父になった日

2019年9月5日15時40分。

元気な産声を上げながら生まれてきた我が娘。

元々の出産予定日は9月13日だったが、初産ということもあってか少しだけ早く生まれてきた。

名前の由来は2019年9月13日は中秋の名月ということもあり、「月」という文字を入れた。

生まれた瞬間は気持ちも昂っていたこともありあまり鮮明には覚えていないが、とにかく涙が止まらなかった。

子供が生まれた喜びもあったが、それよりも命懸けで出産した妻の姿を分娩室で手を握りながら支えていたので、ようやく出産が終わったという安堵と妻への言葉にできない想いが涙となって溢れ出てきたのだと思う。

初めて抱いた娘はとても小さく、しわくちゃで、一生懸命泣いていた。

「初めまして。あなたのパパです」

生まれてから最初に娘にかけた言葉だった。

妻は体力も気力も使い果たしてるはずだが、娘の姿を見て笑顔になっていた。壮絶な出産で痛みに耐えて必死な妻を見ていたので、なんだか久しぶりに笑顔を見た気がしてとても安心した。

その後新生児室に移された娘だが、同じ日に生まれた赤ちゃんの誰よりも大きな声で泣いていた。とにかく元気に生まれてきてくれて本当に嬉しかった。

その時はまだ、この先に待ち受ける試練の日々を知る由もなかった…。。


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