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コロナ禍の収入減少を補完する制度利用について

【私の原点】
私が国家資格キャリアコンサルタントの資格を取得する前、とある事務系派遣会社で、派遣スタッフの皆さんのお仕事や人間関係のご相談に応じていました。
そこでの経験が、私の相談業務の原点です。多くの方のお話をうかがうことで、私自身も励まされ、背中を押され、前に進む力をもらうことができる、そんな経験を積ませていただきました。

そんな派遣スタッフの皆さんは、ひとりで派遣先に出向き、仕事しているケースが大多数です。
派遣先に配属されると、そこに短期間のうちに新たな人間関係を作り、仕事を覚え、即戦力として働いています。
そんな頑張っている皆さんですが、派遣先の社員ではないので、職場で本心を話すことには抵抗を感じる方が多いものです。

私達相談員は、その微妙な立場を汲み取り、困っていることや今後の仕事、愚痴など、どんなお話しでも聴き、アドバイスをしていました。
お会いする皆さんは、本当にコミュニケーション能力が高く、いつも私を笑顔で迎えてくださり、お話をしてくださいます。
どれだけそのことで、癒されたかわかりません。


苦境に立たされているみなさんへ】
9月のある日、コロナ禍での非正規雇用の失業者増加がニュースになっていました。
事実、10月2日付の日本経済新聞には、完全失業率についてこんな記事があります。
2020年8月の完全失業率(季節調整値)は3.0%となり、前月比0.1ポイント上昇しています。3%台は3年3カ月ぶり。完全失業者は200万人を超え、勤め先都合の離職が増えています。またパート、契約社員ら非正規雇用が減少しています。また、有効求人倍率も1.04倍と前月から0.04ポイント低下しており、6年7カ月ぶりの低水準となりました。

2020.08完全失業率グラフ

2020年10月2日付・日本経済新聞より抜粋


このコロナで、派遣スタッフの皆さんのことが気になった私は、9月下旬に、元同僚に現状を聴きました。
やはり、人によっては更新されずにお仕事のご紹介のない、そんな厳しい状況に立たされている方が多くいると聞きました。

そんなみなさんに、何か一つでもご提供できる情報をと思い、調べた中に
『新型コロナウイルス感染症の影響による減収を事由とする国民年金保険料免除について』
という、国民年金保険料免除に関する臨時特例を見つけましたので、そのことについて書きたいと思います。

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【新型コロナウイルス感染症の影響による減収を事由とする国民年金保険料免除について】

この制度は、令和2年5月1日から、新型コロナウイルス感染症の影響により国民年金保険料の納付が困難となった場合の臨時特例免除申請の受付手続きが開始されています。
1.対象となる方
臨時特例による国民年金保険料の免除・猶予及び学生納付特例申請は、以下の2点をいずれも満たした方が対象になります。
(1)令和2年2月以降に、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少したこと
(2)令和2年2月以降の所得等の状況から見て、当年中の所得の見込みが、現行の国民年金保険料の免除等に該当する水準になることが見込まれること
 
なお、納付猶予の承認を受けた期間がある場合は、保険料を全額免除した場合と比べて年金額が低額になります。詳しくは、「保険料免除・納付猶予制度とは」をご覧ください。
また、免除等の承認から10年以内であれば、後から追納して年金額を増やすことが可能です。詳しくは「国民年金保険料の追納制度」をご覧ください。
2.対象期間
令和2年2月分以降の国民年金保険料が対象となります。
<免除猶予>
令和元年度分(令和2年2月~令和2年6月)
令和2年度分(令和2年7月~令和3年6月)
<学生納付特例>
令和元年度分(令和2年2月~令和2年3月)
令和2年度分(令和2年4月~令和3年3月)

さらに詳しくは
日本年金機構の該当ページをご覧ください。

【使える制度は使ってほしい】
収入が途絶えるということは、想像を絶する不安感に襲われることです。
このコロナ禍で、国も、さまざまな制度を打ち出しています。
切羽詰まった状態だからこそ、使えるものは使ってほしいのです。
『コロナ・給付金』など、検索すると、見やすいサイトが多々出てきます。
是非活用して、乗り切ってほしいと思っています。


【仕事を探している方に実践してほしいこと】
今、まさに苦境に立たされ、1日でも早く仕事に就くために、ネットで求人を探したり、ハローワークに出向いている方は大勢います。
そんな皆さんに、キャリアコンサルタントとして、自分がどんな言葉をかけるだろうか?と考えていました。
少しでも早く仕事に就いてほしいからこそ、実践してほしいこととして、
職務経歴書を書く際に、自分が今まで従事した仕事の棚卸しをしてほしいと
思っています。


【棚卸しって何?】
棚卸しって転職の際よく聞く言葉ですよね。
でも、具体的に何をしたらよいの?と思われる方が多いのも実情です。

さらに、すぐに次の仕事を見つけたい、そんな時間のない中で、それをする意味が見いだせないと感じられる方もいるでしょう。
でも、そんな時間がない時だからこそ、すぐできる棚卸しを実践し、大変な仕事の中に、少しのやりがいを見出してほしいと考えています。

それでは、以下の4つのステップで棚卸しをしてください。
① 過去の職場で働くことになったきっかけ
② 実際の仕事内容
③ 仕事を覚えていく過程で、どんな点に苦労したか?
 どんな点は楽にできたか?
④ 仕事をしていく上で自分が大切にしている想い

本当はもっと深めることもできますが、最低限、
やってきた事実+その時に感じた感情を思い出す、もしくは
紙に書きだすことをお勧めしています。


コスモスと空

【生きてほしいから】
最近、自らの命を絶ってしまう、そんな悲しい出来事が多いですね。
不安定な仕事、お金の問題、なんとも言えない閉塞感にさいなまれ、自らを世の中に必要のない人間、そんな風に思ってしまうのではないかと感じています。

でも、私はみなさんに生きてほしい自らの寿命を自ら決めることはしないでほしいと強く、強く思います。

もし、もう気持ち的にギリギリだ、何かに吸い寄せられてしまいそうだと感じたら、『いのちの電話』に連絡をしてください。

思いを話す、そのことで人は癒され我に返ります。

格好つけたり、論理的に話さなくていいんです。
頭に浮かぶまま、ぽつりぽつりとでもいいから話しをしてください。
まず、生きてほしいのです。これは私からの切なる願いです。


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