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逆上と難航と無感情


はじまりはnoteだった。


わたしの表現するものを評価してくれた。それがとても、とても嬉しかった。

自分の書く文章をみて自分という存在を認めてくれたと思った。

だからわたしもあの人といたいと思った。

失恋というものは自分の中のアイデンティティの一部がちぎれていなくなることで胸が痛むらしい。

このnoteもきっともう相手に届くことはないだろうから、精一杯の未練と後悔と今の本音を書こうと思う。

はじめて会った時、綺麗な人だと思った。
心をどこかに置いてきたような眼をしていた。

そんな眼で見つめられた時に心臓が高鳴るのがわかった。あまり、大きく笑うことはしないけどふっと笑みが溢れた顔を見た時、この人のそばにいたいと、自分の感情が溢れていくのがわかった。

それからはあっという間だった。

あっという間にここまできていた。
いつも一緒にいられることが嘘みたいだった。

嘘みたいに、嘘みたいに今日が来てしまった。

大変な時ももちろんあった。わたしは何度も彼を困らせたと思う。なぜかずっと具合が悪くて何度も高熱を出したし、その度に彼が優しくて、もうその気持ちをもらいたいからあんなに熱が出ていたのかと今は思ったりもする。

彼も大変な時はあった。けど、ただ、あの人が元気になってくれればと切にそれだけを願った。
迷惑だなんて、自分が何か与えているなんて、少しも考えたことはなかった。


相手の気持ちが煙みたいに掴めない場所に消えた時、わたしはどうしたらいいんだろう。
わたしの心が少しずつ解けて無くなるのを待てばいいのだろうか。

あの人を思い出す場所も店も、景色も、あまりに多すぎる。

そんなことを仕事中にふと思い出すと頭が真っ白になる。

こぼれ落ちたものがまた元に戻るのかもわからない、瘡蓋になったはずの傷跡はまた剥き出しになり血が溢れつづける。


ここまで書いて下書きを閉じたあとわたしの体重はどんどんと落ちていった。

そして、あの人にやっと会えるとわかった日彼は来なかった。来られなかったのか来なかったのかはもう、わからない。

その時に悟ったのだ。

わたしはこれを続けられるほどの覚悟も度胸もない。これ以上続けていたら自分がなくなる。

そう思えたはずなのに、諦めて全て溶けたと思っていた気持ちは彼のことを話すたびにまたわたしを苦しめる。

とめどなく気持ちが溢れ続けていつまでも泣くことを止められない。

彼の声が、彼の笑う顔が、彼の言葉の選び方が、彼と行く場所が、彼といる時間が、彼といるわたしが、すべて、全て好きだった。

わたしは彼に心を奪われたままだ。どんなに綺麗事を言ったってその事実は変えられない。

終わりにしよう。

すべてを。

わたしがこれ以上自分を嫌いにならないように。

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