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疫病鎮静の祈り。

凡そ200年ぶりに復元される護符。

熊野大社には、東北の熊野信仰を物語る貴重な文化財が数多く残されています。この版木も熊野大社の考古館で保管されていたもので、おそらく江戸時代に天然痘やコレラが流行した頃に、護符をつくるために使用されたものだと推測されます。かつて、疫病や悪病が流行した時代に頒布された護符を木版から復元し、護符と祓守り、御朱印を奉製致しました。事態の収束と世界の安寧を心よりお祈り申し上げます。

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疫病を鎮める神さまの御姿。

この護符の版木に彫られている「宮内蟻王山」(みやうちぎおうさん)の意味は未だ明らかになっていません。しかしながら、その呼称が明治の神仏分離前のものであることから、神仏習合で熊野一山を築いていた江戸時代の版木だと推定されています。また、その中央の御姿は紀州和歌山の熊野三山をはじめ、各地の熊野神社にある熊野神像にみられるように、熊野の神々を俗体で表した姿であると考えられています。熊野大神様が疫病や悪病から人々を守る様子が描かれたものです。

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‐熊野大神様の御姿‐
悪疫除(あくえきよけ)と彫られた護符。

鬼の姿で感染を鎮めた元三大師。

平安期、疫病が流行した際に鬼の姿になって感染を鎮めたとの伝説が残る天台宗の僧、元三大師(がんさんたいし)。かつて宮内熊野も天台仏教の霊場として栄え、別当證誠寺を筆頭にして二十坊一神主で熊野一山を組織していたと伝えらえています。この護符の版木にある「熊野山台林院」(くまのさんたいりんいん)は当時の坊の一つとして記録が残っており、元三大師の版木が残るのも、その所以ともいえます。この護符は疫病が蔓延した江戸時代に頒布されたものと考えられています。

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‐元三大師様の御姿‐
台林院執事の文字。神仏習合時代のもの。

疫病除けの護符とお守り。

新型コロナウイルスの収束を願って復元された護符と祓守り。江戸時代に木版から刷られた護符をなるべく忠実に再現するために、版木から墨に写し取る方法で復元しました。護符は、疫病を退けるために玄関先や勝手口に貼ってお祀りください。祓守りは、外出先での疫病除けのお守りとしてお財布や鞄などにいれ、普段から身に着けてお持ちください。

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‐護符について‐
(右) 熊野大神様の護符
(左) 元三大師様の護符
 初穂料 1体500円 
 サイズ 縦182mm 横60mm

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‐祓守りについて‐
(右) 熊野大神様の祓守り
(左) 元三大師様の祓守り
 初穂料 1体200円 
 サイズ 縦54mm 横21mm
 護符を小さくしたものが祓守りになります。

疫病除けの版木を御朱印に。

御朱印は、本来、神社や寺院に写経を納めた証として、納経帳などに朱印を押してもらうことが始まりだといわれています。現代では、参拝した証として御神威のこもった御朱印を受けることが一般的になりました。当社では、護符と祓守りの頒布とともに「熊野大神様」と「元三大師」の版木から印を復元し、御朱印をお分けしています。

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‐御朱印について‐
(上) 熊野大神様の御朱印
(下) 元三大師様の御朱印
 初穂料 記帳 300円 
 サイズ 縦150mm 横105mm
写真(左)は印をみせるためのもの。
印のみの頒布を行っておりません。

郵送でのお申込みの方へ

護符・祓守り・御朱印は、本来神社にご参拝いただきお受けいただくものです。しかしながら、新型コロナウイルスの影響で参拝できない方や体が不自由で参拝ができない方のために、当社では郵送で頒布を行っております。

6月1日より護符、祓守り、御朱印すべての受付が可能になりました。

-郵送をご希望の方へ‐
護符、祓守り、御朱印の郵送をご希望の方は、電話・ファックス・メールで承っています。
(☎お電話でお申込み)
受付時間 午前9時から午後5時まで
熊野大社山上事務所 0238-47-7777
(📠ファックス✉メールでのお申込み)
ファックスをご利用の方は添付申込書をご利用ください。
メールの方は、mail@kumano-taisha.or.jpにご連絡ください。

東北の伊勢熊野大社。日本で初めて結ばれた夫婦の神様をお祀りしています。「あなにやし、えをとめを」「ああ、なんと素敵な女性だろう」明るく清らかなで素直な言葉。それは、神話の中で、日本で初めてのプロポーズとして伝えらえています。




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