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ビッグ・ブラザーはやっぱり見ているんだなと思ったお話し

中国で日本人のKさんとお話ししていたら「最近、PCR検査を受けたんですよ」と言われました。

わたしたちの住む場所でコロナ発症のニュースも聞いてませんし、PCR検査を受けるように求められたという噂すら聞いてなかったので、どうして検査を受けることになったのか不思議でした。

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Kさんが、PCR検査を受けることになったのは3週間ほど前に行った日本料理屋さんに濃厚接触者がいたからです。

ある日、電話がかかってきてPCR検査をを受けるようにと。そしてその日に一緒に食事をしていた友人の連絡先を転送するようにと指示されて驚いたと話していました。

もしKさんが感染していたら、わたしも濃厚接触者となるわけで・・・これは人ごとではないなと、ちょっと心配になりました。

そしてそれ以上に考えさせられたのは3週間前に日本料理店で食事していた人を追跡できる政府の能力です。

どうして3週間前のその日にKさんが日本料理屋さんにいたことを突き止められたのか?また同行していた人のことをなぜ知っていたのか?どうして同行者の電話番号などはわからなかったのか?と疑問ばかりです。

この話を一緒にランチした Iさんと話しました。IさんはKさんの話を聞いた後、Iさんの友人の話をしてくれました。

その人は「けしからんマッサージ」に行ってしばらくした後、Wechat に「あなたが先日行ったマッサージはけしからん類いのモノで、ここでは犯罪なので、行かないように」(意訳)とメッセージを受けとったとのことです。

Iさんと二人、こういったことは都市伝説ではなくて、実際に起こりえることだよね。ビッグ・ブラザーはやっぱり見ているよねと笑いましたが、ちょっと恐ろしくも思いました。

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さてこの手のお話は時々議論にもなりますし、ネットだけではなくテレビや書籍でも取り扱われています。

以前に見たBBCのドキュメンタリーでは、システムを使って市内にいる外国人を瞬く間に見つける警察の実力を説明していました。(上の動画とは別のモノです)

確かに私たちの住む街はカメラだらけです。しかしおかげで犯罪が激減しているという事実もありますし、わたしも監視に絶対に反対という立場ではありません。またわたしはここでは異邦人で地元のルールに従う義務もあります。

でも今回のKさんのお話しや、Iさんのお知り合いのお話を聞いて思うのは、知らないところで自分のことを知っている誰かがいるというのは、なんとも気持ちの悪いモノだなと思いました。

子どもが親の視線を感じて、公園でのびのびと安心して遊べるのは、親が自分のことを愛してくれていること、また何が起こっても、また自分が何かをしでかしてしまったとしても親が守ってくれると信じているからでしょう。

そういう管理は大歓迎ですが、何かあったときに罰してやろうという理由で見られているのであれば、窮屈に感じるだろうと思います。

恐らく世界のどこに住んでいても完全なプライバシーなどはありません。携帯にパソコン、ネットなしでの暮らしは不便です。便利と引き換えに別の自由を手放すのも仕方がないかなと思います。

ただ自分のスマホに「あなたは○○へ行きましたね」とメッセージが突然来るのは、やっぱり恐ろしいし気持ちの良くないものではないなって思ってしまいました。

今日は何を今更なお話しでした。

最後まで読んでくれてありがとう。また明日!

ぜひぜひ、サポートをお願いします。現在日本円での収入がなく、いただいたものは日本語教材や資料の購入にあてます。本当にありがとうございます。