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女子高生×ミニチュアハウス

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後藤葵はミニチュア作りが大好きな女子高生。 つらいときも、悲しいときも、ミニチュアを作っていれば、すべてを忘れられる。 そんな葵のミニチュアが注目を集めて、人生が大きく動き出す。…
運営しているクリエイター

#音楽室

愛なんか、知らない。 最終章⑫忘れることなんか、できない。

 その日から、塚田さんと毎日のようにメッセをやりとりした。  といっても、鈴ちゃんが図画…

凪
2か月前
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愛なんか、知らない。 第8章⑤さよなら、また会う日まで

 優は立ち止まって、私の顔を見た。 「葵のミニチュアはすごいんだから。人を感動させる力を…

凪
3か月前
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愛なんか、知らない。 第7章⑬にせものの家

 どういうこと? どういうこと?  私、圭さんに「夜の音楽室」を見せたっけ?  ううん、一…

凪
3か月前
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愛なんか、知らない。 第7章⑫まさかの裏切り

 圭さんの部屋に行った帰りの電車の中で、日本クリエイター展のホームページを検索した。  …

凪
3か月前
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愛なんか、知らない。 第7章⑪胸騒ぎ

 そんなこんなで、ミニチュアを作ったり、教室やワークショップで教えたり、学校に行ったり、…

凪
3か月前
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愛なんか、知らない。 第7章⑧夜の音楽室

「葵さん、葵さん」  そっと揺り起こされて、私は自分が眠っていたことに気づいた。 「えっ、…

凪
3か月前
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第1章 ④私が、私でいられる場所

「ハイ、今日はここまで」  チャイムが鳴り、先生は教科書を閉じた。  クラスのみんなは、一斉に立ち上がる。 「音楽室行く前に、トイレ行かない?」 「うん、行こー」  音楽の教科書とノートと筆箱を持って、私も立ち上がる。  ここは女子高。見渡す限り、女の子しかいない。分かっていても、入学したばかりの頃は、授業中にふと顔を上げた時に女子の背中しか目に入らないから、「うわっ、ホントに女の子だらけだ」って思ったっけ。  うちの学校の制服は、ジャンパースカートだ。白ブラウスに襟元で