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そして私は旅に出る。【住んでみた北欧#7】

*写真は旅行準備の時にヘビロテで聞いていたColdplay「Vida La Vida」のイメージ

いよいよ旅立ちの日を迎えた。これから夜の便でヘルシンキへ。荷物は60LのRIMOWA、オランダで買ったお気に入りのデイバック、パタゴニアのボディバッグの3つに集約した。1週間旅用のバックパックCABIN ZEROは、なんとRIMOWAの中に横にすっぽり入った。ヘルシンキのエアビーの部屋でRIMOWAから取り出したら荷物を預け、デイバッグと入れ替えして欧州めぐりバックパッカーのいっちょあがりだ。

想像力を働かせ荷物を吟味

パッキングには結構時間をかけた。前回の反省から無用の長物を排除して快適に過ごしたい。今朝は5時起きして、最後の最後まで持って行くものを厳選。当然のように入れていたものも、「まてよ、これ本当に要る?」と自問自答した結果、ボツになったもの多数。ローヒールパンプス(カジュアルが基本のフィンランドでどこに履いていくの?)、ソーイングセット(よく見たらボタンのない服ばっかり)、バーバリーのトレンチ(想像以上に寒いようなのでパタゴニアのレインコートと交換)などなど。ほんとに要る?と考えるのって結構頭を使う。ミニマリズムのいいトレーニングだ。この機会によく考えずに買ってしまう悪癖をなんとかしたい。

自分へのウェルカムを準備して家を出る

家の中もすっきりさせた。数日前から「冷蔵庫すっからかんチャレンジ」を敢行、今日の朝食で食材をほぼ使い切った。ゲームであればWinだ。それから水回りや部屋の隅々まで掃除。久々に帰ってきた時に、自分をウェルカムしてくれる家にしておきたいと思えば大掃除よりもモチベーションがわく。そんなこんなで5時起きしてから出発の11時半までコーヒーをゆっくり飲む時間もなかった。

それにしても「北欧に長期滞在する」と決めたのは2月26日で、コロナで滞在が1週間延びた欧州滞在から帰国して12日後のことだった。そこからは猛スピードでいろいろコトをすすめ、不思議なぐらいスムーズにコトが運んだ。仕事の手じまい、引き継ぎ、健康であることが前提条件なので、眼科、歯医者、胃腸科まで、不安なところはすべて行ってクリアにし、最後は健康診断までして、血圧を褒められた。ありがたいことに送別会もたくさんやっていただいた。家族との時間も持てた。

何も思い残すことなし

昨日、最後に残っていた仕事の引き継ぎを終えた帰り道、夕空を見上げながら、「何も思い残すことがない」というのはこういうことなんだなあと思った。これまでやってきたこと、成功も失敗も、よかったこともよくなかったことも、すべて受け入ている自分がいた。これまで60年ちょっと生きてきて、こんな清々しい心境になったのは初めてだ。何か大きな「区切り」が来たのだと感じる。区切りとは次の世界に進むためのものだ。だから私は旅に出る。

この1ヶ月ほど、Coldplayの「Vida La Vida」が耳について離れず、自分のテーマ曲になった。ルイ16世の視点で、フランス革命という時代が変わる場面の心情を描いた歌だと言われている。Coldplayはイギリスのバンドで、奥行きのあるヨーロッパ的な世界観が今の私の心に響く。

iPhoneにはこの曲が入っている。離陸するときにイヤホン大音量で聴くつもりだ。泣くな、きっと。




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