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わたし日本語教師なんです

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日本語教師としての悩みや気づきについて書いたnoteのまとめです。
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#中国語

中国人翻訳者がポンコツなので、ChatGPTとDeepL、そして自分の中国語能力に頼ることにしたお話

日本語教材を作る仕事をしています。 そこで困るのが中国語翻訳です。わたしは中国語を読んで理解できますが、自然な中国語文章を書けるほどの中国語力はありません。それで中国人教師や学生のために中国語版の教材を作るのに翻訳者の助けが必要でした。 この翻訳者、プロに頼めれば良いのですが社内に中国人日本語教師が多数所属しているってこともあり、自社スタッフにお願いしています。そして、案の定トラブルばかり発生します。 まず、納期が守れない。そして面倒くさいところは適当に翻訳する。自分の

「大学を卒業しました」と「大学から卒業しました」のお話 - 言語転移と反応のこと

毎日のように採用担当者が録画した面接のビデオを確認しています。 就職希望者の自己紹介からはじまり、HRが指定した内容で模擬授業で終わります。だいたい30分から1時間くらいの内容です。 自己紹介の部分が終わったら、いつも早送りで内容を確認します。わたしの時給は安くありませんし、他にもたくさんの業務がありますので仕方がありません。 さて、採用試験に臨む中国人日本語教師たちのほとんどが言い間違えるフレーズがあります。それは「わたしは 2022年6月に 北京大学 から 卒業しま

「日本語が難しい」と「日本語は難しい」の違いを尋ねた中国人日本語教師とのやりとりで感じたこと

どうしてなのか良くわからないことをしっかり考えることはとっても大切です。 昨日の夜10時過ぎに中国人の日本語教師から次のような質問がありました。 ・わたしは 日本語が 難しいと 思います。 ・わたしは 日本語は 難しいと 思います。 どちらが正しいですか?という質問です。 答えは「どちらも正しいが、場合により使い分ける」です。 でも、そのまま答えてしまうと、この先生はありがとうございます!と言って努力しないだろうなと思ったので「日本が難しい」と「日本語は難しい」の違

継承語としての日本語教育をどうすればよいのかと悩む中国在住日本語教師のぼやき

最近、日本語を学ぶ人の傾向が変化しています。 以前は高校生や大学生がほとんどでした。学習者というか、学生のほとんどが日本への留学を目指していました。 しかし、最近では中国の大学受験のために日本語を学ぶ子どもとか、趣味で日本語を学ばせたい親が増えています。 そして、それに次ぐグループとして、日本にルーツを持つ児童に日本語を学ばせたい親が増えています。 例えば、親の片方が日本人で、もう片方が中国人の場合、家庭でも社会でも中国語が最初に選ばれる言語になります。しかし、親から

中国の日本語学習者は自動詞と他動詞が苦手な理由と対策

今日、授業の合間にTwitterを見ていたら面白そうな書き込みが。 確かに、そもそも動詞が違うのに活用の違いと思いんでしまうと誤用の原因になるなと考えていましたら・・・ 意見を求められていました。 こんな光栄なことはありませんので、8コマ授業した後の疲れ切った脳細胞にマグナムを注入しつつ、140文字では書ききれなかった自分の意見をまとめておきます。ちなみにマグナムとは世界中で売られているアイスクリームです。 結論から言うと「自動詞」「他動詞」は別の動詞だと気づくと楽に