(106)介護と親族

義父母と同居をして20数年。3年前に義母が要介護3、1年前に義父が要介護1になり、そこから3ヶ月ほどで義父も要介護3に変更。介護の必要のない義父母との同居ももちろんいろんな事件があったが、介護が始まると、私がやってあげないといけないことは格段に増えた。介護認定を受けるとケアマネジャーがつくようになるが、ケアマネジャー以外にもデイサービスのスタッフさん、訪問リハビリの先生、福祉用具レンタルの方、かかりつけ医、役所、金融機関、保険などなど…すべての窓口は私になった。訪問時の対応、電話対応、書類のやりとり、けっこういろいろある。通院日もなるべく同行してあげないといけない(送迎は病院がしてくれるので1人で行ってほしいと頼んでも、どこに何を出すとかどこで待つとか何もわからんから1人やったらやめとく、と言われるので)。体調を崩し救急で連れて行くことも年に数回はある。体調を崩したときは買い物も全てしてきてあげないといけないし、去年は、そんな中、義父の徘徊も始まり、何度も捜索に行った。徘徊した義父を探す介護サービスはないので警察に依頼したり家族で探すしかない。私の時間と労力はどこまで義父母に奪われるのだろう…、と感じることが多々あった。
しかし、私がどれだけたくさん義父母の身の回りのことを代わってやってあげていようが、義父母側の人間には伝わりにくいものだ。先日もある親族に会うことがあり、最近の義父母の状態を話したりしていた。「義父は徘徊が激しく、老人ホームに引越しをしました。義母はこないだも倒れて救急車で運ばれました。今回は無事に帰宅できたものの、体調の変化が大きく不安定です。」といった話をしていた。親戚は、私と夫が義父の老人ホームを探して決めるまでに、見学やら面談やら資金繰りを考え、どれだけの時間を費やしたか想像できないのだろうか、義母が救急車で運ばれたときにデイサービスまで急いで向かって救急車に同乗し、その日の私は義母の付き添いだけで1日が終わってしまったことも想像できないのだろうか。こういった特別なハプニングがなくても、日常的に事務手続きを全て引き受けていることが想像できないのだろうか。その親戚は、私に日々の労いの言葉をかけるのではなく、私にこんなことを言った。「◯◯◯さん、おばあちゃん、何回倒れてもこうやって回復してくるから長生きするタイプやで。まだまだ生きるわ。✕✕と結婚したんやから、おばあちゃんの面倒見るのは当然や。最後までしっかり面倒みなあかんのやで」
夫の親の介護に私も携わっていくのはわかってるし、やってる。それを、こうやって義父母側の親戚に言われると、妙に興ざめ。日々のお礼もなく、押し付けられると妙に興ざめ。私は、はい、と笑顔で返事したつもりだが、たぶん変な笑顔だったかもしれない。


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