見出し画像

リモートワークをサクサク進めるコツ。

かかわる全員がリモートワークでの仕事に取り組んで数年。ようやく少しずつ心地いいやり方が確立されてきた気がするので、備忘録として残しておきます。どちらかというと、今回の記事は自分がリモートで動くという人よりは、リモートワークでのチームづくりをしたい小さな会社の経営者やベンチャー向けです。

KUMIKI PROJECT株式会社では、2020年2月時点で、10名ほどのメンバーが、「出社なし」、「定例ミーティングなし」で仕事をしています。ビジネスモデルは「ワークショップによる空間づくり」。極めて現場を重視するアナログで労働集約型のビジネスで頑張っています。笑

そんなチームで、これまで全員がいわいる「リモートワーク」によって仕事をやっているわけだけど、この形式で2年くらいやってみて円滑に進めるには、いくつかコツがあるなぁと感じています。今回はそのなかで3つだけ紹介。

① すべてを共有しよう。

1つめのコツは、すべての情報をすべてのメンバーに共有すること。これはなにかというと、情報量が人によって濃淡になっていないようにという意味。仕事をしていく上で大切なことは、決められた時間のなかで意思決定をすることだと思います。では、その判断を下すためには何が必要かといえば、前提となる「情報」です。

例えば、「Aさんは知っているけど、私は知らない。」

そんな環境下で適切に意思決定をすることって、当たり前だけどなかなか難しい。

だから前提となる情報は、すべての人が等しく知れる環境を用意する必要があるのです。情報を「得るかどうか」は自由意志。だけど、どこにいけばすべての情報に出逢うことができるのか。その場所を決めていくということはリモートの組織づくりにおいては極めて重要になるはず。「すべての人がアクセスできないとはじまらない」と思っています。

② できるだけ1箇所で共有しよう。

さて、2つめのコツは、分散型ではなく、一箇所で管理するということ。

最近は、特徴を持った様々なアプリやWEBサービスが、仕事の生産性をあげてくれています。コミュニケーションアプリといっても、SlackやChatworkなどをはじめいっぱい登場していますよね。それぞれが差別化し、強みを強化しているため、アレもコレもついつい魅力的に思ってしまう。

KUMIKI PROJECTでも、気がつくとコミュニケーションは「Talknote」。資料の保管は「Dropbox」。議事録は「Evernote」、写真が「GooglePhoto」、TO DO管理は・・・と五月雨式に増えていきました。

それぞれはとても便利なはずなのに、使うアプリケーションが多くなればなるほど混乱してしまう。メンバーがついていけなくなりました。苦笑

そんなこんなでいくつかの試行錯誤があって、現在は「AND PAD」「AND PAD CHAT」「Trello」の3つに落ち着きました。日常業務で使うアプリケーション、基幹システムといえるやつですね。(それぞれの紹介はぜひ、WEBサイトを検索してみてください。)

僕らは、空間づくりがメインの仕事なので、どうしても現場写真やWSの写真、図面、依頼者とのミーティングなど多種多様なデータが仕事から生まれる。これらをすべて一箇所で管理できたらとずっと思っていたため、建築系のアプリケーションである「AND PAD」というアプリを導入するに至りました。

もちろん、お金の余裕がないうちや、そんなに複雑で多種類のデータを共有する必要がない場合は、無料や数百円のアプリを複数使うのでも良いと思います。

ただ、コミュニケーションアプリは、基本的には流れていく会話のためのアプリなので、資料保存や参照には向きません。それぞれのアプリの特徴を理解しながら、あまり多くのものを使わなくても済むのが一番良い道だと感じています。

仕事量が増えてくると、あれはあのアプリ、これはこのWEBサービスの中というような、「分散された情報の蓄積方法」は利用するメンバーの大きなストレスになってくる。

だんだん使われないものがでてきてしまうくらいなら、ある程度の費用は投資して、1箇所でできるだけ管理できるものをオススメします。特にリモートワークの場合は、情報へのアクセスのしやすさが、先に書いたような意思決定の大きな前提となるので。

*画像:ANA PADの画面。写真も資料も工程も。すべてを1箇所で共有できる。もちろんスマホからも使えるので◎。(ANDPADの回し者ではありません。)

スクリーンショット 2020-02-10 16.33.40

③ 誰が何をしているか明確にする。

最後に3つめのコツ。顔の見えないリモートって、「新たにメンバーが知らないうちに加わっていた!」なんてことも日常茶飯事。だからか、誰が何をしているのかわかりにくいという声が以前ありました。確かに、対面コミュニケーションの不要さって、信頼関係と比例するから、最初はみんなで会って直接のコミュニケーションをとれるなら集まりを持ったほうがいいかもしれない。

でも、KUMIKIの場合は、北は秋田、南は京都にメンバーがいるため、物理的にこうした会をするのは難しい。そこで誰が何を担っているのかをリアルタイムに把握できる必要があると感じるようになりました。

これにはうちの場合、「Trello」というTO DO 管理アプリが本当に役立ってくれています。

僕らはTrelloを使うとき、特に有効活用しているのは「ラベル」という機能。

例えば、契約書を作成して締結するというタスクがあるとき、これをラベルに記入する。そのときは、「動作」と「時間」がわかるようにしてラベルをつくることで、「誰が」「何を」「どのくらいの時間」で担っているか明確になる。

ラベルの作成例:「請求書作成・送付(0.5h)」、「企画作成(2h)」など。

スクリーンショット 2020-02-10 10.57.13

*2020年2月時点でのラベルの一例。僕の思う「ラベル」とは仕事の最少単位。ラベルごとに単価と時間が決まっている。最終成果につながるワークフローからこうした細切れのラベルを丁寧に整理していくのが、わかりやすい仕組みづくりにつながると思っています。

スクリーンショット 2020-02-11 9.34.27

あとは月末に自分のタスクを見返して、それを請求書におこし、会社に請求する。(KUMIKIは原則、すべての職種が時給2500円をベースとしているので、時給単価をラベルの時間に掛け合わせるだけでOK!)

請求書を先に書いたANDPADというアプリケーションの「未払いフォルダ」に入れることで、支払い期日に振り込まれる仕組みになっている。Trelloでも請求書を出したら「請求済み」というラベルを貼ることをルールとしました。

こうすることで、会社側では請求書と請求済みラベルをみて中身を確認したら、アーカイブといって見えないように保存する機能を使う流れで、タスクを毎月クリアにして更新していけるわけです。

まとめますね。

1)すべての情報に対して、すべてのメンバーがアクセスできる環境をつくる
2)1つ(多くても3つまで)のアプリやサービスで管理する
3)何をやっているか各々の「動作」とかけている「時間」を明確にする

仕事内容によっても使うアプリやサービスは変わるとは思いますが、数年間極めてアナログな現場仕事をリモートで価値を発揮している集団として思うことは、上記3つです。

もっとリモートが当たりまえになっていって、地方の中小企業でも、その地域に住んでいない人たちとも連携しながら価値を発揮できることが当たりまえになったら嬉しいなぁと思います。引き続き、試行錯誤していこうと思います。

=========================
くわばらゆうき| KUMIKIPROJECT

「はじめたい」を「ともにつくる」で実現する空間づくりワークショップの専門集団 KUMIKI PROJECT と、シェア工房を全国にふやす財団KILTAをやってます。

TEDxスピーチ「 DIT not DIY」
|SNS
twitter :kumikiproject
facebook :yuki0321
instagram:kumikiproject
=========================