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企業分析『ヒューリック』2023.1

皆さん、
おはこんばんにちは!
kumazoです!

今回も、
不動産・建設業界の企業分析をしていきたいと思います。

不動産業界・建築業界に所属するものとして、
企業分析をすることで、
企業の良いところを自分自身に取り入れていきたいと思います。

いくつかの企業の数字を分析して比べていくことで、
企業の特色がわかるのではないかと思います。

参考資料としては、
決算短信、決算説明資料、EDINET、株探、IRBANK、マネックス証券を用いて、
数字の分析をしていきます。

今回はヒューリックについて分析していきますので、
よろしくお願いいたします。

本編に入る前に、少しだけ自己紹介をさせてください。

Kumazoは一級建築士で不動産・建築業界で15年以上従事し、
マンション・ホテル・戸建て住宅などを設計してきました。
個人的にも不動産投資を行っており、
建築専門の立場から不動産コンサル等を行っております。
現在では、不動産投資用のマンションを設計する立場で、
不動産関係のいろんな方々と仕事をしていることもあり、
内情には明るい立場におります。

不動産投資を正しく理解し、
大失敗をする人やだまされる人が減ればと思い発信をしております。

Kumazoは建築オタクなので、
建築を通して人が幸せにすることができたらうれしいです。

自分で「不動産投資の基本のき」というブログも書いておりますので、
こちらもどうぞ。

※企業分析をしたい方にお勧めの本はこちら

では、本編に参りましょう。

1.企業概要


「ヒューリックの企業概要」について解説していきます。

まずは概要をまとめました。

社名 ヒューリック株式会社
コード 3003
株価  1018円(2023年01月10日時点)
時価総額 7,817億円
配当利回り 4.13%
PER 9.9倍
PBR 1.18倍
業種 不動産業

となっております。

設立 1957年3月 
資本金 1,116億9百万円(2021年12月末現在)
従業員数  189名(単体:2021年12月末現在)
沿革
1957年 不動産業務(富士銀行(現みずほ銀行)の店舗管理業務)、
保険代理店業務等を目的として、
    資本金3千万円にて日本橋興業(株)の商号で設立
1960年 阪都不動産管理(株)(現ヒューリックビルマネジメント(株))設立(現連結子会社)
2000年 小舟町Fビル(現ヒューリック小舟町ビル)等15ビルを保有する
(株)フォワードビルディングを合併
2001年 かけ橋企画(株)(現ヒューリックビルド(株))設立(現連結子会社)
2007年 商号をヒューリック(株)に変更
2008年 東京証券取引所市場第一部に株式を上場(資本金38億7千9百万円)
2010年 ヒューリック保険サービス(株)設立(現連結子会社)
    保険代理店事業をヒューリック保険サービス(株)に会社分割
    千秋商事(株)及び芙蓉総合開発(株)と合併
2011年 ヒューリックホテルマネジメント(株)設立(現連結子会社)
    千秋オフィスサービス(株)(現ヒューリックオフィスサービス(株))を子会社化
2012年 連結子会社であるヒューリック福岡(株)及びエヌケー・インベストメント合同会社を合併
    昭栄(株)と合併(資本金82億7百万円)
2013年 ヒューリックリートマネジメント(株)設立(現連結子会社)
2014年 ヒューリックプロサーブ(株)設立(現連結子会社)
2016年 ヒューリックプライベートリートマネジメント(株)設立(現連結子会社)
2017年 ヒューリックプロパティソリューション(株)設立(現連結子会社)
2018年 ヒューリックふふ(株)を子会社化(現連結子会社)
    (株)モス(ホテル日航金沢運営会社)を子会社化(現連結子会社)
ポルテ金沢(ホテル日航金沢が入居)の取得(現連結子会社)
2019年 日本ビューホテル(株)を子会社化(現連結子会社)
2022年 東証プライム市場へ移行

※企業HPより抜粋

設立当初よりみずほ銀行とのつながりがあったので、
主要銀行にはみずほ銀行が名を連ねてますし、
2010年には芙蓉総合開発と合併したこともあり、
大株主には芙蓉総合リースが名を連ねております。


事業内容は「不動産賃貸業」、「ホテル・旅館業」などをおこなっております。

2.バランスシート

「ヒューリック のバランスシート」について解説していきます。
(マネックス証券より)


マネックス証券より

バランスシートの大きさは2兆2073億円となり、
これがヒューリックが資産の大きさとなります。

2020年と比較して、
2021年は1880億円程度増えております。

右側の折れ線グラフをみると、
固定資産、流動資産、現金がきれいな右肩上がりとなっております。

不動産賃貸業がメインのため
固定資産はと固定負債は大きくなりますが、
物件を回転させることで現金を増やしております。

不動産業なので
物件を増やせば増やすほどBSが大きくなっていきます。

3.売上・営業利益など


「ヒューリックの売上げ」について解説していきます。
(画像の図はトレーディングビューより)


1.総売上高 4470億円

2.営業利益 1145億円

3.営業利益率 25.61%

4.売上原価率 65%

上記のようになっております。

売上げについては2011年までは横ばいで、
それ以降右肩上がりとなっております。

営業利益も2011年以降きれいな右肩上がりとなっており、
減益も横ばいもなく毎年更新をしている状況です。

利益率については凸凹があるものの、
2011年以降は20%台中盤で推移しております。

原価率は60%台中盤で推移しております。
3.11の前までは原価率が下がってきておりましたが、
震災特需で原価率が急に上がり2014年には78%まで上昇しております。

4.セグメント別業績

「ヒューリックのセグメント」について解説していきます。

ヒューリックのセグメントとしては、
不動産業、ホテル・旅館業、保険業、その他となっております。

売上げのほとんどが不動産業となっており、
2020年からスタートしたホテル・旅館業はコロナ禍だったということもあり、
マイナスとなっております。
保険業については全体としては微々たるものですが、
設立当初からありますし利益率が20%を超えいていくので、
細々と続けていくものと思われます。

売上げのほとんどが不動産業とのことですが、
不動産の中で建物の種類を変えることで、
幅を広げております。

有名なのは
一等地にあるオフィスビルですが、
その他に物流倉庫、商業ビル、高齢者施設、こどもでぱーと、
再エネ発電施設、地方中核都市でのオフィスビルなど
幅を広げております。

直近5年では、不動産の利益額はきれいな右肩上がりとなっており、
利益額をKPIにしているとみて取れます。

5.指標

「ヒューリックの指標」について解説していきます。
(画像の図はトレーディングビューより)


ROA : 3.29%

ROE : 12.37%

PER : 9.9倍

PBR : 1.18倍

リーマンショックの時に一度大きな下落が起きました。

金融ショックの時には不動産関係は
暴落すると考えて間違いないかと思います。
(長期投資では逆に買い場になる)

その後、3.11ではそれほど影響を受けていなく、
徐々に数字が安定しております。

アベノミクスにより、
政治と金融の安定があったからだと思います。

ROEはそれほど12.37%と一般的には高くありませんが、
不動産セクターの中では高い方です。

PER・PBRともにリーマンショック以降の乱高下から、
現在は安定しており直近10年の中で下限水準まで下がってきている状況です。

6.EPS

「ヒューリックのEPS」について解説していきます。
(画像の図はトレーディングビューより)


3.11以降、
EPSと純利益はともにきれいな右肩上がりとなっております。

資産回転率に至ってもリーマンショック以前より
改善されており、
それが利益の安定的な上昇になっていると思われます。

また、EPSと純利益ともに
きれいな右肩上がりになっていることから、
売上げより利益をKPIとしていると考えられます。

利益が積みあがっていくことで
次の物件へ投資に回すことができます。

現在、
金利上昇局面、建築費高騰などがありますが、
そのなかで高い利益率を確保できるかを
注視していきたいと思います。

7.配当

「ヒューリックの配当」について解説していきます。
(画像の図はトレーディングビューより)


2022年も増配予想がでており
2012年から10年連続増配となります。

リーマンショック、3.11を乗り越え
安定的に配当を増やしております。

2015年以降レンジで
850円~1400円の間で推移しております。

配当利回りは3.5%程度。
2023年1月18日現在、
株価が割安推移におりますので4.11%となっております。

配当性向
2021年度は38%となっており、
「40%程度」を目標としているので目標通りとなっております。

また300株以上保有で3000相当のカタログギフトの優待があります。

2022年度は10年連続増配という区切りが良い年ですが、
来年度は増配を続けていくのかが気になるポイントです。

8.事業の特徴

「ヒューリックの事業の特徴」について解説していきます。
(画像の図は決算説明資料より)

一部決算資料より

ヒューリックの事業の内容は
不動産事業、保険業、ホテル業がメインとなりますが、
売上げのほとんどが不動産業になります。

不動産業の中には
オフィスビル、物流倉庫、高齢者施設、
再生可能エネルギー発電所、商業ビル(こどもでぱーと)があります。

もともとオフィスビルがメインで、
その他の施設については、
最近、時代の流れの中で参入してきた新しい事業となります。

ヒューリックと言えば、
都心一等地のオフィスビルというイメージが強く
実際に東京都でも中央区に集中して物件を保有しております。

この東京都23区内でも中央区に特化したオフィスビルは
空室率が他より低く賃料も高めに設定することが可能です

一等地の土地はそうそう売り出されるものではないので、
他社がなかなか参入しずらいビジネスとなっております。

9.まとめ

ファンダメタルズ的には金利が上昇傾向になるので、
不動産業界についてはマイナスの影響がでてきます。

しかし、
金利が上がるということは
インフレになるので家賃の上昇や不動産価格の上昇などの
プラスの影響も考えられます。

企業として安定的な売り上げを上げていますし、
安心感があります。

しかし、
低金利時代の終わりを迎え新しい時代が
もし来るのであれば多少なりとも方向転換は必要になるかと思います。

また、
旅館業についてはインバウンドが戻ってきたら
売り上げも相当上がると考えられるので、
そちらにも期待したいと思います。

引き続き
高配当株×不動産関係会社の分析していきますので、
参考程度に読んでいただければ幸いです。

少しでも良いと思ってくれたら、
いいねとフォローをよろしくお願いいたします。

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