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ポストフロップ戦略で重要な3つの概念

 ポーカーの情報って何を参考にすればいいか困りますよね。

 アップデートが早くて、基本的なことを優しく教えてくれて、ときには難しい概念もわかりやすく紹介してくれるような情報源......。

 Upswing Poker というサイトはとても参考になると思います。ラスベガスに行ってポーカーで生活していた友人が、現地のプロにオススメの教材を聞いた際によく名前が挙がったサイトだそうです。

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 個人ブログで日本語に翻訳されている記事もいくつかあります。大変ありがたく読ませていただいているので、僕も一つ翻訳してご紹介しようと思います。

 2019年もまもなく終わりですが、今年の始めに投稿された記事です。ポストフロップの意思決定における重要な概念が、具体例を交えて簡潔に書かれています。

2019年にポストフロップ戦略を形成するための3つの概念 (ポジション、レンジ、ナッツアドバンテージ) 

2019年1月15日 written by Dan B.

 ポジションアドバンテージ、レンジアドバンテージ、ナッツアドバンテージという言葉をご存知ですか?

 ポストフロップ戦略を形成するこれらの概念を理解すれば、有利な状況でより多くのチップを稼ぎ、不利な状況でロスをより少なくすることができます。

 今回の記事では、これらの概念をそれぞれ分けて理解し、あなたの戦略にどのように影響するのか考えていきます。すでに知っていることもあるかもしれませんが、それでは始めましょう。

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ポジションアドバンテージ

 ポジションアドバンテージとは、それぞれのストリートでアクションが最後になるプレイヤーが持つ優位性のことです。

 ポーカーでは情報はパワー (つまり利益) を意味します。最後にアクションできるということは、それだけ多くの情報を持って決断できるということです。

 この優位性を正しく利用すれば、バリューベット、ブラフ、ブラフキャッチを効果的に行うことができます。

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レンジアドバンテージ

 レンジアドバンテージとは、ハンドレンジ全体のエクイティが相手よりも高い状態となる優位性のことです。

 この優位性が大きくなるほど、利益的なベットを行う頻度が高くなります。十分なレンジアドバンテージある状況では、高頻度ベット戦略で相手にプレッシャーをかけることができます。

 例えば、私がBTNからレイズして、あなたがBBでコールした状況を考えてみましょう。それぞれのハンドレンジは以下のようになります。

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 私 (BTN) のハンドレンジは、あなた (BB) よりも強いので、私 (BTN) にレンジアドバンテージがある状況です。この優位性はフロップでも保たれることになります。

 プリフロップの段階では私 (BTN) のハンドレンジのEquityは54%となりますが、フロップではボードによってこのEquityは変化します。下図の左側のフロップでは低くなり、右側のフロップでは高くなります。

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 このパターンはシンプルです。数字が高いボードはBTNにとって有利になり、数字が低いボードはBBにとって有利になります。

 では、ここで抜き打ちテストです。

 ボードが  J♠ 3♦ 2♦  であるとき、BTNとBBのどちらのハンドレンジのEquityが上昇するかわかりますか?

 答えは、BBです。

 プリフロップでは45.33%のEquityがありますが、このフロップでは46.49%に高まります。

 今回は1.16%の違いしかないので、BBは十分なレンジアドバンテージを得られず、フロップでもBTNが有利な状況です。しかし、Equityの観点から考えると、BBにとって比較的良いフロップと言えます。

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 レンジアドバンテージがより重要になるのは、SBやBBが3-betし、オリジナルレイザーがコールした状況です (3-bet Pot)。この状況では、3-betしたプレイヤーがアグレッシブに高頻度C-bet戦略を行うことができます。

 しかし、プリフロップにおけるアグレッサーが、常にアドバンテージを持っているという訳ではありません。

 オープンレイズした後に、ポジションのある相手からコールドコールされた場合、相手にレンジアドバンテージがあることはよくあります。まだ後ろにプレイヤーがいて、スクイーズされる可能性がある状況でコールドコールしたということは、そのハンドレンジはかなりタイトである可能性があるからです。

 オリジナルレイザーはより強いハンド (JJ+, AK) を持っている可能性が高いですが、しばしばコール側のレンジに含まれるハンドに逆転されることもあるのです。

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ナッツアドバンテージ

 ナッツアドバンテージとは、ハンドレンジの中に非常に強い役になる組み合わせを、相手より多く持っている優位性のことです。

 この優位性は、特定の状況でどのくらい大きな額をベット、レイズできるのかを考えるのに重要となります。ナッツアドバンテージのあるプレイヤーは、相手のチップを丸ごと獲得するために、非常に大きな額のバリューベットすることができます。これを利用して、ブラフでも相手に非常に大きなプレッシャーを与えることができるのです。

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 例えば、あなたがBTNからレイズして、私がBBでコールした状況を考えてみましょう。

 フロップはA♠ K♦ 5♠ となりました。

 この状況では、あなた (BTN) のハンドレンジにはAA, KK, AKが含まれており、私 (BB) には含まれていません。なので、リバーまでに私のスタックをすべて獲得することを見据えて、大きな額のベットをすると良いでしょう。

 このような状況では、私 (BB) の選択肢は限られます。微妙なハンドでコールするのか、オーバーフォールドすることになります。これにより、ブラフが非常に効果的になるのです。私は (BB) ナッツハンドのバリューベットにコールしてスタックを丸ごと奪われるのか、あるいは高頻度のブラフに耐えるのか、どちらか選択を迫られることになるのです。

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 しかし、プリフロップのアグレッサーが、常にナッツアドバンテージを持っているわけではありません。ボードの数字が小さくコネクトしている場合は、コール側にナッツアドバンテージがある状況になります。

 これはレンジアドバンテージで説明した内容と重なりますね。これは、ハンドのEquityが80%以上となる強い役を多く含むと、レンジ全体のEquityも上昇するからです。

 数字が低くコネクトしたボードでは、BTNはC-bet頻度を下げた戦略を取るべきでしょう。さもないと、今度はBBにナッツアドバンテージがあるので、BBの高頻度チェックレイズ戦略に困ることになってしまいます。

※注意:ローステークスではレークが高くなるため、BBはオフスートのハンドで参加しにくくなります。つまり、BTNがミニマムレイズでもしない限り、たとえローコネクトボードでも、BBにはナッツアドバンテージがないと考えることもできます (ただし、これはすべてBTNが標準的なハンドレンジでレイズしているという前提にはなります)。

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まとめ

 これらの3つのコンセプトは、ポーカーにおける意思決定の根幹にあるものです。これらをよく理解し、ぜひあなたの戦略を正しく構築してください!


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 翻訳は以上になります。アクションに悩んだときは、これらの基本的なコンセプトに立ち返って、戦略を組み立てると良いかもしれません。


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