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椎間板ヘルニア 入院/手術顛末記 その3 いよいよ手術編

2020年5月、重度のヘルニアにより、手術することになりました。入院前、たくさんの先人たちのブログを読んで、そのありがたみを実感したので、自分も記録を残そうと思います。

初回の入院前夜編、そして入院編と続きましたので、いよいよ手術から退院の話しをしたいと思います。

5月13日 前日もらった痛み止めが聞いたのか、3時間くらい久々にまとめて眠れました。ちょっと調べてみたところセレコックス200mg錠というもののようで、胃を守る薬と合わせて処方されました。一日2回で市販のロキソニン一日4回分の働きをしていて、処方薬、さすがです。

手術は15日なので、2日間は待機なのですが、手術の前にやらねばならないことがあり…それはお通じです。。すでにこの時点で5日間出ておらず、便意が常にお尻に滞留している状態に。そのせいもあって食も進まず、寝たきりで食べにくいところに加えて、ますます食が細くなってきました。手術までにはどうにか出しておかないと、と心に決め看護師さんに相談しました。

とはいえ、トイレまで行くことも困難な中、方法は二つ。一つは「差し込み」と呼ばれている、底の浅いおまるみたいな物をベッドとお尻の間に、その名の通り差し込んで、そこにするというもの。もう一つは、ポータブルという椅子の座面が、便座型になって下にバケツが付いており、ベッド脇に置ける簡易便器、このいずれかで解決しなくてはなりません。

座るのが辛いので早速、「差し込み」を試してみたところ、5センチほど腰を上げている状態でも痛みがガンガン襲ってくる。さらに、寝たままの姿勢で便をする経験がないのでイマイチいきみ方がわからない。痛みといきみで頭はパニックに!そんな訳で数分で差し込み案は無しとなりました。

続いて、「ポータブル」も用意して頂きましたが、やはり座り姿勢でも痛みが来ていきむことに集中できない。試して、痛みで諦めて、痛みが落ち着くのを待ってまた試す、なんてことを三回くらいやっていたら、部屋の移動時間に。そう、一時的に個室に入ったものの、空きが出たので4人部屋に移動しなければならいのです。どうにか個室にいる間に、という願いも虚しく、移動時間を迎えてしまいました。

看護師さんからは「浣腸した方が良いねー」と言われたものの、結局移動している間に、夕食も近くなり、本日は断念。便意を持ったまま夜を迎えることとなりました。食後からますます便意も強くなり、「すごくしたい、しかしこのカーテンで仕切られただけの4人部屋で、してしまうのはなかなか恥ずかしい…」そんな葛藤を抱えつつ、せめてもと皆が寝静まった消灯まで我慢して、便意が最高を迎えたところで、痛みに耐える決心も固め、いざ!!

出せました。

カーテン一枚向こう側で、お隣がトイレに行く、というドキドキも抱えながら。なんかハイになったのか途中から痛みも和らいだように感じで無事終了。ただ、出してみて分かったのは肛門周辺も痺れて力が込められなくなってること。拭いても痺れで拭いてる感がイマイチ無く。気持ち悪さが残りました。看護師さんに便の処理をお願いし、一仕事を終えた安堵を感じながら、足の痛みと共に眠りにつきました。

5月14日 手術前日は、午前中に6日ぶりのお風呂に。動けないので、ベッドで寝かされたまま看護師さんにシャワーをかけてもらったり、そのまま湯船に入れていただきました。若い女性の看護師さんで気恥ずかしかった。

午後には、明日の流れや全身麻酔の説明があり、術前最後の食事となる夕飯をいただき、いよいよ手術に備えます。

5月15日 朝から食事はなしで、水分も10時までで終了。前日くらいから痛みで仰向けも辛くなり、横向きにしかなれず、午後の手術をひたすら待ちます。直前には主治医の先生のチェックも。やはり力は入らないままです。説明を受けていた奥さんにもちょっと会えました。

14時に手術室に移動。片付けも出来てなくて看護師さんに迷惑をかけてしまった。

いよいよ手術ですが、当然記憶無し。麻酔かけますよ、と言われて「なんかぼんやりするなー」と思ったら、「池田さん、池田さん!」と起こされているところ。17時前くらい、と先生達が話していて、思ったより遅いなーとかぼんやり思いました。

結論、痛みはさっぱり無くなりました。痺れは指のあたりにちょっと残っているかな、くらい。

手術すごい。先生すごい。

ただ、当然背中の傷口が痛い。点滴と傷口から血を集めるパックがつながっているのと、尿道にはカテーテルが入り、足は血栓防止でマッサージ機がついていると、体はガッチリ固められて動かすことが出来ず。自重と布団の重さが傷を圧迫しているような気がしてきつかった。とはいえ、これまでの痛みに比べれば可愛いもので、点滴で痛み止めも入れられる、との話でしたがお願いせずに済みました。

さすがに夕飯を食べる気力もなく、オレンジ4かけだけいただきました。とりあえず、時間が痛みを解決してくれるだろう、と祈りながら一晩過ごしました。カテーテルで小便しながら眠ったので、小便漏らす夢をみて、ビックリして目を覚ましました。。

5月16日 夜通し血圧などのチェックなどしていただき朝を迎えました。人によっては翌日から歩けたというブログを見ていたので期待したのですが、1日安静に、との指示。パックに集まった血が50mlを超えているようで無理とのことでした。こればかりはやむを得ません。足の痛みの解放感と背中の痛みを感じながら一日耐え忍びます。前日がオレンジ4かけしか食べていないので、昼ご飯のパスタは初めての完食!しかし。体がほとんど動かせない中、まさかのお通じ便意が再発。。またこれに悩まされることに

5月17日 朝一のチェックで、血は50mlほど。やっぱり体を起こすのはNGでした。背中は痛むものの、足の痛みはない中引き続き安静はキツい。ベッドで過ごすのももう10日、どれくらいで動けるようになるのか、なんだか不安がよぎります。さすがにテンションが下がる中、とにかく安静に、明日は血が溜まらないように、を心がけて一日を過ごしました。そして引き続きの便意、寝たままの上に便意があるからなんだか食も進まず、楽しめない。窓側のお隣さんが退院されたので外が見えるようになったので、外の景色を励みに一日を終えました。

5月18日 朝からのチェックで出血はほとんど無し!!不安のあまり、午前2時半に目を覚まし、安静にして過ごしました。朝食後の回診で先生がパックにつながる管を抜き、そして尿のカテーテルも。点滴も1日2回の抗生剤のみになっていたので、体から管が取れました。とはいえ座り姿勢でもクラクラし、立ち上がるのに足はプルプル。少しずつ慣れていくことに。

そして、落ち着いてから看護師さんにお願いして車椅子で最初に連れて行ってもらったのは、もちろん、トイレ!いきむと、傷がまだ痛むものの10日以上ぶりにウォシュレットも使って、スッキリに。座っても痛くない体って素晴らしい。

さらに、昼飯も久しぶりに座って食べました。まだ、左手で体を支えながらですが、座って食べる、これだけでものすごく美味しく感じる。引き続き痺れは少しあるものの、ヘルニアの痛みは全く無し。この時のご飯の美味しさは忘れられない。

手術してもらって良かった

結果として私は心底そう思いました。

その後は週末まで緩やかに歩行のリハビリしながら経過を観察して、5月23日の土曜日に無事退院となりました。冒頭の画像は先生に見せてもらった、摘出したヘルニア。こんなでかいのが神経触れていたら痛むよなーと改めて実感

先生曰く、椎間板はあんころ餅のようで、ヘルニアは中のあんこが出てきたり、周りのお餅の部分が水分無くなって固くなるなどのパターンがあるとのこと、今回摘出したのは餅が固くなるパターンで、痛み止めでの経過観察では治らなかったかもしれないから、手術で良かったとおしゃっていて、改めて良かったなーと思いました。

ということで、急速な悪化から手術に至ったヘルニアの顛末は以上です。先にも書いた通り、ヘルニアはほとんどが手術無しで治るパターンが多く、また、水曜日には歩けていたのに、日曜日にはベッドから降りられない、という急展開も他の方のブログを拝見するとレアパターンかなと思います。それぞれの症状に合わせて、先生とご相談いただければと思いますが、とにもかくにも痛みが有れば早く診察を受ける、が大切と思います。自分も急激に悪化したとはいえ、昔から一度かかっていたことがあるからこそ、しばらく寝ていれば治るだろう、という判断をして家族に迷惑かけましたし、もしかしたらもう少し軽症で済んだかも、、と思います。いずれにせよ、痛みで不安のある方に少しでもこのnoteが届けば幸いです。


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