見出し画像

地域医療対策懇話会 (愛川町日記 2015年11月10日より転載)

地域医療対策懇話会 11/10 19:00~ 第201号会議室 健康推進課健康づくり班


地域医療とは?



愛川町に来て印象に残っている光景が。

結婚してすぐ、妻が「病院に行く」と言って車で送っていきました。

「三時間後に迎えに来て」

病院の入り口で手を振って、妻病院へ

まさか病院に三時間もかかるわけないじゃん、と思いましたが

適当に時間をつぶし、病院に行くと。

病院の待合室にはあふれんばかりの人、人、人。

椅子に座っている人は少々の疲れが見え、立って待っている人は魂が抜かれたように備え付けのテレビを見ています。

その合間を駆け抜ける看護師さん。

で、私の妻は・・・。

いない。

さすがに診察が終わってどこかに座っているかときょろきょろ見回しても

いない。

まさか、と思い

診察室に目を泳がせると

診察室の中にも椅子が並び、10人くらいの人が座ってます。

そこに妻がいました。

おいおい。まさかの三時間たって診察前。

妻の椅子の並びの先に医者がいて、機械作業のように患者さんを診ていきます。

結局。

妻と病院を出たのは5時間後。

二人とも、特に妻は疲れ切れました。


愛川町の病院が全部が全部そうとは思いません。

でも、「愛川町の病院は待ち時間が長い」と苦虫をつぶしたような顔で言う人多いですね。

「どうせ待ち時間が長いなら、北里や厚木の病院に行ったほうが・・・・」

病院だってサービス業です。

「お客さん」である患者さんが来なければ、立ち行かなくなります。

しかも、高齢者が増えてきている愛川町のような地域医療は、「どれだけわかり易く」「どれだけ親身に」が問われるのかもしれません。


医療機関の充実。

愛川町の人口減少の一つです。

これは昨日の審議会につながることかもしれない。

というわけで

「傍聴」です。


傍聴・・・!!



という話を、妻にしたら、妻も興味があるようで、なんと傍聴です。

夫婦で傍聴。

なんと健全な。

初めての「審議会フレンド」が妻とは、ちょっと残念な気もしつつ。

でも、私たちの間に子供を授かった時に、「医療」のお世話になるのは妻です。

だからこそ、今回の審議会を見てみたかったそうです。


今回の審議会は「審議会マニア」の私でも初めてづくめでした。

まずは、「19時開始」。

夜ですよ。夜。

役場の入り口も閉まってますよ。

傍聴受け付けは18時45分。

ま、おかげで、私も妻も仕事帰りに行けたということです。


二人で審議会会場へ。

傍聴受け付け。

ん・・・?

「受付番号2」

ということは、すでに傍聴希望者がいる!!

傍聴受け付け時間前にすでに傍聴席数の5人が傍聴受け付け。

あと一人来たら「抽選」に。

初めてです。こんなの。

いままで私一人しかいなかった傍聴希望席が、今回の審議会はあふれています。

傍聴受け付け用紙の横にあった、「焼き鳥屋で食べ終わった串を指しているコップ」みたいなものが抽選くじなんだね。

あたりを引いたら、ドラフト会議のヤクルトの真中監督みたいなガッツポーズをしないと。

結局は6人目はこずに抽選なし。


今回の審議会は「初めてづくし」、というか「何だか事務的」。

いやいや、他の審議会がちゃんとやっていないという意味ではないです。

たぶん課によってやり方が違うんでしょうし、今回の審議会の注目度がおおきんでしょうね。

審議会傍聴前から緊張感があります。

まず、

①傍聴時の注意点や禁止事項の口頭説明

いつもは紙をもらって「目を通しておいてください」ですが、今回は丁寧な説明が。

②資料は式次第は持って帰っていいけど、資料自体は有料(1枚コピー代10円)

これは初めて。普通審議会の資料は持って帰れません。だから、私が鬼のようにメモしてるのに・・・。

③途中より非公開になる可能性があります。

これも初めて。愛川町の情報公開の規定に基づいて傍聴者の途中退席を命じる場合があるそうです。

④受付順に、名前を呼ばれて入室。

いつもなら審議会が始まって、「傍聴可否」があって、入室ですが、今回は開始時間に入室。

しかも、名前を呼ばれて入室。

しかも、私たち夫婦以外は町議会議員さんでした。

「あ。それでこんなに慎重に」みたいなことはないと思いますけど。


愛川北部病院



昭和58年7月 厚木北部病院(一般病床60床)を開設
昭和63年12月 医療法人社団 福寿会となる
平成7年4月 訪問看護ステーション 「ホット北部」開設
平成10年9月 老人保健施設 「コミュニティーケア北部」 70床を開設
平成13年10月 外来部門を 「北部クリニック」として分離
平成15年8月 老人保健施設 「コミュニティーケア北部」を30床増床して100床とする
平成18年4月 財団法人 日本医療評価機構の審査を受け、「認定病院」と認証される
(平成23年4月で認定は消失となります)
平成21年5月 厚木北部病院を閉鎖し
愛川北部病院(一般病床100床、医療療養型50床)
愛川北部クリニック を開設
平成25年1月 愛川北部クリニックを愛川北部病院に統合。
平成25年7月 「北部クリニック」(厚木市下荻野)、診療休止


春日台病院が突然なくなったために開業した北部病院。

現在までの上記のような流れです。(愛川北部病院のHPから引用)

実は、愛川町に来て4年目の私はこの病院を利用したことがありません。

家から歩いて15分くらいなのに、その自動ドアをくぐったこともなく、いつも車で40分くらいの北里大学病院です。

特に理由がなく、「家族がそうしているから」です。

「いいじゃん、近いから北部病院で。」というと家の中に微妙な空気が流れます。

今回の地域医療対策懇話会の主人公はこの「愛川北部病院」です。

町が立て替えている医療機関整備資金利子返済期限であった5年を1年伸ばしてます、というちょっとマイナスな言葉から会はスタートしました。

【愛川町二次医療機関整備資金利子補給制度】とは
町内の二次医療機関が建物及び医療機器の整備のために金融機関から借り入
れた資金にかかる利子のうち、2千万円を上限に補助するもので、対象となる医
療機器は購入したものに限ります。


・愛川北部病院に対する利子補給金については、平成26年度は公認会計士に「愛川北部病院
の経営分析」を委託し、提出された「経営診断に関する報告書」に基づき、地域医療対策懇話
会の意見を伺い、補正予算については、町議会の議決をいただき、利子補給を決定した。今後
は、毎年度、病院経営の分析・評価を行った上で、地域医療対策懇話会の意見を伺いながら、
延長の可否を決定する。

(以上、愛川町役場HPからの引用)

今年度一回目のこの審議会は専門的な知識が必要な為、公募委員はいません。

しかも、町議の方が委員にいます。

そして、傍聴席には町議に挟まれて座る夫婦。

私が見てきた審議委員会とは全く違うものですね。

「委員長」ではなく「座長」。(しかも、副座長はいません)

選出方法も、「前年と同じように選ぶ」。

で、座長も町議の方になったので、進行の仕方が「プロ」。(座長は町議会教育民生常任委員会委員長の小林敬子さん)

会全体の空気ピンと張りつめます。


いよいよ審議会スタート。



座長の選出が終わり

まずは資料説明。

「医療従事者等の状況について」
平成21年116人→157人→165人→177人→190人→200人→そして平成27年は205人と少しずつ増えています。

「入院・外来患者状況」
平成22年の入院者数2087人から一年ごとに見ると→2325人→2580人→2543人→そして平成26年度は2416人と微減

平成22年の外来患者数44933人から同じく一年ことに見ると→49682人→53875人→57436人→そして平成26年度は53882人と微減

愛川町の利用者だけでみると
外来が平成25年までは増加してましたが、平成26年に約2000人減。
入院は平成25年までは増加してましたが、平成26年に約150人減。

なるほど・・・
これはゆゆしき数字だな・・・

このまま減り続けると医療機関整備資金利子補給返済どころじゃないぞ・・・

なぜ利用者が減ったのか?
いま北部病院は経営が成り立っているのか?

よし!いよいよ本題に「傍聴者は退席してください」

・・・へ?

「このあとは愛川町情報公開規則により非公開です」

そ、そんな・・・。
ここからが面白くなるのに・・・。

ちなみに式次第によると非公開になったには

「決算状況」
「医療機関整備資金利子補給制度について」

でした。


非公開。



始まって32分。

傍聴者、会場より退出。

なんだか一番知りたかった事が、扉の向こうにいるかと思うと、ちょっと残念。

妻は「北部病院が破たんしてなくなるんじゃないか?」というのが一番の疑問でしたが、ご覧の通り「資料説明」で終わりました。

やはり「北部病院」は愛川町の地域医療の核なんだね。

妻の北部病院への心配そうな顔を見るとなんだかそう思いました。

今回の懇話会は一回目。今後いろいろな話が出てくるでしょう。

愛川町北部病院が俎上に上がったのはたまたまなのかもしれません。


「愛川北部病院」に頼りきりの地域医療というのもどうなんでしょう。

愛川町から北里大学病院に直通バスを通せば問題の何割かは解決するかもしれません。

しかし、愛川町の地域医療は育たないでしょう。

あくまでも北部病院は「核」となり、その地域末端まで浸透した医療を展開していかなくてはいけません。

今後懇話会ではそんな話もでてくるでしょうね。


どうせなんで資料を。

「すみません・・・60円です」

あ、そうだコピー代だ。


こんな時間なのに役場の玄関あいているんだろうか・・・?

「あ!警備員さんに話して、玄関の自動ドアを開けてもらいますね!ちょっと待ってください!」

走っていったよ・・・

あの役場の人、町議がいたからではなくて

もとから真面目な方だったんですね・・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?