代表柳橋_note_

株式会社カオナビ 代表取締役社長 CEO 柳橋仁機さん

顔をアイコンにした人材マネジメントシステム
学生時代に創業直後のベンチャーでインターンをし、起業に目覚めた柳橋さん。収入が減り何度も諦めかけつつも成功へと到達できた柳橋さんの経験と直感を信じる力とは。

1)人事情報をクラウドの一元化で利便性アップ

藤沢:藤沢久美の社長Talk、今日のゲストをご紹介します。今日はマザーズ上場企業です。証券コードは4435、株式会社カオナビ代表取締役社長、柳橋 仁機さんです。柳橋さんよろしくお願いします。

柳橋:はい、どうぞ、よろしくお願いします。

藤沢:カオナビという社名がわかりやすいんですけども、あらためてどういうお仕事か教えてください。

柳橋:「カオナビ」という製品名で、会社名もカオナビです。企業向けのクラウド型の人材マネジメントシステムで、B2BのSaaSビジネスで展開しています。ラジオなので今日は実際の画面はお見せできないのですが、ご契約いただいた企業の社員さんの顔写真が並んでいて、クリックするとその人の持っている資格や仕事の経歴、得意なことや、苦手なこと、今後チャレンジしたい仕事など、個人のキャリアに関する情報が表示されます。またクラウド型でご提供しているので、インターネット環境があればどこでも見ることができます。僕たちは、この「カオナビ」というサービスを企業のマネジメント層の方に提供し、それを使って人材配置や、異動、抜擢など、人材マネジメント業務を活性化するために使っていただいております。

藤沢:なるほど。だから昔で言うと、社員の履歴書と、人事評価表とか目標設定表とか、紙でバラバラになったものを全部クラウド上にあげて。

柳橋:そうです。一元化したということです。昔僕も人事の仕事をやっていたときに、キャリアに関する情報が、紙やExcelファイル、別のシステムなどにバラバラに保管されていることにすごい違和感を感じていました。あと、おおむね人材情報って、人事部に綴じて管理されているんです。現場のマネージャーさんとか見られないことが多い。せっかくの情報があまり活用されてないということに気づき、それを改善するために、バラバラになっているキャリアに関する情報を一元化して、かつマネジメント層に共有化するというコンセプトのこのビジネスを始めました。

藤沢:そうか。だから、マネジメントということは、管理職になっている人は、どこからでも見られる。

柳橋:そうです。もちろん、セキュリティ上の対策をして外部に情報が流出しないようにとか、経営者は全部見てもいいけれど、課長はここまでしか見てはいけないなどの権限をつけてアクセスコントロールもできるようにしてあるので、共有しやすくなっています。

藤沢:そうか。そのアクセスコントロールとかセキュリティって大事で、私も社外役員とかやっていると、次の候補者ですとかいって履歴書とか経歴書とかを持ってこられるんです。そこにはどういうところで働いてきたかとか、家族構成とかが書いてあって、紙でもらうとものすごく怖いんだけどと思っていたんです。そういうリスク的な観点でも、そういうふうになっていると、より安全ですね。

柳橋:そうですね。この事業を始めたのは7年前なんですが、その頃はまだインターネット上で人材情報を管理するというのは怖いとか、漠然と不安だというお客さんの声が多くありました。でも今はインターネットを企業の業務に使うというのは当たり前になってきたので、抵抗感は少なくなっているように思います。おっしゃっていただいたとおり、やっぱり人の情報ってすごく機微なことも含まれるので、セキュリティ上の対策はとても神経を使ってやっていますね。

藤沢:そういう意味じゃ、時代がやっと追いついてきた。

柳橋:かっこよく言うとそうですね。

藤沢:今は、こういった分野は、HR Techと言うんですよね。

柳橋:そうですね。

藤沢:ヒューマンリソースのテクノロジー系の会社で、人材マネジメントに関わってらっしゃる中では、シェアトップ。

柳橋:そうですね。一応、人材管理市場においては、調査会社さんの調べではそういった形で評価をいただいていますね。
※出典ITR「ITR Market View:人事・人材管理市場2018、2019」人材管理市場:ベンダー別売上金額シェア(2015~2018年度予測)

2)創業期のアットコスメのインターンで、芽生えた起業魂

藤沢:7年間で業界トップに上り詰められた事業のお話もじっくりあとで伺いたいんですけど、ビジネスを立ち上げられた前の話をちょっと伺いたくて。もともと起業したかったそうですね。

柳橋:はい。学生の頃からやんわりと意識はしていました。

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