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「勝つ」って何だ?!香川1区が熱かった!

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前日、私は長崎にいました。長崎1区の候補者を演説を聞きたかったので、最終日は高松と決めていたから、距離があるのは気になっていたのですが、最終日の朝、長崎を出て、陸路で高松に向かうことになりました。

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長崎ー高松という空路が見つからなかったのです。コロナで減便になっているのかもしれませんが、631㎞を陸路で移動することになりました。長崎から福岡の博多までは特急かもめにのります。これがなんともビシッとした格好の良い列車でした。

そして、博多からは新幹線で岡山へ。実は、この岡山でもイケメン対決と言われる、自民党・橋本岳 VS 立民・柚木道義 この演説を聞きに行きたかったのです。でも、この日は、最終日。橋本岳陣営の演説ポイントと、私の可処分時間とが上手く重ならず、ここは断念することにしました。(残念)



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岡山からは、快速マリンライナーで高松へ向かいます。移動の列車の中では、このNOTEの下書きを書く時間になります。集中していると2時間くらいはあっという間に過ぎてしまうので、タイマーをかけてスマホをパンツのポケットに入れて、ブログに取り掛かります。

タイマーを到着の5分前にかけていたのは正解でした。上手く書けなくて悶々としていたこともあり、タイマーが鳴った時「うぇいっ!」みたいな変な声が出てしまいました。ブログは全く仕上がらないまま、高松駅に到着しました。

到着駅のホームにアンパンマンの小さなベンチを見つけてツーショット♪

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独りで移動していると、道を尋ねる時以外あまり人と話をしないので、アンパンマンには癒されました(笑)

街頭演説がある場所まで、そこから更に琴電で二駅。地の利がないうえに、重症の方向音痴の私は、とにかくその場所に向かいました。岡山の選挙区をひとつ諦めたので1時間45分程、ゆとりがあります。

瓦町という駅に到着してからは、もう一方の街宣車探しをします。互いにどんなふうに戦っていたのか、結果が出た時に分析する材料となるのは、双方を見ているに限りますので。

しかーし、見つからない。自民党・平井卓也氏の街宣車が見つけられずにいて焦っていると、遠くから何やらウグイスの声が。私はウグイスが呼び掛ける声は、かなり遠くからでも聞き分けることができる特技があるのです。

来た来た来た!あれだー!

スーツケースを引っ張りまわし、ウグイスの声がする方を探します。

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すると、あ!
あ、あ?あれ?党の選車?!

「平井卓也!平井卓也を宜しくお願いします!」

と言ってはいるのですが、なんとそれは政党の車でした。どこかに応援弁士に入っているのでしょうか。平井氏の乗っている選挙カーに遭遇することはできませんでした。

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平井氏の車を探すのは諦めて、小川淳也氏の演説時間まで駅前のスタバで原稿を書いていることに。街宣車をみかけることができそうな場所に陣取って、またNOTEの下書きを書いていました。ガラス窓の外で何かザワザワしている気がして顔を上げると、そこには既にテレビカメラ数台と支持者があつまっていました。私はあわてて、パソコンを鞄に押し込み、写真を撮り易そうな場所を確保しに外へ出ました。

遠くから、またウグイスらしき声が聞こえてきました。かすかに「娘です」と聞こえます。小川氏には二人のお嬢さんがいます。きっとまた奥様と3人で応援にはいっているのでしょう。その声はどんどん近づいてくると同時に、涙声になっていきました。


それは、駅前の歩道橋の上から下まで、小川氏を支持する人でいっぱいになっていた光景が見えたからでしょう。「父を、父を信じてください!」涙声が聞こえた支持者も涙をふきながら手を振っていました。


小川淳也氏は、18年前に初めてこの地で立候補してから、2009年での勝利を除き、一度も選挙区で勝利したことがありません。初陣は負けで始まり、その後はつねに比例復活です。相手の自民党・平井卓也氏は、地元メディアの社長も務めた生粋の人物。その相手に戦いを挑むなど、この後の後援会長さんの挨拶にあった通り、「やめろ!」「あたまおかしいのか」と言われるというのも頷けることです。私でも止めると思います。小川淳也氏のお母さまがかつて、こんなに落選するほど永田町で淳也が必要がないならば、「淳也を返してほしい」と言ったと聞いていました。子どもの頃から頭が良くて、まっすぐで、たぶんご自慢の息子さんだったでしょう。東大に入ってからは一層将来を楽しみにされたことでしょう。それが一転、野党の政治家となり、落選、比例復活と、お金とはとんと縁のない苦しい日々が18年も続いていたのですから。

そんなことを思っていたら、向うから車が入ってきました。

「ありがとうございます!」「ありがとうございます!」

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後援会の方、応援団の女性、それぞれの立場からのメッセージが終わり、小川淳也氏が「最後の訴え」を始めました。

直角にお辞儀をするふたりのお嬢さんと「妻です」のたすき姿の奥さん。胸を打つものがありました。

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小川淳也氏の演説は、4年前に聞いたのと変わったところは無いように思いました。違ったのは「選挙区で勝つことをお約束します!」でした。

興奮するでもなく、がなり立てるでもなく、自分が政治家を目指した原点を語り、「18年のあいだ、それでも永田町で永田町にそまらずにいられたのは、皆さんがいたから」だという、静かな力強い話しぶりは、全国から応援に駆け付けた1票を持たない人々をも魅了していたと思います。

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ニュージーランドには、ジャシンダ・アーダーン首相という若くて華奢でチャーミングな女性首相がいます。コロナ初期に国をロックダウンし、世界でいち早く経済も健康も回復に向かわせた敏腕政治家です。彼女は、小さな政党でちょっとしたことから党首となり、たくさんの小さな運気を集め、37歳の若さで首相に就任しました。、首相就任の数か月後に妊娠出産。現役の首相としては世界で初めて産休を取得しました。

コロナ禍の最中には、自宅から国民へSNSでメッセージを送り続けました。時には私服で、子どもを寝かしつけた話など、銃規制から民族間事件など、デリケートな問題もスピード感のあるリーダーシップを発揮しつづけ、今や国民の人気は高まるばかりのようです。

私は、今日の小川氏の話し方とその内容を聞いていた、アーダーン首相を何度も思い出していました。どの立場になっても誰が目の前にきても変わらない姿は、人々の信頼をより強固なものへと育ててゆく基礎となるものです。

4年ぶりの衆議院解散総選挙。その最終日に私がこの香川1区を選んだのは、地盤看板カバンがなくても、思いを形にすることはできるという、政治家としてだけでなく、人として清々しく仰ぎ見る存在を確かめたかったからかもしれません。

私はこの選挙区において、一票を持っていません。この選挙区の有権者が誰に一票を投じるかはその方のお考えで決めるべきだと思っています。でも、私は自分の心の浄化のためにこの最後の時間をここで過ごしたかったのかもしれないと、今になって思った、選挙最終日のできごとでした。

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