。大久保さん、わかっていたけれど本当に圧倒的な説得力のある演技と美しさ。
この先も彼女の潔子さんをみることができることが楽しみだと思う。

THECONVOY ONE!
コンボイは3年前くらいに1度観て、ショーパートが素晴らしいと感じ、演劇パートが自分と合わなかったことを覚えていたのだけど、今回も同じように感じた。
まあでもああいう内容を求めている人々がいるのもまた事実なんだろうなとも感じる。
今回もショーパート、特にダンス、そしてやはりタップはため息が出るほど素晴らしかった。
本田くんは若手メンバーの顔なんだなあと思ったし、わかっていたけど今回の新人の中では抜きんでて帯金くんのダンスがうまい。帯金くん、スタミュミュの時から思っているけれど、ダンスのときずっと笑っているのがいい。
出来たらショーパートをぎゅっとまとめて観たいなあと、前回よりも強く感じた今回の公演だった。

2020年
1月
ウエアハウス-double-
やっぱり、実力がある役者同士の2人芝居は素晴らしい、というのが一番の感想。
平野さんは何度か観たことがあったが、小林さんは舞台で観るのは今回が初めて。でもドラマでも凄く上手いとわかっていたので楽しみだった。
小林さん演じるルイケはふてぶてしく違和感と威圧感に満ちた、『奇妙』な男。平野さん演じるヒガシヤマは『ごく普通の一般的』な男。そんなふたりが出会い、ストーリーが幕を開ける。
奇妙ながらも知能指数の高いルイケに好感を持ち、会話を進めていくうちに違和感を抱きながらも、なんとか合わせて会話するヒガシヤマを観ながら、わたしは、婚活をしていてたまに遭遇する、『他人との距離感が掴めない』男性たちのことを思い出していた。
結婚相手を探すために会話をしているはずなのに、興味のある話題になったとたんいつの間にかマウントを取り出す男性や、なんの脈絡もなく容姿や服を褒めてくる男性。婚活でなくても、電車でいきなり手紙を渡そうとしてくる初対面の男だったり。
たぶん女性なら『他人との距離感が掴めない異性』の思い出はいくつか持ち合わせていると思う。
ヒガシヤマが「吠える」を暗唱したところで、ヒガシヤマの中に自分と似た狂気を見たのだろうルイケが、一気にヒガシヤマに一方的な好意を抱き、距離を詰め自分語りをしていく様にぞっとしつつも、『ああ、こういう人、遭遇したことあるな』と自分の中の記憶を見た。個室の居酒屋とか、車の中とか、2人きりの空間で逃れられない好意に、刺激しないよう宥めた思い出。
しかしルイケを気持ち悪い、勘違いするな、と責められないほどに、ヒガシヤマの「吠える」の暗唱はあまりにも素晴らしい。平野さん演じるヒガシヤマの、日々の鬱屈を晴らす様な強い熱のこもった暗唱にのめり込まされる。これじゃあルイケが好意を抱くのも仕方がないと納得させられるような、狂気にも似た信念と怒りに満ちた、本当に素晴らしい暗唱だ。
好感から畏怖へと変わったヒガシヤマの心中に気づかないまま、ルイケの好意は加速していき、物語はホワイトノイズの響く衝撃的なシーンから、両者の互いへの憎しみにも似た失望で終焉する。
観終わったあとドッと疲労感に襲われる作品だが、その疲労感が充足感に繋がり、とても心地良い興奮に満ちた観劇だった。
初めて生で演技を観た小林さんは、わたしが観たいと思っていた演技と役柄で大変満足した。
ご本人が以前猫ひたで「若いときオーディションに行くと『君緊張とかしてないの?』と言われて、自分の感情が伝わらない」的な話をしていたけれど、感情が表情に出にくいし、身長も高いから、そこに佇んでいるだけでふとした違和感と威圧感があると思う。ルイケはその小林さんの味が余すことなく現された役だったと思う。
また公演があれば、ぜひ観に行こうと思う作品だった。

オフ・ブロードウェイミュージカル bare
とにかく主役のジェイソンに感情移入出来なかったことと、周囲の不憫さに憤慨してしまったが、歌も生演奏も素晴らしく、ストーリーはともかく音楽に心動かさせるミュージカルだった。
オフ・ブロードウェイ作品にあまり造詣がないのだけれど、前に観たアルターもカトリック物で、bareもカトリックハイスクールの話だったので、宗教は文化に密接しているものなのだろうなと感じた。
舞台美術も2つの回転台で上手く場面転換が表現されていて素敵だなと感じた。

ミュージカル・テニスの王子様 全国立海後編
3rdを観続けてきて、もう5年も経つのかと思うと感慨深く、自分の好きな学校の彼らもまた、この試合になんらかの思いを抱きながらここに存在するのだろうと思いを馳せた。
全編からの感想と一緒になってしまうが、やはりわたしの中でのファーストインパクトとなった1st全国立海の存在は大きく、同じような演出、そして同じ曲で繰り広げられるため、追体験しているような気持ちになった。
新演出もあったが、主観だけど、ここまでかっちり1stと似ていると感じたのは3rdでは全国立海が一番な気がする。
また公演中でもあるし、最後にドリライもあるため、彼らの卒業はまだ先だが、本編の終わり、青春の煌めきを見届け、この作品と出会うことができて本当によかったなと改めて思った。

今年は1月が本当に仕事、更にプライベートでもいろいろあり追われ週末も布団の中という生活も多かったので、観劇の初動が遅かった。
今年も元気にいろいろと観ていきたいなと思う次第である。

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