第1章 ④私が、私でいられる場所
「ハイ、今日はここまで」
チャイムが鳴り、先生は教科書を閉じた。
クラスのみんなは、一斉に立ち上がる。
「音楽室行く前に、トイレ行かない?」
「うん、行こー」
音楽の教科書とノートと筆箱を持って、私も立ち上がる。
ここは女子高。見渡す限り、女の子しかいない。分かっていても、入学したばかりの頃は、授業中にふと顔を上げた時に女子の背中しか目に入らないから、「うわっ、ホントに女の子だらけだ」って思ったっけ。
うちの学校の制服は、ジャンパースカートだ。白ブラウスに襟元で