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田舎に外貨が必要な理由

熊野古道沿いのカフェには世界からたくさんのお客さんがやってくる。先日、サンフランシスコから来たお客さんが言っていた「年収2000万あっても、ひとりで住むことができないからシェアハウスに住んでいる」という話が衝撃的だった。2000万も年収があっても部屋を持つことができない、それが幸せなのかそうじゃないのかはわからないけれど、海外での物価上昇と給料の上昇が日本とかかけはなれていて驚いた。

熊野古道に来る人の特徴とは?

特に熊野古道を歩く人たちは、裕福な人たちが多い傾向にある。学生が取ったアンケートで3割が年収1000万円以上との結果が出た。特にヨーロッパやオーストラリアから来た人が多く、いろいろ話をしていると、たしかに丁寧な生活をしている人たちが多い。

そんな人たちの特徴は…
1,気に入ったものにお金を使う
2,必要なのは気持ちの満足度
という2つの点だと思う。

1,気に入ったものにお金を使う

熊野野菜カフェの斜め前にある山形屋という日本のアンティークなものを売っているところで買い物をする。そんな彼らは、気に入ったものがあれば、値段を気にせずに購入している。確かにそんなに高いものがあるようには見えないけれど、気に入った「もの」に対してお金を払うことに躊躇している雰囲気はあまりない。

2,必要なのは気持ちの満足度

宿をはじめて思うのは、金額よりも満足度が重要なのだなということ。予約サイトでの宿の口コミは”一人で泊まった人の方が高い”傾向にある。ウチの宿は1棟貸しの為、1人で泊まると金額が高くなる。だけど、大勢で泊まった人たちよりも1人で泊まってくれた人たちの方が満足度が高い。そして、今は宿をはじめたころよりも料金を少し高くしている。なぜなら、宿泊してくれるユーザー層が格段に違う気がするからだ。

一人あたりの単価が高い人の方が、丁寧に家を使ってくれたりきれいに片付けてくれたりする。そういう点でも、宿を安売りするよりも、来てほしい人たちに来てもらいやすい「満足度」と「金額」が必要なのであると経験して思う。

また、最初に話したように、海外では環境的にも給与は上がっている傾向にあるのに対し、日本の給与はここ何年も上がっていない。どちらかというと下がっている人もいるほどだ。だからこそ、田舎でビジネスを成功させていくには、海外の人を呼び込むことが重要である。日本の人たちを呼び込まないという話ではなく、海外の人たちも合わせ、サービスにあった料金を取る、それが日本の田舎には必要なのだ。

お金を稼ぐことを日本では恥ずかしいことのような文化があるが、それは決して恥ずかしいことではない。他の競合と比べ、自分の特徴を明確にし、満足してお金を支払ってもらうならば、その金額は決して高くないのだ。

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