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教職員組合・労働組合に入らない理由を考える

いや9月末で教職員組合での仕事を去ったんですが、
人間いきなりは変わらないもので(笑)、
引き続き教職員組合・労働組合の話題です。

労働組合は従業員の集まりで、会社・経営陣と待遇や働き方を交渉したり、現場の声を届けたりします。従業員どうしのイベントもします。
教職員組合は、その労働組合の学校の先生・職員版ですね。

で、教職員組合は、公立学校の場合任意加入です。加入するもしないも自由。
労働組合も、役所(公務員)だと加入は自由。病院でも自由な所が多いんじゃないかな。

そうすると、教職員組合・労働組合入らない人もいるんですよ。
入らない理由は何か。
また、先輩や上の人も教職員組合・労働組合に入っていなくて、その人の勧めで自分も入らないというのも聞きます。
その先輩や上の人は、なぜ、これまで教職員組合・労働組合に入らないでやってきたのか。

思い当たる理由は色々あります。そして、それに思うこともあります。

一つは、入っても入らなくても変わらないから。いやむしろ、入らない方が得だから。
教職員組合や役所の労働組合の場合、組合に入っていなくても、組合が当局との交渉で獲得した給与アップやボーナスアップ、拡大した権利は受け取れます。
じゃあ、組合に入らないで、組合費の負担なく、役員もしなくて良くて、組合の成果だけ受け取れる方が得だから。
この考えは一見正しいんですが、「短期的に」だけ正しいです。
長期的には、この考えで組合に入る人が減ると、組合の交渉力は組合員の数、加入率によって支えられているので、当局と交渉しても大して成果が出なくなります。現場の働く人の声は届きにくくなります。
ただで権利を受け取ろうとしていたら、そもそもその権利がなくなっていた、なんてことになりますよ。現場で困ったことがあって改善してもらおうと思っても、一部の人の声と見られて対応してもらえないかもしれませんよ。
実際、加入率が低い組合の場合、交渉の成果があまり出ていないことがあります。また、教職員組合の場合、加入率が低い県と高い県を比べると、高い県の方が取り組みが進んでいる、という話も聞きます。
「短期的には」組合は入らない方が良いかもしれませんが、「長期的には」組合に入らないことは、自分たちの地位を下げることになります。

次は、「特に困っていないから」。
労働組合・教職員組合って相談先の役割もあって(実際、労働組合の集まりの連合は労働相談を行っています)、パワハラとか残業代未払いとかあったら相談も出来るんですね。
でも、自分は今困っていることはない、だから教職員組合・労働組合に用はない、そんな考えもあるかと思います。
困っていることがないこと自体は良いことと思います。
ただ、その「困っていることがない」状態なのはなぜか。
それは、労働組合が日々現場の働き方をチェックし、従業員の声を当局に届け、当局もそれを尊重して、働きやすい職場が労働組合・当局の協働でできているから、かもしれません。
労働組合に入る人が減ってくると、労働組合は弱くなり、現場の働き方を把握しきれない、従業員の声を当局に届けても尊重してもらえない。
そうなると、やがて「困ったことばかり」の職場になるかもしれません。

次は、入ると面倒だから、負担になるから。
組合に入ると組合費と言って会費みたいなものがかかります。役員も回ってきます。動員と言って行事への参加要請もあります。
これは、教職員組合を去った今、難しいテーマかと思っています。
たしかに、組合費を払うのは、自分もお金がない人間なので、痛いのはわかります。
人付き合いがそんなにうまい方では自分は無いので、役員も気が進みません。
ただ、組合費については、組合がある限り、どうしても人員・事務所と必要になります。今、ぎりぎりの状態でやっています。組合が存続するには、やむを得ない額かな、とも思っています。ただ、組合も支出については不断の見直し・検証がいるかとも思っています。
役員をするのが難しいのもわかります。これも、役員の負担軽減など、組合の方が変わるべきところもあるかと思います。ただ、自分は昔組合関係の役員をやった時、もう何年か前ですが今でも良い思い出です。だから、もし時間や家族が許してくれるのであれば、前向きにとらえてみるのもありかなー、くらいに思います。

そして難しいのが、「考えが合わないから」。
一つは大きな意味で、「自分は転職してもっと良い給与や働き方を目指す。労働組合・教職員組合で今の職場を良くするとか興味あんまない」という、集団的労使関係自体に否定的な考え方。
もう一つは、まぁ労働組合や教職員組合って右か左かでいうと左な傾向なんですが、それが合わないという考え方。自分の親友もこのタイプだなー(笑)
それぞれ、難しい問題と思います。
ただ前者については、転職を繰り返す社会人生活を送るとしても、労働組合・教職員組合で見聞を広げたり(色んな情報が組合の新聞で得られます。労働法についても詳しくなるかも)、コミュニケーション能力を高めたり(色んな人と否応なしに話します)はプラスになるんじゃないかな、というのが、まぁ素人考えですが感想です。
後者は悩みますね。でも、大げさな話、人と人とで100%考えが合うってないじゃないですか。他人同士だから。だから、考えの違うところがあっても、それでも良い所も労働組合や教職員組合にあるかなって思うんだったら、加入するのもありじゃないですかね。

長々となってしまいました。
まぁ、入るも入らないも自由の教職員組合や一部の労働組合、最後は個々人の判断です。
ただ、色々ある入らない理由については、今日書いたみたいなことを思うのも、また思いとしてあります。



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