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光る君へ11話 まどう心とスズムシ観察

ほんと45分が早い。おまけに内容も盛りだくさん。そして鳥も虫も盛りだくさん。今回はスズムシについて考えてみました。なぜ、あの場面でわざわざスズムシが鳴いていたのか。いつもなら鳥なのに。


このページの構成
[雰囲気音]or[演出効果音]+鳥の名前:シーン
セリフ
[感想]

雰囲気音とは、シーンのリアルさを演出するための音。
演出効果音は、それとは別で意図して入れている音。

[雰囲気音]ミンミンゼミ、カラス:為時パパ失意のご帰宅

[雰囲気音]クマゼミ:F4の教室前での会話

デコ牛車:倫子様のお家の庭はフジが満開

サロンの日じゃなくても牛車をデコるなんて!お金持ちはやることちがうね
時期的にはちょっと違う気もするけど、ま、いっか!

[雰囲気音]ヒヨドリ:兼家の「虫ケラが迷い込んだだけじゃ」

[雰囲気音]キジバト:まひろのお戻り。「宣孝さまがおいでです」

[雰囲気音]ミンミンゼミ:まひろと宣孝の会話「まことに肝が据わっておるのお」

[雰囲気音]ツクツクボウシ:道長まさかの弓の失敗。百舌彦も「え!?」って言っちゃうよね

前半、しきりにセミが鳴いています。真夏なのでしょう。

[演出効果音]ツミ:摂政となった兼家が白い服になって登場@自分の執務室

[演出効果音]オオタカ:一条天皇の小走り「いつも悠然としておいでなさい」

ケケケケケ

オオタカは出てきてもいいはずだったのに、今回が初出演。一条天皇専用の効果音なのかも?歴史を知らないのですが、なかなか大暴れするのでしょうか?オオタカは、タカの中のタカ。精悍さ、美しさを兼ね備えたトップオブタカ。それがここで満を持して登場!ってことは。一条天皇に期待してもいいのでしょうか?

[雰囲気音]エンマコオロギ:寧子の安定した道綱のことお忘れでは?

道綱の食べてるスナックはなんだろう?

[雰囲気音]カワラヒワ:一条天皇即位の朝

キリリコロロ

こちらはのんびりとした、静かな朝のムード。

[演出効果音]ツミ:高御座のところから悲鳴が聞こえてきた

こちらは、大問題発生した朝。こんな場面で鳴くのはツミ。

[雰囲気音]ササゴイ:兼家と道長の外飲み「見事な機転であった!」

(ゴイサギかも?)どっちみち水辺の鳥です

北斗七星:夜空、花山院の飛び散った数珠、一条天皇の背中の刺繍

天体がわからないのと、どんな意味づけがされているかもわからないのですが、夜空のシーン、花山院の飛び散った数珠、一条天皇の刺繍。これでもか!と北斗七星でしたので、なにか意味が込められている気がします。

[雰囲気音]モズ:伊周の初登場

血気盛んっぷりをモズで表現

[演出効果音]カケス:道兼がみんなの宴に呼ばれずおこ

カケスコンビが帰ってきた!1〜3話はイライラ道兼といえばカケスが鳴いていました。

[雰囲気音]カラス:ちょろく言いくるめられる道兼

[雰囲気音]キジバト:道綱さまの「どお!しっかりやってる?」

道綱のカジュアルさがキジバトっぽい〜

[雰囲気音]カラスとキジバトとヒヨドリと犬:まひろの家の従者たちがさようなら

まるで庶民の暮らし4拍子な効果音

[雰囲気音]スズムシ:道長がまひろの漢詩を読んでいる

ここでのスズムシは普通に雰囲気を表現するための音なんだと思います。しかし、次に出てくるスズムシは?

[雰囲気音]アオゲラ:倫子様サロン

ピョー ピョー ピョー

倫子姐さんのお屋敷はカイツブリが鳴くわ、デコ牛車は次々とデコるわ、しまいにゃアオゲラまで登場!庭の木程度ではダメで、それなりに茂った林にいるイメージです。それか天井裏に巣を作っちゃった系?でも、これだけの豪邸で、それはないでしょうから、こちらの裏庭はかなりしっかりとした林があると思います。

デコ牛車:キク?

サロン開催中。いつもの場所に牛車がとまっていますが、黄色と白の花でデコってました。なんだろう?キクかな?枝ぶりと、季節的なのと、花の存在感。あと似たような姿形で黄色と白をそろえるとしたら、キクぐらいしかないのでは?と思います。オグルマとかノギクとか、そのあたり。

(キクのデコは、予想していたので見られて嬉しかったです)

[雰囲気音]モズと黄色いキクの花?:まひろ、お掃除前

[雰囲気音]ホオジロ、キジバト、カワラヒワなど:まひろ、お掃除中

[雰囲気音]コオロギ:いつもの廃屋

このコオロギまでは「ふーん」って感じで聞いておりましたが。

[演出効果音]スズムシ:水面を見ながら泣くしかないよね…

リーンリーン

まひろが鳴いている時にスズムシが鳴くんです。いつもならこの廃墟では鳥が鳴いているのに、今回はスズムシ。

違和感…。

で、調べてみました(ちなみに、ボクは源氏物語は読んだことありません)
そして、見つけました。こちらの和歌。

鈴虫の声の限りを尽くしても長き夜あかずふる涙かな

源氏物語 桐壺

スズムシが声の限りを尽くして鳴いているように、長い夜ぶっ通しで止まらない涙だわ。って意味らしいです。あら、どんぴしゃ!

ちなみにスズムシが羽を震(ふる)わせて鳴くのと、涙が降る(ふる)ように流れるのが掛かっているそうです。

なるほど!平安の涙はスズムシで表現するのかあ〜。さすがだ平安人。今までスズムシの音に涙を感じたことがなかったけど、これから印象が変わりそうです。

こんなに野鳥を並べられてもわからんわって方へ

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まとめ

あの涙のシーンにスズムシを当ててきたNHKの演出に、痺れました!そうか〜平安の人々はあの音色に涙を重ねていたのかあ〜。それを音で教えてくれてありがとう。めちゃめちゃ学びになりました!

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