見出し画像

わたしの血管迷走神経反射

絶賛、"血管迷走神経反射(けっかんめいそうしんけいはんしゃ)"が起きていて、休みながらこれを書いている。最近、コロナワクチン接種に伴い、以前より知られるようになったのではないかと思う。血管迷走神経反射とは何か?私の場合の反射がでる状況や、自分なりにどのような対策をしているのかをまとめる。私は医療関係者ではないので、この記事の内容には全く責任を持てません。読まれる場合は自己責任でお願いします。あと、汚い話もあるし、長いです。


血管迷走神経反射とは

そもそも血管迷走神経反射とは何か?一般社団法人日本救急医学会のサイト内で、以下のように説明されている。

ストレス,強い疼痛,排泄,腹部内臓疾患などによる刺激が迷走神経求心枝を介して,脳幹血管運動中枢を刺激し,心拍数の低下や血管拡張による血圧低下などをきたす生理的反応。脳幹血管運動中枢からの刺激は末梢各臓器の運動枝を介して,伝えられる。運動枝は骨盤内臓器を除く全臓器に分岐し,気管喉頭や消化管機能に影響を与える。本反射は生命維持のための防衛反応であるが,過剰反応をきたして身体異常を生ずることがある。排尿時の迷走神経反射により血圧低下をきたしたり(排尿時失神),迷走神経の過緊張により一過性の心停止をきたし失神することもある(迷走神経性発作vagal attack)。

一般社団法人  日本救急医学会

簡単に言うと、自分を守るための正常で必要な反応が、ちょっと過剰になってひどいと失神してしまうというもの。別に病気というわけでもなく、少し横になっていればすぐにケロッと元気になる。ただ、血管迷走神経反射かどうかは自分で判断せず、病院に相談したほうが良い。もしかすると、別の病気かもしれないので。

また、厚生労働省が、コロナワクチン接種の際の血管迷走神経反射(以下、この反射)について、以下で説明をしている。

私の血管迷走神経反射が起こるとき

さて、私のこの反射が起きてしまう状況や反射の内容、対策について。

1.注射

厚生労働省が説明してくれているように、私も注射後はこの反応が起こる。注射の痛みがこわくて、注射を打たれ終わるまでぎゅ〜〜と目を閉じて力んでしまう。注射後は、ふわふわ、ぼ〜とする。注射直後は上手く立てないことも。失神をしたことは無い。

注射をされるときは毎回、注射前に「注射は苦手です。」と看護師さんに伝えている。いつもこの一言だけで意味をわかってくれて、横に寝たまま注射をしてくれ、注射後もしばらくそのまま休ませてくれる。


2.排便(便秘)

いつからかわからないほど昔、おそらく小学生の頃には便秘症になっていた私。毎日給食が学校で出るし、夕飯も母が作ってくれていたので食事バランスが悪くて便秘になっていたわけでは無い気がする。家でも学校でも、便秘によるお腹の痛みが突然やってきて、ひどい時には3時間もトイレから動けないことも。トイレから出た後は青い顔をしていたそう(友達談)。

学校で腹痛がくると我慢していた。何時間もトイレから出ないなんてできないから。長いトイレをしている、と周りに思われるのも恥ずかしかった。授業中、気が飛びそう(気を失いそう)になりながら腹痛を我慢して、普通のフリができなくなりそうと思ったら教室を出てトイレに行った。生徒が長時間トイレから出られないほどの腹痛を起こしていたら、当然親に連絡がいき、早退した。母が仕事を抜け出して私を迎えに来てくれ、病院に連れて行ってくれた。何度もこうやって早退することがあり、いつも車内では「お前は本当にお金(病院代)がかかる」と言われていた。この経験から、人に体調不良を打ち明けられず我慢するようになった。

腹痛が起きると、トイレの中で神に祈らざるを得なかった。本当に、真面目に、必死で神に祈っていた。失神しそうになるのを、気合いやお腹を刺激しないように呼吸を繰り返すことで堪えた。お腹の痛みによって胃液が出るほど(胃液は黄色かった)嘔吐して、病院に行っておなかの上にジェルのようなものを塗られた。ジェルを塗るとお腹の中を見ることができ、たくさんアレが溜まっていた。下剤や整腸剤をもらい帰った。

中学生か高校生の時、病院で「過敏性腸症候群」と診断された。簡単に言えば、"継続的にお腹の調子が悪い状態が続いている"感じ。お薬をもらって治療をしようとしたが、当時は長いこと継続的にお薬を飲むことが面倒くさくて断念してしまった。

IBSの診断基準(ローマⅢ基準)
最近3ヵ月の間に、月に3日以上にわたってお腹の痛みや不快感が繰り返し起こり、
下記の2項目以上の特徴を示す
1)排便によって症状がやわらぐ
2)症状とともに排便の回数が変わる(増えたり減ったりする)
3)症状とともに便の形状(外観)が変わる(柔らかくなったり硬くなったりする)

日本消化器病学会サイト

大人になっていくにつれて昔よりは便秘にならないコツがわかり、神に祈る回数も減ったが、便秘症は続いた。乳製品をたくさん摂ってみたが効果はまったく感じなかった。野菜をちゃんと取っていると幾分便秘の頻度は減った。しかし、排便の数か少なくて、3日~1週間排便が無いことがざらだった。

大人になって数年経ったある日、腹痛について内科に行って相談してみたら、マグミットというお薬をもらった。いわゆる、酸化マグネシウムである。その頃の私は、市販の便秘薬やカロリミットなしでは生活ができなかった。マグミットと出会ってからは、排便をコントロールできるようになった。自分の匙加減で飲む量を調節できるし、ひっっじょうに安価。市販の便秘薬より安全。マグミットのおかげで、どこにいてもお腹のことを心配しなくて良くなった。便秘が起きないから血管迷走神経反射もマシになった。しかし、トイレ後は疲れるのでいつも休憩している。

便秘は予防できるようになったが、そのほかの腹痛には注意が必要。以前、O25(腸管出血性大腸炎)になったときは下痢が止まらなくなった。トイレから出た直後、気づいたら気を失っていた。気を失っていた時間はおそらくとても短いが、腹痛による失神が初めてだったので驚いた。もし頭を打っていたらと思うとかなり危ない。今後、便秘以外の腹痛になった場合は、失神するかもしれないことを念頭に置きたい。


3.他人に怒鳴られたとき

これはむしろ、大人になってから近しい人に怒鳴られた経験が始まりである。恐怖や緊張を感じ、フラフラして立っていられなくなる。気を失いそうにもなる。この体験から、怒鳴られるんじゃ無いか厳しい言い方をされるのではないかという恐怖心を感じただけで、血管迷走神経反射の予兆が出るようになった。この反応が出る前には、何らかのサイン的症状が出る。

対策としては、怒鳴る相手にいろいろな方法で怒鳴らないように伝えてみたり、怒鳴られないように気をつけて行動したりしている。これはある人物に対してだけ起こる。


4.気胸

以前、気胸になって入院したことがある。気胸とは、肺に穴が空いて空気が漏れ、肺がしぼむ状態。空気が体の中に溜まったままだと、その空気が邪魔で穴が閉じても肺が膨らみきれないので、体の中にチューブを入れて持続的に体外に空気を放出する。だいたいは邪魔な空気をどかていたら自然に肺の穴は塞がっていくが、塞がらない場合は塞ぐための手術をする。

このとき、体内のチューブの位置を調節するために、医者に手でチューブをグリグリ動かされることがあった。チューブを体内に入れるときは部分麻酔をしたが、位置の調節くらいなら麻酔がいらない程度の痛みらしかった。しかし、私は調節してもらってる間、医者が驚くほど過剰に痛がった。失神しているのかいないのかわからない、意識があるのか無いのかわからない状態になっていた。

病院に来てチューブを入れてもらう前は、肺の片方が半分の大きさになっていても、痛いなと思いつつ仕事をしたり車を運転したりしていた。おそらく、チューブを入れたときの痛みと恐怖で血管迷走神経反射が起きやすくなったのだと推測する。対策として「これは実際の痛みじゃない」と繰り返し自分に言い聞かせていたが効果はよくわからかった。


5.立っているとき

立っている時にこの反応が出るようになったのは中学生の頃から。合唱練習をしていて長く立っていたとき、ちょっと気持ち悪いなと感じていたが我慢していると、視界に丸い点々が現れて増えていった。すぐに白い点々だらけで視界が真っ白になり、立っていられなくなって座り込んだ。心臓がバクバクしていて、かなり苦しかった。

学生のとき、吹奏楽部に所属していた。合奏中、パートや楽器ごとに教師が指導をしているとき、自分が弾かなくていい場合は手を挙げて、「気分が悪いので座ってもいいですか?」と許可を取ってから座っていた。何故か自分が演奏しない時も合奏中は立っていなければいけないという風習があった。私が何度も座る許可を求めるものだから、そのうち許可なしで好きなときに座っても良くなった。何故許可が必要だったのだろうか。

電車に乗っているときは、座る席が空いていなくて立っていると、気分が悪くなってくる。我慢していると立てなくなって、その場にしゃがみこんだこともある。そのときは驚くことに誰にも何の声もかけられなかったので、途中下車して駅のホームの椅子に座り落ち着くのを待った。あるときは、電車に乗っている間に車内にしゃがみ込みたくなくて我慢し、目的の駅に着くとそのホームにしゃがんでうずくまったことがあった。今回は2名の方が声をかけてくれ、駅員を呼んでくれて、栄養ドリンクまで買ってくれた。あのときのお二人と駅員さん、本当にありがとうございました。駅に医務室的な場所があることを初めて知った。

飲食店でアルバイトをしていたとき、レジが混んでいて長く立ち続けていると気持ち悪くなり、気分が悪いことを先輩に伝えて早めにお昼休憩をとれることになった。ヨロヨロとお客さんに迷惑をかけなさそうな通路に行き、そこに座り込んで気づいたら失神していた。立っていて失神したのは初めてである。気付くと自分の頭は地面についているようで、たくさんの人の足が見えたが視界がぼやけている。救急車を呼ぶべきかどうか話している声が聞こえるが、声が出せない。気づいたら救急車に乗っていた。いつのまにかたくさんの医療関係者に囲まれていて、病院に着いたことに気づいた。太い注射を、そんなところに注射を打つのかと思う場所に複数打たれ、とても痛くて、私はわけもわからず泣いていたと思う。しばらくすると体調が落ち着いてきて、医師に血管迷走神経反射であると言われた。対策としては、長時間立つ状況を避けたり、水分を摂ること、と言われた。立つことが怖くなり、働いていたバイト先は辞めることにした。

日常生活で、長時間立つ機会はとてもたくさんある。体調によっては、本当に少し立っているだけで気分が悪くなる。バスや電車を待っている間、スーパーでその場に立ってじっくり商品を選んでいるとき、本屋で軽く立ち読みをしているときなど。できるだけ、立たないようにしている。長時間立たないようにするというか、そもそもなるべく立つ状況を避けることが無意識にできるようになっている。飲食店など長時間立たなければいけない仕事ではなく、デスクワークを選んでいる。電車ではなるべく座るようにして、席が空いていなければどこかにもたれかかる。バスや電車を待っている時も座ったりしゃがんだり。本屋では座れるところに座るなど。

ちなみに内科で相談してみたところ、起立性調節障害気味ではあるが、その診断基準は満たしていないと言われた。愛知県済生会リハビリテーション病院 院長の田内 宣生は、社会福祉法人 恩賜財団 済生会のサイト内で以下のように解説している。

起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)は、思春期前後の小児に多くみられ、起立時にめまい、動悸、失神などが起きる自律神経の機能失調です。...

社会福祉法人 恩賜財団 済生会

私は高校時代、ある日突然朝起きられなくなり、頻繁に学校に遅刻して行くようになった。私自身とても体調が悪く、起きようと頑張ってもどうしても起きられなかった。周りには、「サボりだ」「気合が足りない」と言われ続けた。そのうち自分でも、「私はサボりたくて体調が悪いと勘違いしているんだ」と思うようになった。サボりと思っていたので病院で診断はしてもらわなかったが、今思えば起立性調節障害だったのだろう。今は高校当時のような症状は全くないが、起立性調節障害に近いとの診断だった。水分の摂取と、第二の心臓であるふくらはぎを動かすことにより心臓に血液を循環させることが大切らしい。


6.脱水状態のとき

暑いときも気分がわるくなる、熱中症の可能性もあるが、どちらにせよ水分をこまめにとっている気分がマシになってくる。実際に、血管迷走神経反射が起きそうになったときも、水分を取ると少し落ち着く。いつも、家ではノンカフェインの麦茶を自分の近くに置いておき、こまめに飲んでいる。コーヒーが好きでよく飲むが、排尿作用があり逆に水分が出ていってしまうので必ずコーヒーの隣に麦茶も置いている。水分摂取の効果はかなり高い。寝起き、運動後、お風呂前後、寝る前などは特に水分を摂るようにしている。


7.歯医者

歯医者でのガリガリ音がする虫歯治療が苦手である。とてもこわくて、とても痛く感じ、麻酔の量を追加してもらうこともしばしばある。治療時間が長いと意識が飛びそうになってきて、治療後はとてもふわふわした気分になりぼ〜っとしている。落ち着くまで少し休ませてもらってから帰宅している。


まとめ

以上が、私の血管迷走神経反射が起きてしまう状況や反射の内容、対策である。恐怖心などの強いストレス、脱水症状、長時間の立位が血管迷走神経反射を誘発しているのではないかと思われる。この反応について内科で相談したこともあるが、起立性調節障害気味との診断を受け、私が行っている対策以外のことは知ることができなかった。本気で治療するには、この反応に詳しい医者に相談しなければいけないと思った。この反応は、失神時の転倒などに注意し、休めば短時間で回復することができる。しかし、私のように日常生活に支障をきたしている人がどのくらいいるのだろう。その人たちは、この反応とどう付き合っているのだろうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?