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「カイゼン」の次のトヨタ方式「からくり」

先日の仙台視察では、トヨタ自動車東日本(株)宮城大衡工場にもおじゃましてきました。主に小型のミニバンなどを組み立てている工場です。

何度かトヨタ自動車の工場を視察させていただいていますが、働いている人たちの集中力と組み付けのスピードにいつも驚きます。

そして、今回、さらに驚いたのが、「からくり」という新しいトヨタ方式が存在することです。この大衡工場の皆さんが生み出されたもので、これまで人間がやっていた単純作業をカラクリ人形のように無動力で作業できるような機械を現場の人たちが作り、単純作業を無くしています。

単純作業をロボットにしてもらいましょうというのが、最近の流行りですが、大衡工場では、ロボットのような複雑なものを大金をかけて作らなくても、工夫次第で、安価に便利な「からくり」が生み出せることを証明しています。

そして、現場には、からくり認定制度があり、初級から匠まで、からくりの発明回数に応じて、階級が上がっていく仕組みです。

例えば、思いボルトの上下を一々人が見てひっくり返すのではなく、簡単なシーソーのように作られた鉄パイプの間に、ボルトを置くだけで、上下が揃って落ちてくる仕組みや、部品をまとめたカートをエレベータに載せたり、下ろしたりする作業も、電動自転車のモーターと勾配を利用して自動化したり・・現場で見ると、まさにからくり人形のようで、「なるほどー!」と声をあげたくなるからくりが随所に見られます。

そんな現場の「からくり」のアイデアを社長さんが、本当に嬉しそうに「うちの社員たちはすごいでしょ!」と嬉しそうにお話くださる社長さんの姿が、またとても印象的でした。

そして、こうした工場で働く人たちを育成する全寮制の技能習得の学校も視察させていただきましたが、礼儀作法にも多くの時間が割かれていて、やっぱり人間力がベースにあってこそ、緻密な仕事も柔軟なアイデアも出てくるのだろうと改めて思った次第です・・。


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