珠洲市「みんなのこども部屋」開始
今朝、珠洲市にたどり着きました。この記事を書いている今も余震が続いていますが、能登半島の中でも先端に位置するこの場所は、今日は晴天。空も空気もきれいで、海も輝く、素敵なところです。
しかし、天気の輝きとは裏腹に、数日前に地震が奪っていった町並みは、静かに悲しみの表情を見せているように私には見えました。
1月4日(木)15:00の時点で、石川県では33,530人が避難していますが、特に人的被害の大きい地域のひとつが珠洲市。同時点で死者・行方不明者・重傷者は169名にものぼり、700名以上が孤立状態にあるとされています。また、多数の家屋が倒壊していますが、いまだその数はわかっていません。
これまでの被災地支援で見えてきたことは、被災した子どもたちが普段と違う生活の中で、さまざまなストレスを抱えるということのみならず、保護者が小さな子どものケアをしながら、自宅の再建や就業の再開について考え、先のことを考えることはとても難しいということ。
生活環境の復旧に時間を要するなかで、つらい思いをする子どもたちや家族の負担を少しでも減らせるよう、今回もが現地で行える支援として「子どもの居場所」の開設に至りました。
現在、800名の方が過ごす一つの避難所の管理者の方に、こどもの居場所の必要性をお伝えすると、まさに気になっていたとのこと。私たちに、この避難所で居場所の開設を許可していただきました。
そして、今回珠洲市で取り組みをはじめるにあたり、カタリバのユースセンター起業塾でご支援させていただいている珠洲市の団体「NPO法人ガクソー(以下ガクソー)」さんに連絡をしてみたら、なんと奇跡的に、この避難所にメンバーが生活なさっていました。偶然が重なり、「一緒にやりましょう」と即刻連携が決定しました。
避難所に備品を運び込んでいると・・目が合った女子高生が2名いました。
私「何してるの?」
女子高生「なんか、できることないかなとおもって・・」(目を合わせず)私「かくかくしかじかで、こういう場をつくりたいとおもってるんだけど、ひとまず時間あるなら準備手伝ってくれない?」
女子高生「・・はい、大丈夫です」
私「ありがたい!今日はまずは荷物を4階まで運ばないといけないし、ガラスの破片がある中、今日は掃除をしないといけないの」
女子高生「暇そうな友達呼んできますか?」
私「ありがたい!」
ということで、ガクソーさんに続き、頼もしい高校生メンバーが仲間入り!
みんなで掃除がスタートしました。
ちらっと見に来たお母さんが「SNSで性被害の注意喚起もあるし、まだ避難所の中に危ない場所もあるから、子どもだけで遊ばせておくことも出来ないので、本当に助かります」とおっしゃっていました。
余談ですが、今日支給された夕ご飯は、菓子パン3つでした。
今晩の夕飯から昼ご飯までこの3つで乗り切ります。食べ盛りの高校生にはおなかがすいてしまいそう・・しかし、「2日前までは、パンひとつを2人で分けて食べてた」らしいです。
「はじめて便秘になったよ・・」という男子の声もありました。
もうひと踏ん張り、頑張り生活が続きそうです。
さて、明日からは、高校生スタッフとともに、こどもの預かりをはじめます。どうなることやら。またご報告します。
■居場所概要
場 所:石川県珠洲市内の避難所(今後場所を移動する可能性があります)
対 象:ここに避難している0歳~中学生 ※3歳以下は保護者同伴の場合のみ利用可
内 容:子どもの預かり・居場所・遊び支援
期 間:2024年1月5日(金)~終了時期未定
開催時間:毎日・9時半~16時(予定・変更の可能性あり)
※現地の状況により、内容が変更になる可能性があります。
■認定NPO法人カタリバの、能登半島地震に応援をいただける方はこちらからご寄付をおねがいします。
https://donation.yahoo.co.jp/detail/4516009
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