自宅学習での予習の進め方【中学受験・算数】

別の記事(予習は先取り学習よりハードルが低く、即効性がある)で、予習は万人向けの方法で、成績向上や復習時間短縮という点で即効性があるということを書きました。

予習の方法としては、プロのサービスを利用する方法(個別指導、有料動画など)と自宅学習で進める方法があります。
前者の場合、費用と時間はかかりますが、学習内容について理解を深めやすいというメリットがあります。
後者の場合、理解を深めるという点では前者に劣りますが、手軽さ、特に短時間で予習の目的を達成できるというメリットがあります。

自宅学習で予習を進める場合、基本的には塾教材を使用するのが手っ取り早くて効率的です。
四谷大塚であれば「予習シリーズ」、日能研であれば「本科テキスト」といった教材が手元にありますので、それを使用します。
サピックスのように手元に次回以降の教材がない場合は、メルカリ等で過去の教材を入手するということも可能ですが、「予習シリーズ」や市販教材で該当単元を行うのもいいかと思います。

予習の際に意識したいのは、完璧を目指さないということです。
予習の目的は、塾の授業内容の理解状況を改善する(その結果として復習時間の短縮と定着率向上を達成する)ことにあります。
もちろん予習の時点で理解を深められるに越したことはありませんが、軽めの予習でも塾の授業を十分に理解して帰宅できるのであれば、それ以上の予習は必須ではないのです。

軽めの予習を行う際のポイントは下記の通りです。
・所要時間の目安は30分程度
・その時間内で出来る範囲で進める(途中で終わってもいい)
・30%程度(※)の理解でもいい(十分に効果が期待できる)
・無理に理解しようとせず、仕分けする感覚で進める(理解できない箇所は深追いしない)
・塾の授業では、予習段階で理解できなかった箇所を集中して聞く
・本人だけで進めることが難しい場合は、親御様に付き添ってもらう

(※)例えば食塩水の単元を予習する場合、テキストでは面積図(長方形を書いて、縦に濃度、横に重さを記入する)で説明していることがあります。
それを意味を含めて理解している状態が理解度100%とすると、理解度30%は「縦、横のどちらが濃度と重さだったか覚えていない」「意味はわからないが、そういう図があったことは覚えている」という感じになります。

予習は万人向けの方法だとお伝えしましたが、「軽めの予習」については自習の習慣がついている(または、親御様が付き添ってあげれば課題を進められる)ことが前提になります。

軽めの予習は、塾の授業内容の理解状況を改善する(復習時間の短縮と定着率向上を達成する)ための、最も効率的な方法の一つです。
まずは上記の方法で軽めの予習に取り組んでみて、所要時間や進め方についてはアレンジしていただくといいかと思います。


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