マガジンのカバー画像

NOVEL

15
novel。述べる。
運営しているクリエイター

#遅くなってすいません

悪い人ほど“火”が似合う。④

悪い人ほど“火”が似合う。④

  「花火に花言葉があったら、何て言うんだろうね」

 彼女の頬が輝くと、音が大気を振るわす程に破裂する。広大な空には、これでもかと言う程の炎が飛び交っている。オーケストラが終わると、誰もが息を呑み、一拍してから誰かが拍手を送る。そして、その拍手に乗り遅れぬように様々な人々が激を送り、それは大きな喝采に変わる。それと似たように、一瞬の静寂の後に誰かが声をあげた。それは歓喜に似た雄叫びのようなものだ

もっとみる