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企業分析『五洋建設』

皆さん、
おはこんばんにちは!
kumazoです!

今回も、
不動産・建設業界の企業分析をしていきたいと思います。

不動産業界・建築業界に所属するものとして、
企業分析をすることで、
企業の良いところを自分自身に取り入れていきたいと思います。

いくつかの企業の数字を分析して比べていくことで、
企業の特色がわかるのではないかと思います。

参考資料としては、
決算短信、決算説明資料、EDINET、株探、IRBANKを用いて、
数字の分析をしていきます。

今回は、五洋建設について分析していきますので、
よろしくお願いいたします。

本編に入る前に、少しだけ自己紹介をさせてください。

Kumazoは一級建築士で不動産・建築業界で15年以上従事し、
マンション・ホテル・戸建て住宅などを設計してきました。
個人的にも不動産投資を行っており、
建築専門の立場から不動産コンサル等を行っております。
現在では、不動産投資用のマンションを設計する立場で、
不動産関係のいろんな方々と仕事をしていることもあり、
内情には明るい立場におります。

不動産投資を正しく理解し、
大失敗をする人やだまされる人が減ればと思い発信をしております。

Kumazoは建築オタクなので、
建築を通して人が幸せにすることができたらうれしいです。

自分で「不動産投資の基本のき」というブログも書いておりますので、
こちらもどうぞ。

※ 最近読んだ話題の本

では、本編に参りましょう。

1.企業概要

「五洋建設の企業概要」について解説していきます。

日本の大手ゼネコンで、
海洋土木ではトップクラスの売り上げ規模を誇っている会社です。
実は昔、転職先候補の一つとして面接を受けたこともあります。
名前を知っていたので詳しく探ろうと思います。

事業内容としては、
海洋開発業、建設工事、環境整備・公害防止業、鋼橋および鋼構造物製作・架設業など
を事業としております。

創業 1896年4月
資本金 304億円
従業員数 3842名(2022年3月)(連結)

1896年 水野組創設 海軍工事を中心に各地で港湾土木工事を手掛けた
1937年 浚渫船を建造し、埋め立て浚渫分野で強み
1967年 五洋建設株式会社と社名変更
1975年 スエズ絵運河増深拡幅工事
2005年 東京国際空港受注
2017年 バングラデッシュ、マタバリ火力発電港湾受注

120年以上歴史のある臨海部に特化したゼネコン。

配当利回りが3.91%(2022/11/14時点)となっており、
大株主は信託銀行が名を連ねております。
ノルウェー政府が2.24%で食い込んでいるのが面白いですね。

2.バランスシート

「五洋建設のバランスシート」について解説していきます。
(2021年4月~22年3月 有価証券報告書より作成しております。)


1.バランスシートの大きさは4673億円となり、
 これが五洋建設の資産の大きさとなります。
時価総額は1745億円(2022/11/01時点)

2.流動資産の内訳としては、
 約448億円の現金と2639億円分の受け取り手形となっており、
 受取手形が大きく膨れ上がっております。
 工事期間が長いため、お金を受け取れるまでの期間が長くなります。

3.自己資本比率は30%を超えております。
 しかし、他の建設業に比べて比較的自己資本比率が低くなっております。
 
一応、
流動資産で流動負債と固定負債をカバーできるほどの金額はありますので、
問題はないでしょう。

3.損益計算書

「五洋建設の損益計算書PL」について解説していきます。

まず、画像の図は、
(2021年4月~22年3月 有価証券報告書・IRBANKより作成しております。)


1.営業収益(売上高)は4582億円

2.売上原価は4209億で原価率は91.85%

3.営業利益は159億円で営業利益率は3.4%

4.営業CFは-76億円でFCFは-195億円

上記のようになっております。

売上の総額が4582億円です。
国内土木1742億円、国内建築1534億円、海外1204億円となっております。
2021年度期は官庁仕事や海外のODAが減少しているとのことで、
売上が下がったとのこと。

売上原価は4209億円で、
原価率は91.85%です。
かなり悪い数字です。

営業利益率は3.4%となっております。
他社比較でもかなり低い数値となっております。

営業CFもFCFともにマイナスとなっております。

2021年度期はかなり厳しい数字となっております。

2022年度はV字回復を予想しております。

4.株価と指標

五洋建設の株価と指標」について解説していきます。


有価証券報告書と株探のサイトから数値を引用しております。

株価は、
上場以降株価は上昇し、
バブル期の1989年には3540円を付けます。
その後のバブル崩壊で2002年には72円まで下落。
2006年には632円まで盛り返すも、
リーマンショックで83円まで下落
2021年1月にはコロナバブルで948円を付けるが
横ばいで推移しております。
2022年11月17日は622円となっております。

PER 12.5倍。
日経平均のPER(荷重)だと13倍程度なので、
日経平均と同じぐらい。

PBR 1.11倍。

配当利回りは3.82%で、
ギリギリ高配当となっております。

総資産回転率は1.02となっております。

最後に、
売上高のグラフを掲載しております。

全体的な流れてとしては、
バブルからの落ち込みで、
20年かけてやっと最高値更新。
コロナショックからの立ち上がりがどのぐらいでできるのかに
注目が集まりますね

海外のODAや国内の国土強靭化計画による
官庁系の仕事が今後増えていけば、、、という感じですね。

5.補足

「五洋建設の分析補足」について解説していきます。
※内容はIRBANKを引用しております。


今回、
高配当株ということで、
配当金について、
データをまとめてみました。

1.配当金推移について
10年以上未減配、
7年の連続増配を続けておりましたが、
直近で減配しております。
※記念配当による。

2.配当利回り推移について
1%前後で推移しておりましたが、
直近では3%~4%で推移しております。

3.配当性向推移について
配当性向は20%台で推移しておりましたが、
2021年は38.1%まで上昇しております。

4.EPSの推移について
波をうちながら右肩上がりとなっております。

決算発表資料によると
配当性向は30%以上としております。
貯金では記念増配からの減配となっておりますが、
一時的なものと予想しております。

6.まとめ

EPSや売上が直近で減少してきております。
公共事業や海外ODAがメインの取引さきなので、
コロナショックにより受注が落ち込んでおります。

コロナショックで受注がピタッと止まってしまうと、
次のプロジェクトを受注するまでに時間がかかってしまいます。
売上の回復までどのぐらいかかるかが注視が必要です。

建設業のような業態はリベンジ消費のように
回復しても沢山受注できるわけではありません。

年間の受注量のアッパーもきまっていますし、
公共事業やODAの予算についても年間のアッパーが
いきなり2倍になることはありません。

なので徐々にしか回復できないと予想されます。

ただ、
最近では気候変動による天災が多いので、
海洋土木関係はまだまだ需要はあると思います。

海洋土木、海洋建築技術は、
超長期的には必ず必要な技術ですので、
残さなければならない企業の一つだと思います。

配当性向は30%以上、総還元性向はトータル40%を目標としており、
22年度は普通配当で24円としているので、
そのままキープはできそうです。
※20年度は記念配当により28円。

配当利回りは株価634円で3.79%ですが、
株価が600円で配当利回り4%となります。
直近で11月14日に607円まで下がったところからリバウンドしているので、
もう一度下がったところがねらい目になりそうですね。

引き続き
高配当株×不動産関係会社の分析していきますので、
参考程度に読んでいただければ幸いです。

少しでも良いと思ってくれたら、
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