見出し画像

ワーケーション1ヶ月実験・最終報告

できたこと、できなかったこと

今回のワーケーションは、私にとっての今後の働き方と、もしかしたら仕事の内容自体を変えることになるかもしれない実証実験でした。人生には限りがあります。その人生の中でも「働く」ことに関しては、もっと短い期間限定という枠があります。私の願いは、死ぬまで好きな仕事を続けること。でも、働くことができる体と心の双方兼ね備えている年数を自分で決めることは、現実にはできるものではありません。働くことができる時間がどのくらいあるのかわからない。だったら、好きな仕事を好きな場所で好きな人たちとするためには、何が必要で不要なのか。これを考えるための指標を持ちたいと思いました。

加えて、このコロナ禍の中、あとどのくらいの期間、旅行が制限されるのかもわからない。だったら、仕事と旅をリンクさせるワーケーションとやらがどんなものなのかを知ることで、働き方自体を変えることができるかもしれない。だったら、今後の働く場所やそれに伴う費用、そして人生で必要な持ち物がどの程度の物なのか、ここらへんも「実際はどうよ」ってところまで検討したいとも思いました。

画像1

仕事の区分け

私の仕事には、リモートワークができるものとできないものの両方があります。そこでまず、リモートワークができない仕事が本当にできないものなのか、実際にやってみました。

私の仕事は、政治家のコンサルティングと、エグゼクティブのコンサルティングです。さらに、自分を縛る「常識」を見つけ出し、「常識」から自由になって自分の人生を生きる「鈴鹿塾」のクミ長という重要な仕事もあります。これらを1カ月かけてリモートワークが可能なものとそうでないものに仕訳けてみました。

結果、リモートワークではできない、若しくはできても精度が下がるものは以下。
1) 選挙
2) 演説指導

意外と「できるじゃん」だったのはこれでした。
1) 政治家のコンサルティング
2) エグゼクティブコンサルティング
3) 個別相談

当然、これはできるよね、ってのはこれ。
1) オンラインサロン「クミ長とそれってどうよ」
2) ミニセミナー
3) その他もろもろ事務雑務
4) 執筆

画像2

事務雑務については、条件がありました。やはり、パッと印刷したり、ササっとクリアファイルに仕舞ったりする作業ができるかどうか。まだまだアナログなところが自分の中に残っていました。印刷する→確認する→ファイリングする。この一連の作業をPC上で作業しオンラインで保存することが可能なことは知っています。実際クラウドも使いこなしているつもりでいました。でも、「紙焼き」をしないでこれをやり続けて、何回かミスをしてしまいました。これも慣れて来たらできるようになるのか不明ですが、今のところまだ複合機が隣に欲しくなります。

執筆について分かったことがあります。それは、場所が変わろうと書けないものは書けないということでした。締め切りが無ければ書けないということがハッキリしたというだけのことです。今回は、書くこと決めて、勢いよく書き始めましたが、ダメでした。ネタもしこたまため込んでいて、書きたいこともあるのに、文章として成立していません。これについては、締め切りをつくることに専念することにしました。

意外とダメだったことに、運動があります。外出を控えていたこともありますが、ジムは数回行っただけになりました。毎日でも通い続ける気持ちになれなかったのが一番大きな理由です。だったらホテルのジムを使えばいいのですが、たまに行ってはみても、顔見知りのトレーナーがいるわけでもないのでサボる環境は整っています。サボりまくりました。筋トレを維持することは、要再検討です。

画像3

一ヶ月移動するための持ち物について

■ 洋 服 
 服装は、よくよく考えて持参したので、あまり失敗はありませんでした。まず、場面別で必要なものをピックアップします。

1) オンタイム用。顔と姿が見えるオンラインの仕事用には、通常のスーツとシャツが一着分。これに見合うアクセサリー(ネックレスとピアス)を2組。靴はテレビの仕事が入った時のために、テレビ用のヒールを一足。

2) オフタイム用。買い物や食事に行くなどにも着用できるようにと、ワンピース2着と上着を一着。この上着は日焼け防止の意味もあって必須でした。そしてワンピースに変化をつける+冷房対策のストール2本。靴は、履きなれた二足とウォーキング用のもの。その他は、Tシャツ2枚、ポロシャツ1枚、クロップドパンツ1本。

3) 洋服には明確なルールを決めると、品数がすくなくてもオシャレにみせることができます。私はブルーを基本色としたので、宿泊先では「あの人いつも青い服着てる」という印象だったと思います。でも、基本をブルーで統一することで、色の組み合わせから解放され、持参する品数が少ないにもかかわらず、統一感を持たせることができました。

4) 少ない持ち物で、スタイリッシュにオシャレに見せるコツ
上手くやるコツは、色相環を使うことです。カラー診断で自分の肌の色とトーンを知ることが大前提ではありますが、カラー診断ができたら、あとは色相環を使って似合う色を「自分の基本色」として決定します。次にその色を引き立たせる色を2色から3色決め、その組み合わせに限定して持参するアイテムを決めてゆくのです。これさえしたら、失敗のない組み合わせを自由につくることができます。

画像7

分裂補色配色を使い倒す!

私は、ブルーの中でも濃い目のブルーを普段着の基本色にしています。そこで、色相環の上で選んだ色の真正面にある色を「補色」といいますが、その補色の両隣に位置する2色を組み合わせる「分裂補色配色」を用います。スプリット・コンプリメンタリーとも呼ばれています。この分裂補色配色を使うと、統一感がありながらもインパクトのある、スカッとした印象をつくることができます。

私の場合は、濃い目のブルーを基本色として選んでいたのでレモンイエローとオレンジがその対照色です。濃い目のブルーのワンピースに、ストールにはこの補色である黄色とオレンジが入ったものを選びましたので、インパクトのある印象を作りたいときに重宝しました。色を選んで限定することが、持参するモノを減らしてもオシャレでいられるコツです。

政治家のコンサルティングでもこの手法は超活用できる方法です!
ギョッとする方をハッとする方にイメージアップしていますw

画像8

■ 日 用 品 
日用品は、持って行かなさ過ぎて、結局現地調達なるものがとても多くありました。例えば、台所用品がその代表例です。毎日外食をするのは嫌だったので、部屋には料理のできるキッチン付きのところを選びました。キッチンはコンパクトでしたが二口のIHもあり、とても便利でした。圧力鍋を持参したのは使いまわしができるのと、時間短縮に正解でした。ただ、調理済みの物を入れて冷蔵庫に片付ける保存容器、ジップロック的なもの、そして味噌、醤油、オリーブオイルは現地調達となりました。そして、私は毎晩シャンパンを飲むのですが、部屋にワイングラスがあることは確認していたのでそれを使えば良いと思っていました。でも、そのグラスではいつものシャンパンを美味しく感じることができず、我慢できずに気に入っているタイプのシャンパングラスも買い足しました。これは想定外でした。嗜好品に関しては捨てることができないのが「日常」なのだと改めて認識。今後は、壊れそうで心配でもお気に入りのグラスを持参することにしました。

画像4

最後の一週間

一ヶ月の滞在予定は当初からそのつもりでしたが、「来週の今日には東京に帰るのか」と思ったときから急に焦りが出てきて驚きました。それは、自分に課していた1カ月の特別な課題。積読の解消や執筆ができていないこと。そして、「旅行に来ているわけではない」と自分に言い聞かせてのワーケーションでしたので、あまり出かけていないことが焦りの原因でした。状況からも美術館も閉まっていましたし、飲食店も開いていてもお酒は出さないし8時には閉まります。外的な要因で気持ちの負担もなく「出かけない」ことを選べていたはずなのですが、最後の1週間となった途端「これで良かったのか」的な焦りがでてきました。そこで、それまでホテルで朝食兼昼食をとっていたのを止め、行ってみたかったレストランに予約が取れるだけ入れることにしました。電話をかけてみたら、出発の日までの1週間はミシュランウィークとなりました。最後の一週間で満足は増大しましたが、体重も増えました。覚悟はしていましたが、本当に美味しく楽しかったので後悔はしていません。帰京直後からダイエットです。

■ 費 用 ■
さて、これからもこの調子でワーケーションをやることができるのかどうか。最後の決め手は費用です。どのくらいお金がかかったのか。

計画していた宿泊費と移動の費用は変わりようがないので、ここは計算する必要がありません。問題視すべきは、想定外の出費です。上でも書いたように、コピー代や台所用品などは想定外でした。たださほどの金額ではありませんでした。食費は激安でした。魚も野菜もとても新鮮で激安。しかも簡単な調理しかできないことがかえって出費を抑えることにもなりました。東京にいる時と比べると、一回の会計は約1/3。せっかく新鮮な土地柄なのだから冷凍するのは止めようと思っていたので、毎回買い切りでしたので尚更ですが、これは想定外に安かったです。でも、最後の一週間のレストラン攻めでその穴は十分に埋めることになりましたが。

画像5

自宅に帰って気が付いたこと

最後の日、フロントでチェックアウトの手続きをしていると、スタッフの方が次々とあいさつに来てくれました。「今日で最後ですよね」「寂しくなります」「お帰りの時間だと思ってご挨拶だけでも」と。一ヶ月滞在すると、毎日顔をあわせる人と、こんな言葉を交わせるようになっていました。荷物の受け渡しだけでも、Amazonで頼む本や、買い足した台所用品、何度も届くシャンパン(笑)。そして、毎朝の「おはようございます」の挨拶と、買い物帰りの「お帰りなさいませ」。こんな日常が生まれていたことが、とても愛おしく感じられました。「フロントの人」から「いつも顔をあわせる人」への変化は、この土地の中でも生まれていました。趣味の陶器を見る中で、何度も通い詰めた老舗店の社長にも、帰る日に挨拶に伺いました。3度も通ったお気に入りの寿司屋。最後の食事はそこに決めて挨拶をしました。町の中に懐かしいと思える景色がいくつもできました。東京に帰ってきてからも、仕事から目をあげて見える景色が変わっていることにまだ戸惑います。そのくらいあの街の景色が目に馴染んでいたのかと改めて思います。季節が変わったら、また行きたいと思っています。「元気でしたか」と顔を見に行きたい人ができました。

画像6

結論


ワーケーションをおススメできるかというと、ズバリおススメです。気を付けるべきことは、ワーケーションが「仕事場を変える」ことなので、仕事に支障がでては困るということです。なので私はかなり考えて準備をしたつもりですが、そこまでキッチリとした準備が必要なのかと思うとちょっと気が重くなります。で、もっと気軽にできないのかと考えてみました。こんなにガッツリ準備しなくても、一週間だけちょっと行ってみる。これができるためのポイントは何だろう。

これには正解がありました。それは、行く場所を選ぶことです。これさえできたら絶対に失敗はしません。その「適当な準備でもワーケンションができて仕事も失敗しない場所」とは、衆議院の選挙区で言うと「1区」です。1区はどの地域でもその中心地となる場所、県庁所在地です。ですから、持ってくるのを忘れたといっても直ぐに手に入れることができます。コピーするとか、食事に行くとか、日常生活に不便を感じることはありません。そして、宿泊施設も多いので、予算からも選ぶ対象が豊富です。行ってみたい都道府県を調べたら、1区から宿泊先を選ぶ。身軽に気軽にやってみるポイントは、ここでした。

最後に


結論らしい結論とはいえませんが、気持ちがゆるやかに整ったことは明らかでした。朝までぐっすり眠れたのは帰るまで続いていたし、東京に戻ってきてからもぐっすり眠れています。気づかない何かが解消されたのだと思います。豊かな自然を毎日肌で感じ、気持ちの穏やかな人に囲まれ、移動時間のない日常を送る。ちょっと贅沢でしたが良い体験でした。もう次のワーケーションを考えています。衆議院選挙が終わって一段落したら、短くていいから、どこかに行こうと思っています。またここでご報告させて頂きます。読んで頂いてありがとうございました。
私のワーケーション実験、でした。

追記
これを書き終えたところで「衆議院解散か」の一報が飛び込んできました。ワーケーション第二弾、年内にはもう一度できるでしょうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?