メンバーシップ型・ジョブ型という働き方 ⑤ジョブ型(前回の続き)

本件については最終回になります。
さて、よく、ジョブ型はあっという間に契約が終了する事があったり、仕事が属人化する(※1)、従業員同士がドライ等、冷たい印象があるなどと言われる事があります。
(´-`).。oO(実力主義って冷たい...怖い...)

ふと思った事があるのですが、
例えば、私は野球が好きで、プロ野球もよく見ます(コロナ前はよく球場に行っていました)。プロ野球の世界、実はこのジョブ型っぽい感じがしませんか?
(実際の形態は、個人事業主として球団から業務を請け負っている状態、尚、所得は事業所得に分類)

自分の(直近の)成績、出来る事、出来そうな事を加味して年俸が決まります。
ホームラン1本いくら、投手の勝ち星1勝でいくらなどの出来高もプラスされます。
そして、年末の番組でもおなじみですが、成績が奮わなければ最後は解雇が待っています。

やはりメンバーシップ型は人間味があって暖かい、
すぐ契約終了で打ち切るなんて冷たい、だからジョブ型はよくない、と考える方々、自分がプロ野球ファンだとしたら、いかがでしょうか。

たしかに、年末の某番組にて、
トライアウトに賭ける選手、家族や幼い子供を背負って最後の望みに賭ける選手を見て、なんとも言えない気持ちになったり、感情移入する人は多いはずです。

しかし、です。
自分が応援するチームに、能力の低い選手はいて欲しくないと思うはずで、
出来るだけいい選手にいて欲しいと思うはずです。
(いい選手とは?という議論は勿論、別の話として必要です)
野球を知らない人でも例えば大谷翔平選手は知っている人が多いと思いますが、彼なら引く手あまたのはずです。

また、年功序列は、どうでしょうか。
プレイヤーでいる限り、段々年俸が上がっていく仕組み...
やっぱり、変だと思わないでしょうか?

だとするならば、一般企業の従業員にこの仕組みを当てはめても問題ない気がします。
書いている私自身への戒めの為にも記載しますが、
「他人(他業種)の不安定な雇用はしょうがないけど、自分が不安定なのはやだ...」
は通らないはずです。

いかがだったでしょうか。
もちろん、一般企業とプロ野球界を比較検討するのは、あまりにも色々違い過ぎて(そもそもプロ野球選手は選手寿命が短い、なども含め)
突拍子なさすぎる感はありますが、
サラリーマンだって給料もらっている以上みんなプロ、
営業なら営業のプロ、経理だったら経理のプロです。
本来なら、「彼はまだ2年目だから...」は関係ない事が分かります。
18歳のルーキーに対し、「まだルーキーだから手を抜いて投げてやるか」
というピッチャーがいるでしょうか。

会社に依存しないキャリア形成の為、値札が付くスキル、他人に代えがたいスキルを身に着ける事が鍵になりそうです。そういった意味では、まずは会社を練習台にし(言い方はちょっと悪いかもですが)、そこでスキルを身に着けられれば、その会社で活躍するもよし、値札が付いているので、他に売り込むのもよしという事になります。(※2)

まずこの辺りを意識する事が、ジョブ型への第一歩かも知れません。

本日もお読みいただきありがとうございましたm(__)m
次回は、下記※1に関連し、『会社の規模と生産性』について書いてみたいと思います。

※1:仕事の属人化、は悪い事?
この言葉、良いイメージ、悪いイメージ、どちらでしょうか。
また、周りから、「あなたにしかない個性、オリジナリティを磨く事が大事!」とか、
「あなただけにしか出来ないスキルを身に着けよう!」
という言葉を聞いた事はないでしょうか。

実は、これらは相反している様にも思えます。
その人にしか出来ない事、これ即ち(広義の)属人化ではないでしょうか。
言いかえれば、仕事の属人化を目指そう、という事ではないでしょうか。

という事は、ジョブ型では自分にしか出来ない事を見つける
=仕事の属人化を目指す事の様に思えます。

語弊があるかも知れませんが、仕事の属人化を防ごうとする会社側の本音は、人が辞めた時の会社側のダメージをなるべく減らそうとする、ただの会社側の都合やリスクヘッジの様な気がしました。
ちなみに、やはり人数的に厳しい中小企業に多いイメージでした...。

※2
受け売りですが、野球のイチロー選手に関し、以下の様に表現した言葉を聞いた事があります。
「彼にとって、オリックスが低迷しようが日本プロ野球界の人気が低迷しようが関係ない。何故なら、彼は渡米し、自分の力でスターになる事が出来るからだ」

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