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熊野通信アーカイブス(その八拾参) :人生に熊野を・・(5)

何が起こっても不思議じゃなかった今年(注:2011年)も、もう余すところ一ヶ月となりました。大自然の猛威や社会の変調の荒波を目の当たりにして、歩んで来たそれぞれの人生。来年に向けてあなたは今、どこに向かって何を感じていますか?

過ぎたるは、及ばざるが如し!

時は常に移ろい、過ぎた事は二度と元に戻すことはできません。また、必要以上に行き過ぎたことは、必ず反作用として対極の何かが失われて、そのバランスを崩してしまいます。

心や健康もしかり、国家や社会も同じことが言えます。すでに地球2個分のエネルギーを消費している、先進国と呼ばれる私たちが今とここで、過ぎたる思考や生き方を見直さなければ、 かけがえのない最も大事な生命場を失うような気がします。

今年起こった想定外や未曾有の、さまざまな災害や出来事は、この過ぎた文明の終焉を告げているのではないでしょうか?

いつか来た道・・・2012年!

時計の針が一回転すると、針は元の同じ場所に戻ってきます。しかし時間や空間は、以前と全く変わっています。よく人生一寸先は闇と言いますが、確かに携帯電話やパソコンの画面に目を奪われ、また自分の日常足元の一喜一憂や目先の利益を、至近距離で見続けていると、まわりが見えなくなっても、当然の事と言えます。

8年前に、熊野・玉置山で終末の鐘が鳴らされたその時、いつの間にか「ぬるま湯のカエル状態にならぬよう、気を付けよう!」と、このコラムで発信しましたが、その時はすでにもう到来しています。

過ぎたる心を見つめ直す!

奇しくも再来年の2013年、伊勢神宮が新しく生まれ変わり遷宮が行われますが、紀伊半島には他にも高野山や吉野山・熊野と、古代から日本の精神性を支える大事な場所がたくさんあります。

日常にとらわれた視点をはずす意味でも、また新しい文明を考えるためにも、数千年の智慧の詰まった紀伊半島に身を置いて、今一度自然から遊離した、過ぎたる心を見つめ直したいものです。

NPO法人 熊野生流倶楽部 代表 満仲雄二

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