見出し画像

一般病床3日目

昨日、身体にまとわりついていた管やコードから解放され、今日から病室の外に出るのにいちいち看護師を呼ばなくてもよいことになった。とはいえ、病室の外に行くのはトイレと歯磨きのときくらいで、他に出る理由がない。今いる病室は8階で、階下にはコンビニがあるらしいのだが、単独で階を移動する自由までは無い。行ってみたいな、コンビニ。

所謂「大病院」なので、病室の外を「自由に」歩いて良いと言われても、要所要所にガラスのドアがあって、そこから先には行けないようになっている。そのドアの向こうにもこちらと同じくらいの規模の病棟が広がっている。「自由」の意味を改めて考えさせられる。

それで今日、回診の医師と話をしていて自分が脳挫傷であることを初めて知った。都営三田線の日比谷駅ホームで電車を待っているときに急に視界が暗くなり、気がつくと頭のすぐ脇に床面があって、眼前で救急隊員のような人が複数作業していた。そこで一旦意識が薄れて、次に気がついたら病院にいた。そんなわけで、頭をホーム床面に打ちつけたことで、頭蓋骨を骨折し、脳に血腫を生じたということは理解していたつもりである。ただ所謂「病名」は意識していなかった。別に病名を認識していようがいまいが、私自身にはどうでもよいのでそもそも関心が無かった。

今日、一般病床に移って初めてシャワーを浴びた。毎日風呂に入らないとどうのこうのというような繊細な質ではないので、身体が汚れていることはたいして気になってはいなかった。毎日風呂に入らないとどうのこうの言っていたらバックパッカーはできない。インドやオーストラリアのアウトバックを旅したことを思えば、都心の大学病院での入院生活は極楽と言っても過言ではない。それにしても、シャワーは気持ちよかった。

読んでいただくことが何よりのサポートです。よろしくお願いいたします。